ロスサントス島に勤務する傍若無人な女性警官・霊夢巡査雑用係長。主人公特権をも行使するトンデモ警官が遭遇した恐怖とは…。

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いつも楽しんで見てるロケット霊夢さんのパトロール日記シリーズで何かssを書いてみたいと思って、思いついたのがクトゥルフ神話。
という事が半年前にあって、スケブを書きつつ少しずつ書いてやっと投稿しました。

ロケット霊夢さん、これからも楽しみにしてます!


第1話

【プロローグ】

 

ロスサントス島のある警察署。

 

そこには、霊夢巡査雑用係長というとんでもない女性警官がいる。

 

相手の車を蹴ったり、犯人追跡のために平気で一般人を跳ねたり、自分の事を糾弾した部下をヘリコプターで高いビルまで運んで放置したり、とにかく数えきれない程の傍若無人ぶりを発揮している女性警官である。

 

これはそんな彼女が経験した……

 

恐るべき深淵の物語である。

………

……………

 

【異変】

 

その異変は、CIAの捜査官であり大統領の娘である、フランことフランドール・スカーレットから始まった。

 

彼女は何時からか事ある事に、ロスサントスの警察官であるハゲ頭クリオを大気圏外にぶっ飛ばす事が多かった。

 

※ちなみに木星でカイワレ栽培したのを潰したのを作者(俺)は恨んでます。(ちょっと食べてみたかったから)

 

そして、またハゲ頭クリオを大気圏外へぶっとばしていたある日の事、彼女はふと、ハゲ頭クリオのスマホらしきものを見つけた。

 

どうせならゴミ箱へ捨てる前に中身を見てやろう。そういえばさっきぶっ飛ばした時のアイツの様子がなんかおかしかったな。と思いつつ、フランはハゲ頭クリオのスマホの中にある写真のデータを閲覧していた。

 

彼は戻ってくるまでに宇宙の風景をいくつか撮影していた。そんな写真の中にひとつ、煌めく星達が何やら一つの形を作っていた。

 

フランはそれを目にした瞬間、全身が震えだした。

 

「あ……!?あああ……!?あああ………!!」

 

それは病気のそれではない。恐怖だった。それも、出会ったことのない未知なる、名状し難いものへの恐怖だった。

 

「ああああああああああああああっっ!!!」

 

ハゲ頭クリオが再び戻ってきた時には、フランは絶叫をあげて失神していた。やがて、失神していた彼女を発見したCIA捜査官が大統領に事を報告。

 

その後、姉のレミリアはその写真を見て、危うく発狂しかけ、父親である大統領も、その謎の写真を見て、突然襲ってきた名状し難い恐怖に、心臓発作を起こしてしまったという……。

 

フランは現在も病院のベッドにて、顔面蒼白になりながら何かを呟いている…。(でも飯は普通に完食してる。)

 

ちなみにハゲ頭クリオも狂死した。しかも、家宅捜索にてなんとハゲ頭クリオこそが、あの『人類はAIに負ける教』の真の教祖である事が判明した。

 

かつての副総理であるタギシフミオへ、亡き娘の死を捏造した杉原隆やタケタケオへ対する復讐心を利用して、陰で操っていた事も判明した。

 

何故にそんな宗教を作り上げたのかはまた別の話。

 

しかし、さらなる異変はついに霊夢の所でも起きてしまった。

 

「妖夢?」

 

ふらふらと現れたのはゆっくり妖夢。ある時期から事ある毎に「流石霊夢さん!」なんて言って、常識から外れた事をしまくる霊夢を、どんなにおかしくても褒める程に信奉している。

 

そんな妖夢の様子がおかしい。そして一言に言ったのは……

 

「霊夢さんは正しくなかった……。嘘をついてきた……。」

 

「は?」

 

耳を疑う霊夢。妖夢はさらに続けた。

 

「パパンは本当は警察署の署長じゃなくて、警察庁のお偉いさんだった……霊夢さんはそれを知ってて私に秘密にして……それに…パパンに脅しをかけたりした事もあって……しかも……パパンがあんな事に…おまけに……パパンは……」

 

「よ、妖夢?あんたどうしたの?」

 

「私は……前にも言いました。霊夢さんは悪くないって……(パート136より)でも……でも……もう……!!」

 

突如として、絶望と狂気に満ちた表情を見せて、妖夢は叫んだ。

 

「全部霊夢さんが悪いんだぁぁぁぁぁ!!霊夢さんは正しくない!!霊夢さんは法律じゃない!!みんな霊夢さんが悪いんだ!!霊夢さんのせいでええええええ!!!」

 

