女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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第111話 時間の神

 魔神クロノス。

 ギリシャ神話に登場するオリンポスの大神ゼウスの父神。

 元々はゼウスの前に大神の地位に就いていた神。

 

 彼は実父のウラノスを殺すことで大神の地位に就いたのだけど、父の首を海に捨てる際

 

「お前は私と同じ最期を辿る」

 

 と予言された。

 そのため、彼はその後子供が生まれる度に飲み込んでしまうという蛮行を行うんだけど。

 ゼウスが生まれたときに妻の機転で阻止され、最終的に予言通りに倒されてしまい、大神の地位を追われる。

 

 神として司るのは農耕で、川の神でもあるらしい。

 そして色々な理由が関わって来るんだけど……

 

 時間も司っているんだよね。

 

 これには色々説があるんだけど、それはまあ今は良い。

 大事なのはこの魔神が、時間を操る能力があるってことだ。

 

 俺は

 

「クロノス!」

 

 ライドウさんと切り結んでいる神の戦士を指し示し

 

「あの白い鎧の男の頭の傷が無い時代まで、彼の時間を戻してくれ!」

 

「……承知した」

 

 俺の言葉を受け、クロノスは両手で大鎌を縦に構えて浮き上がる。

 

 同時に時空が……歪む。

 

 神の戦士の周囲の。

 彼の周囲が、空間が歪んでいるように見えた。

 

 

 

 ……あの頭の傷。

 ロボトミー手術か何かの、脳改造の痕なんじゃないのか?

 

 俺はそう思ったんだ。

 

 だから、時間を操る能力を持つ悪魔を呼び出そうと思ったんだよ……

 

 何故か?

 

 それは、何故脳改造が必要だったんだ?

 そう考えると分かるだろ……?

 

 脳改造をするのは、そうしないと都合が悪いからだ。

 じゃあ……

 

 そんな相手の、脳改造が無い時代にまで時間を戻せば……

 

 果たして、どうなるんだろうな?

 

 

 

 クロノスが神の戦士の時間を戻した。

 無毛だった彼の頭部に、髪が戻る。

 

 元々の彼は……肩に触れるほどの長髪で、モデルのように見えたよ。

 優し気で、知的で、爽やかな美青年……

 

 手術前に時間が戻った彼は……

 

 動かなくなっていた。

 

 大きく動揺していたんだ。

 ……何かに対して

 

 そして次の瞬間。

 

 彼の身体を覆っていた純白の鎧が一斉に着装解除され、光の粒子になって消えていく。

 

 あとに残されるのは裸の男性。

 あの鎧の着装に関わる重要な何かが、この時間逆行で消えたのかもしれない……

 

 そしてライドウさんはそれを見逃さなかった。

 彼女が手にした刀・薄緑。

 

 彼女はその重大な隙を見逃さず。

 手にしたそのヨシツネの愛刀で、袈裟斬りを浴びせたんだ。

 

 斬撃で肩から斜めに切り裂かれ、その男性は塵になって消滅していったんだけど。

 消える瞬間、その口元に

 

 笑みが浮かんだような気がした……。

 一体、どういう経緯で彼はああなったのだろうか……?




解放されて死んでいく。

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