女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
「おのれ邪魔立てするか女!?」
ライドウさんの言葉に反応し、カズフェルと名乗った黄金の翼を持つ天使が殺気の籠った声を向けて来る。
ライドウさんは怯まない。
その声に
「私は
そうハッキリと返し。
左手に握った2本の封魔管から2体の仲魔を召喚する。
赤い甲冑の鎌倉武士……英雄ヨシツネ。
3本足の大鴉……霊鳥ヤタガラス。
ヨシツネは跳躍し、カズフェルに斬りかかる。
ヤタガラスは大きく鳴き、火球を召喚してハニエルにぶつける。
ヨシツネの斬撃にカズフェルは気圧されていて、ハニエルはヤタガラスの火球をまともに浴びた。
「小賢しい!」
だがハニエルはそれでは止まらず、弓を弾き絞り一度に数本の矢を射掛けて来る。
その技量が高いことは、俺でもまあ読み取れる。
……だったら
俺は仲魔を召喚する。
翼を持つ白馬……神獣ペガサス。
魔法陣から出現したその悪魔に、俺は即座に指示を出す。
「ペガサス! ハニエルに特攻をかけてあの弓を止めさせろ!」
「分かっタ!」
弓は遠距離では有利だが、複数の敵相手の場合は対処が剣より難しいはずだ。
近接されたら詰むわけだしな。
俺の指示に従い、ヤタガラスに対する第2射を引き絞っているハニエルに突撃する。
それに気づいたハニエルは、狙いをヤタガラスからペガサスに変更するけど……
狙いが外れた瞬間、ヤタガラスが突撃し、鳴き声と共に3つの足の爪でハニエルの身体を掻き毟り、その嘴で激しく突いた。
……大技を使わなかったのは、ここは隙を逃さない迅速性と思ったのかね。
そのまま錐揉みで墜落し、地面に落下する。
「ぐああああっ! 考え直せ! お前たちは何をやっているのか分かっているのか!?」
落下したハニエルはヤタガラスの攻撃を受け続けている。
嘴と、爪の。
「私は神の使いだぞ!? 呪われるぞ!? 永久に祝福されなくなって良いのか!?」
そこにペガサスが舞い降り、前足を高く持ち上げる。
……終わりだな。
「お前たちのためなのだ! やめ……」
ドカッとペガサスが前足の蹄を踏み下ろし、強烈な一撃を叩き込む。
何度も、何度も。
ハニエルの悲鳴が響き渡り、やがて聞こえなくなり。
塵に還っていった。
「やめろっ! 畏れ多いと思わないのか!? 永久に呪われてしまうぞぉっ!」
……カズフェルの方も終わりつつある。
ヨシツネは、飛行能力無しというハンデを、その脚力で埋めてしまい。
ハニエルと同じようにカズフェルを墜落させ、その右手に持った打刀で滅多切りしていた。
カズフェルの言葉をガン無視し、無表情で斬りまくるヨシツネに。
俺は鎌倉武士のバーサーカーぶりよりも、ヨシツネという英雄の戦闘マシーンぶりを見た気がしたよ。
そして
「ぐああああっ!」
ヨシツネが刀を両手でカズフェルの首に突き立て。
カズフェルが塵に還る。
……後には、メシア服と靴などが残された。
見ると、ハニエルの方も同じことになっていて。
こいつらの衣装は、変身の結果ではなかったのかなと、ちょっと考えた。
トールをやったときはこういうのは残らなかった記憶があるんだけど。
「……ありがとう。アンタら国の人か?」
そして俺たちが、後に残されたメシア服2着を拾い、鞄に仕舞っていると。
ギャラリーになっていたホームレス男性たちが俺たちにそんなことを言ったんだ。
「ええ。この事件は今日中に終わらせますので、安心してください」
彼らのそんな言葉に、ライドウさんは笑顔を向けてそう返す。
彼らは
「……まあ、頑張ってくれよ。なんだかんだ言って、信じてるからさ」
少し、照れくさそうに。
頬を指先で掻きながらそう言って。
その先に何を言えばいいのか見つからなくなった表情をした。
礼を言いたいのはこっちの方なんだけどな。
こいつらが正体を現したのは、アンタらが啖呵切ってくれたからだし。
だから俺は
「助かった。本当にありがとう」
正面から礼を言う。
頭も下げた。
ライドウさんも従ってくれる。
すると
「……やめてくんねぇかな? お兄さんたち。……ただ俺たちはムカついたことを口にしただけなんだから」
そんな俺たちに、困り顔だったわ。
ホームレスのおじさんたちは。
時間かける相手でも無いのでサックリ。
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