叫んだ妖夢がピストルを抜いた。本来、死への恐怖などから銃撃戦が大嫌いな妖夢が自分から。

 

だがその直後

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

駆けつけてきた魔理沙と咲夜の銃撃によって、妖夢は断末魔の叫びをあげて仰向けに倒れて絶命した。

 

「大丈夫か霊夢!?」

 

「あ……えっ、あ……?なになに、何がどうなってんのよ?」

 

駆け寄る魔理沙だが、霊夢は未だに状況がよく飲み込めていない。

 

ともかく霊夢は妖夢を主人公特権で蘇生しようとした。しかし……

 

「はっ?な、なにこれ?」

 

表記されたのは、

 

『死までの過程に神話的要素が含まれているので、蘇生できません。』

 

「ど、どういうことよ?何よ?神話的要素って!?」

 

何度も蘇生を試みるが、まったくできなかった。

 

妖夢は完全に息絶えたのだ。

 

それからして、魔理沙から霊夢はとんでもない事を聞いた。

 

【実在する恐怖】

 

 

「はっ!?妖夢のお父さんが亡くなった!?」

 

妖夢の父親が死亡した。しかも、変死である。

 

どうやら、ある事件の調査報告の中にあった写真の中に名状し難いものを目にして、突然として発狂。

 

その後、窓に向かって

 

「窓に!窓に!!」

 

と叫んでから、そのまま息絶えたとの事だ。

 

「あれ?なんか聞いたことあるような?」

 

主人公特権が通用しなかった神話的要素という謎の言葉…それに妖夢の父親の死の間際の台詞。

 

霊夢は思った。

 

「ま、まさか!?いや、そんなはずは!」

 

「霊夢?」

 

霊夢は「ちょっと行ってくる。」と一言だけ言って、外へ飛び出した。そして、かつて魔理沙とも因縁のあるアラビア新人の元へ向かった。

 

彼は事を知っていた。

 

「そうか……やはりそうだったか。」

 

「どういうこと……?」

 

「お前の予想している通りだよ。

 

神話的要素の神話とは………あのクトゥルフ神話の事だ。」

 

「く、クトゥルフ神話はあくまで小説の中の話じゃないの?」

 

「それはあくまで表向きだ。実際にクトゥルフ神話は一部は実在するんだよ。クトゥルフも、深きものも、ネクロノミコンもな。」

 

「はあ!?」

 

クトゥルフ神話……それは100年も前に、怪奇小説作家のハワード・フィリップス・ラヴクラフトが製作した、宇宙的恐怖を描いたSFホラー小説。

 

邪神クトゥルフを代表的に、様々な神話生物や邪神と呼ばれる怪物達の織り成す、日常の裏に潜む大きくて未知なる恐怖を描いた作品達。

 

それは後に、漫画やアニメやゲーム、さらには特撮などにおいて、クリエイター達に影響を与え、また引用される事も多く、TRPGという一種のテーブルゲームにおいても有名になっていた。

 

そのクトゥルフ神話が一部、実在する。

 

霊夢にとって、それはとても信じられなかった。

 

だがもし……ハゲ頭クリオの写真に写っていたのが、フランやレミリアが目にしたそれに写っていたのが邪神クトゥルフなら。

 

妖夢の父親もそれをきっかけに、恐ろしいものを…あのセリフから恐らくクトゥルフかその眷属であるダゴンを目にしてしまって、狂死してしまい、それを妖夢がその事実を知ってしまったのなら。

 

妖夢の死までの過程に少しでもクトゥルフ神話が絡んできたのなら、納得がいく。

 

なぜなら、主人公特権という力は、未知なる大きな宇宙から飛来した、人類誕生以前から存在している邪神…大いなる大怪物の前には、通用する事は至難なのだ。

 

クトゥルフ神話の邪神とは、想像以上に恐ろしく強い。そういう存在だ。

 

だからあの時、主人公特権での蘇生ができなかったのだ。

 

【存在した邪神】

 

それから暫くして……霊夢が消えた。

 

魔理沙と咲夜が一生懸命に捜索して、やっとの事で見つけた時、霊夢は意気消沈しているような状態だった。

 

その間にも、話を聞いていた署長は

 

「我が署のアイドルである妖夢ちゅわんをパパンと共に死なせたその邪神とか言うのをぶっ潰してやらぁ!!」

 

と言って、霊夢に続いてどこかへ消えてしまっていた。後に署長はロスサントスの海岸にて、死体となって上がっているのが発見された。

 

凄まじい恐怖に狂った死に顔だった。

 

発見後、ほぼ何も語らない霊夢は、黙って自分のスマホとメモ帳を渡した。

 

