女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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愛家にて


第10話 襲撃者

 中華料理屋・愛家。

 典型的な町中華の店だな。

 

 あまり広々として無い、窮屈な店舗。

 

 ただ、味は良さそうな印象はあった。

 

 ……今日の夕方に襲撃があるかもしれないわけだから、あまりたくさん食べるのはダメだよな。

 

 メニューを開く。

 

 麻婆豆腐定食、焼きそば定食、肉丼……

 

 他はチャーハンだとか、ラーメンだとか。

 メニューの雰囲気からして、上記3つがオススメなんだろうな。

 

 ……まあ、仕事して金稼いで、外食に自分のお金で行く身分になって。

 そこで得た結論だけどさ。

 

 ……中華料理屋の麻婆豆腐って、大概マズいんだよね。

 

 なので、気にはなった。

 そんな中で、麻婆豆腐をオススメに上げてくるその自信を。

 

 どうする……?

 

「ライドウさんは何を食べますか?」

 

 なので参考の意味で、ライドウさんの注文を訊いた。

 

 俺と同じくメニューを見ていたライドウさんは

 

「ニラレバ定食です」

 

 ……オススメじゃないなぁ。

 なので

 

「オススメメニューは選ばないんですか?」

 

 そう訊ねたら

 彼女はしれっと

 

「食材のバランスに偏りがあるので、そちらは……」

 

 まあ、確かにそれはそうだ。

 炭水化物多めだったり、野菜少なくて肉ばっかりだったり……

 バランスは全然とれてないよ。オススメは。

 

 ……しかし、そういう観点で選んでしまうのか。

 しかも、迷いが無いみたいに見えた。

 彼女の答えに……俺は彼女が決断が早くて、あまり他人の意見に左右されない人なのかなと。

 

 そう思った。

 

 

 

 食事を終えた。

 あまり腹いっぱい食べると不味いし。

 これから戦うかもしれないんだしな。

 

 俺は結局、焼きそば定食にした。

 

 炭水化物を多めに摂っておいた方が良いだろ。

 動くかもしれないわけだし。

 

 で。

 

 高台に2人で来たんだ。

 人気が無くて、恋人同士が来そうな場所だったから。

 

 ベンチとテーブル、そしてその上の屋根。

 確か東屋って言うんだっけ?

 こういう、屋外休憩所を雨や日差しから守るような屋根。

 

 ……しかしホント、人気が無いな。

 町からちょっと離れているのが問題なのかね?

 

 ライドウさんは……

 

 ちらり、と見る。

 

 彼女は今、自分のリュックの中身を探ってる。

 

 犯人が襲撃を掛けて来たときに備えて、なのかな。

 

 俺もそろそろ準備するか……

 

 何故って……

 

 ポツポツ居た、この高台に居た人たちがほとんどいなくなったのに。

 

 たった1人だけ、帰らない人影があったから。

 

 ……で。

 

 確かに、感じる。

 俺たちに対する悪意を。

 

 ……この場所に居るのは、俺たちと……

 

 あの男だけか。

 

 年齢は多分俺よりは上。

 おそらくナオヤさんと同じくらいか。

 多分30才には行ってない。

 

 顔つきは酷くはなかった。

 まぁ、美形でも無いんだけど。

 

 ただ不摂生しているのか、腹が出てたな。

 手足は普通に見えたけど。

 

 あまり良い太り方では無い。

 それが断言できる。

 

 髪の毛はボサボサで、セットという概念が無いように見えて。

 服装は、汚れた長シャツに、ジャージの下。

 

 ……部屋着だった。

 

 あと……目つきが気持ち悪かった。

 魚みたいな、光の無い、粘着質の目だったんだよ。

 

 だから……

 

「……何でお前みたいなくだらないのが人生を楽しんでんだよ……?」

 

 いきなりそいつが、大声で俺にそんなことを言い始めたとき。

 別に俺は……

 

 驚きはしなかったんだよな。




敵、現る!
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