女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
ライドウさんが呼び出したのは、ヨシツネとオシリス。
赤い甲冑の鎌倉武士と、全身を包帯で覆ったミイラの魔神。
2体の悪魔が神官風の若者を襲う。
若者は
「破ァ!」
気合と共に右手を突き出し、そこから衝撃波を撃ち出した。
波動で展望台が震える。
……衝撃系魔法!
ヨシツネは直撃を避けて跳躍し、オシリスは包帯を放射してバリアを形成し、それに耐える。
相当な高威力。
無視して良い攻撃魔法じゃない。
「……こちらの世界では、まだ浄化が完了されていないようですね。速やかにあなたたちを打ち倒し、神の意志を実現させます」
……そしてこいつは、驕りが無い。
油断が無いんだ。
ライドウさんもアセイミーナイフを引き抜き、彼の死角に回ろうとしてるけど。
彼は巧みに立ち回り、回避している。
……もっと、手勢が必要だ……。
俺は何を呼ぶべきか?
俺は頭の中で手持ちの仲魔を並べた。
俺の今の仲魔は……
堕天使サルガタナス
妖獣ライジュウ
魔王キングフロスト
女神アンピトリテ
神獣ペガサス
1対多の乱戦だから、範囲攻撃が得意なタイプは除外だな。
そうすると、キングフロストは無い。
そしてライドウさんが読んだ2体はアタッカーとサポーター。
ヒーラーが居ない……
とすると
俺はPCにコマンドを打ち込んで、召喚を開始した。
俺が呼んだのは……
大きなイルカに腰掛けた、青い髪の美女……
女神アンピトリテ。
そして、サーベルで武装した蠍の下半身を持つ、緑色の肌の金髪美青年。
堕天使サルガタナス。
「アンピトリテ! 後方支援を頼む! サルガタナス! ヨシツネに加勢してくれ!」
俺の指示。
2体の悪魔は了解し、参戦していく。
サルガタナスとヨシツネの斬撃を向けられ、大阪城を守護する悪魔の若者は余裕というものが無くなっていく。
その顔に、焦りのようなものが浮かんだ。
……いける!
そう、思った。
だけど……
「……このままでは勝ち目がないようですね」
彼は大きく後ろに飛び、そう口にした。
それは決断を伴うもので。
(あ、こいつ……何か隠し玉を持ってる)
それが俺には分かってしまった。
だから
「サルガタナス! アイツに何もさせるな!」
即座に指示を飛ばしたけど
一瞬、遅かった。
敵は両手を天に向けて突き出し、両手の指先で円を描く仕草をした。
その瞬間。
そこに輝く輪が出現し、そこから何かが飛び出して。
彼の身体に着装されていき、姿を変えて行った、
それは純白の鎧で。
背中に天使の翼の様な飾り。
そして肘と膝に獅子の顔の彫刻。
胸部装甲は逞しい男性を意識したもので。
その全体的な光沢はプラチナを思わせ、とても神聖さをイメージさせる意匠だ。
頭には茨の輪を思わせる輪が嵌る。
それは、聖者を思わせるもので……
そのせいで、彼の司祭の帽子が消失していた。
それで分かったんだけど。
彼には髪が無かった。
それだけなら別に驚くことでも無いんだけど、それだけじゃなくてさ。
頭頂部に大きな傷が、いや……手術痕があったんだよ。
さすがにギョッとした。
何なんだ、あれ……?
だけど、動揺している場合じゃ無い。
俺は相手に強化の隙を与えてしまったことを理解し、考え込んだ。
多分あれはハッタリじゃない……!
「さあ、迎え撃てる状況を整えました」
彼は勝ち誇った笑みも何も浮かべず、真顔で言う。
手に握った、太陽の意匠が刻まれた長剣を振るいながら。
「時間も無い事です。終わらせます」
……おそらく、彼の中の本心を。
ジーザスアーマー召喚。
ロウヒーローなら着れるよね。
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