魔理沙は胸騒ぎを覚えつつ、メモ帳を目にして驚いた。

 

殆ど筆跡が乱れていて、まともな状態で書かれたものじゃなかった。

 

そして、スマホに残っていたある動画を、魔理沙は恐る恐る再生した。

 

霊夢と署長と、霊夢直属の特殊部隊がなんともいえない奇妙な建造物の多い謎の場所にいた。

 

しかもそこは空間がまるで歪んでいるようだった。

 

やがて歩いていくうちに、霊夢達は巨大な扉の前にたどり着いた。扉には巨大なタコのような絵が刻まれていた。

 

魔理沙や霊夢はそれを知っていた。

 

「……クトゥルフ。」

 

映像の中で霊夢は愕然としていたが、すぐにいつもの調子を取り戻し、何度も扉へ蹴りを入れ始めた。

 

「おらぁ!!クトゥルフ!!ほんとに!!いるなら!!出てきな!!さいよぉ!!」

 

と、その時。扉が突然として開き出した。

 

「!?」

 

開いたその先は、漆黒の闇。まさに深淵。しかし、その深淵から突如、大きな手が出てきて、あの強靭な特殊部隊達を、霊夢直属の特殊部隊達を叩き潰した。

 

「あ…………あ…………」

 

言葉を失った霊夢と署長の目の前に、大きなタコ頭が…夢ではなく、現実に存在せしそいつが。

 

邪神クトゥルフが目の前に姿を完全に現したその時。

 

「ああああああああああああああっっ!!!」

 

傲慢で乱暴で金にがめつく、金銭事情から金持ちを妬み憎む霊夢が

 

かわいこちゃんに弱く、甘く、真冬に男性警官を半袖で活動させたり、体臭のすごい署長が

 

これまでにない絶叫をあげていた。

 

やがて二人は船に戻り、逃げた。しかし、署長の精神は既にクトゥルフの大きく未知なる恐怖で破綻していた。

 

「そうか……そうなんだね、妖夢ちゅわん……わかる、わかるよ…!!あんなの目にしたりしたら……相手にしようとしたら……おかしくなるよね……!!やっと…署長やっとわかったよ……!!はは………

 

あーはははははははは!!あーはははははははははは!!あーははははははは

 

ぎゃあああああああああああああっっ!!!」

 

錯乱しながら霊夢は、上記の声を、叫びを挙げた署長を拳銃で何度も撃ち、船から転落させた。

 

その後の霊夢はひたすらに逃げた。

 

映像はその時点で終わっていた。魔理沙は必死に自我を保ちながら、真実を知ってから、やがてそのビデオカメラを処分した。

 

霊夢は今も精神病棟にいる。そして、発見された時に船の上で叫んでいた時と同じ声を挙げ続けている…。

 

「イア!!イア!!クトゥルフ・フタグン!!イア!!イア!!クトゥルフ・フタグン!!イア!!イア!!クトゥルフ・フタグン!!イア!!イア!!クトゥルフ・フタグン!!イア!!イア!!クトゥルフ・フタグン!!イア!!イア!!クトゥルフ・フタグン!!イア!!イア!!クトゥルフ・フタグン!!イア!!イア!!クトゥルフ・フタグン!!」

 

…………

………………

 

【エピローグ】

 

 

「………はっ!?ま、魔理沙?」

 

「おお、霊夢起きたか!ほら、パトロール再開するぞ~。」

 

「え、ええ。あー、ひどい夢を見たわ。腹いせに金持ちの車のガラスを割って整備不良で罰金取ってやろうかしら。」

 

「さすが霊夢さん!」

 

「肯定しないの。」

 

妖夢と魔理沙もいる。いつもの日常だ。あれは夢だったんだ。クトゥルフが現実にいる訳がない。いつもの調子に戻った霊夢がパトカーへ向かおうとした時だった。

 

ハゲ頭クリオが何やら不気味な本を手にしていた。

 

「あ、霊夢さん。なんかこんな物を拾ったんですよ。すっごく気味の悪い本なんですよこれぇ。ほら、この表紙………

 

はっきりと人の顔みたいになってるんですよ!」

 

後にロスサントス署で語り継がれる

 

『霊夢巡査雑用係長の突発的発狂署内銃乱射事件』

 

警官や一般人を含め、死傷者は65名。その中にはハゲ頭クリオや署長も含まれている。

 

後に投獄された霊夢は、獄中でひたすらに、ある言葉を呟いていたと看守は証言した。

 

ただ、ひたすらに…その言葉を霊夢は繰り返していた…。

 

『クトゥルフ・フタグン』と…。

 




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