女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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第103話 西成区へ

「ええと、淀姫様」

 

 ライドウさんがお辞儀をし

 

「私、17代目の葛葉ライドウを襲名した者です」

 

 正式に名乗る。

 

 すると

 

『……おお。帝に仕えし葛葉四天王の1人か』

 

 淀君の態度があからさまに良くなった。

 使い走りじゃないことを確信したからか。

 

 ……豊臣秀吉は尊王派の人間だったという話を何かで読んだことがある。

 愚策にカウントされる朝鮮出兵に関しても、帝からその邪魔になる命令……勅命でいいのかな。それが出て。

 軍の身動きが取れなくなり、その目的を達する前に寿命を迎えたとかいう話で。

 

 その説が事実だとしたら、ライドウさんの名前を聞いて機嫌が良くなるのは頷ける反応かもしれない。

 自分が側室として仕えた主君が敬っていた存在の、直属の部下に等しい存在なんだし。

 

『もう一度言う。何用じゃ?』

 

 完全にウェルカムというか。

 聞いてくれる体勢になってる。

 

 うーむ、心強い。

 

 淀君の様子にライドウさんは頷き

 

「実は……」

 

 そこから的確に、ライドウさんは大阪城の状況を説明した。

 

 ……淀君の表情がみるみる険しくなる。

 

 そして吐き捨てるように

 

『おのれ伴天連め! 太閤殿下がこの日ノ本より叩き出してやったはずなのに、時間(トキ)を越えて再びこの日ノ本を蹂躙し、あまつさえ殿下の居城を我が物顔で(ほしいまま)にしているじゃと!』

 

 そう、怨嗟の声を発した。

 

 それを聞きながら、思う。

 

 ……いや、伴天連では無いんだけどね。

 系統として近いだけで。

 

 だって連中、他のキリスト教徒も「邪教徒」って言って否定しているし。

 一緒にするのは違う気が。

 

 でも誤解解いても意味無いしなぁ。

 それにまあ……

 

 当時のキリスト教が日本侵略を計画してたのは事実だしな。

 

 

 

『……用件は理解した。なんとか殿下に呼び掛けて、伴天連共を殿下の居城より叩き出すことを進言しよう』

 

 ……なんとか。

 豊臣秀吉にコンタクトする手は打てた。

 

 あとは……

 

 生國魂神社を出て、外に停めていた自転車に跨り。

 次の目的地に。

 

 俺は

 

「じゃあ、西成区に行きましょうか」

 

 そう、後ろに乗るライドウさんに呼び掛ける。

 彼女が頷く気配を感じる。

 

 ……少しだけ、心が重くなる。

 この先に待つのは、間違いなく不愉快な状況。

 

 それがほぼ確定事項だし。

 

 

 

 生國魂神社から、西成区へ。

 自転車でおよそ20分。

 

 日本有数の貧民街。

 それが西成区なんだが……

 

 確かに、自動販売機の飲料の値段が異様に安かった。

 あと、道で本当に寝ている人、なんていうあまり他の街で見ない人を見掛ける。

 正直、社会の暗部を見せつけられたようで、あまりいい気分にはならないな。

 

 到着したときには腕時計は11時を指していた。

 

 メアリさんの話では、ここで布教行為に及んでるメシア教徒が居るらしい。

 それを探さないといけない。

 

 さて、どこにいるのか……?

 

 そこに困難さを感じていたけど。

 

「日本政府はあなたたちを救いません! 必ず見捨てます! ですがメシア教に入れば必ず幸せになれるのです!」

 

「醜く汚れた日本人であることを辞め、神の(しもべ)になりましょう! 穢れた国に捨てられた、あなたたちこそ救われるべき!」

 

 ……杞憂だった。

 わりとすぐに、そんな下種極まりない布教活動の声が聞こえて来たからだ。




淀君って呼び方は、あまり良い意味では無いらしい。
なので「淀姫」って呼んだのですけども。
どうなのかねぇ?

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