女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
大阪城を支配していた悪魔・神の戦士を倒して。
ライドウさんが振り下ろしていた刀・薄緑……。
そのヨシツネの愛刀が、俺が見ている前で元の黒いナイフ……アセイミーナイフに戻っていく。
ヨシツネとオシリスに託されていた、なけなしのマグネタイトが切れたのか……
これで拠点の悪魔を全部倒したけど……
この先、どうするんだ?
俺の仲魔だけでやるしかないのか……?
焦りを感じる。
通天閣にもおそらく悪魔がいるはず。
そいつを打倒するのに、ライドウさんの仲魔抜き……
それはつまり、ヨシツネ、オシリス、ケルベロス、ヤタガラスを呼べないってことだ。
いずれも強力な仲魔なのに。
……大幅な戦力ダウンってもんじゃないぞ。
なので
「ライドウさん、マグネタイトを回復する方法は無いんですか?」
それを訊ねた。
マグネタイトは、人間の血液内部に含まれている悪魔が実体化するのに要求されるエネルギー。
俺はそう聞いていたんだけど。
その実態については正式には良く知らない。
本質的な部分で、人の気持ちや感情から発するエネルギーなんだろうなとなんとなく理解はしているけど。
ナオヤさんが、それをSNS上のやり取りから汲み出す手法を発明したところから考えて。
だから血液に含まれる必須要素ってわけじゃなく、たまたま血液に溜まりやすいエネルギーなんだろう。
全部、ただの想像だけどな。
ライドウさんはこちらに背を向けたまま動かない。
動かないで、刀からナイフに戻った手持ち武器を腰の鞘に戻し。
そこでようやく振り返った。
……なんだか、俯いていた。
そして
「……アツロウさん」
彼女は顔を上げ。
俺を真っ直ぐに見つめて
こう言ったんだ。
「私を抱いてください……この場で」
……は?
「えっと、それは」
ハグしろってことですか?
念のため、確認する。
だけど
彼女は首を振り
「……セックスの方です」
そう、勘違いしようもなく、ハッキリ言ったんだ。
真剣な顔で、俺を真っ直ぐに見つめ続けて。
俺は混乱する。
え、え、え……?
そこで思い出す。
マグネタイトはSNS上からも汲み取る方法がある。
その本質は感情のエネルギーである。
そう、ナオヤさんは言っていた。
「ネットの海には、恨み、憎しみ、幸せ、愛情……様々な想いが渦巻いている。俺はそこからエネルギーを、マグネタイトを汲み出す方法を発明したんだ」
そう。
SNS上の感情エネルギーと言われると、怒りや憎悪、嫉妬、自己顕示などの悪いイメージが強いけど。
中には感謝や愛情、幸福などの正の感情もあるんだよ。
だったら……
行ったら双方の気持ちに大きな影響がある行為をすることで、生まれても別に変では無いよな……?
だから、マグネタイトを回復する方法で、セックスを持ち出して来たライドウさんの言葉には説得力はある。
あるけど……
セックス以外無いのか?
ちょっと考える。
大喧嘩、罵り合い……論外。
俺たちの仲が終わって、共闘どころじゃなくなるだろ。
楽しい会話……
それで回復するなら、今の状況は無いだろ。
じゃあ、身体的接触……もっと言えば性行為が最適。
そういう結論になる……ような気がする。
大体、魔術でも確かあるんだよな。
儀式の中に性行為が含まれるやつ。
じゃあ、なおさら、か……
でも
「ライドウさん……」
俺は彼女を見た。
彼女は真っ直ぐに俺を見つめている。
「……俺で良いんですか?」
最後の確認だ。
もし、本当は嫌なら、何とか他の方法で解決できないか考えて……
すると
「アツロウさん」
……ライドウさんの声。
何だか、少しだけイラついていた。
えっ、と思う。
彼女は
「構造上、相手が誰でもいいってことにならないのが分からないんですか?」
馬鹿なんですか? いつもはすごく賢いのに。
そう言われてしまった。
そこで、気づく。
ああ、そっか……
構造上、セックスで愛情や好意が高まる相手じゃないと、する意味が無いんだ。
スポーツ感覚や、快楽目的ではダメなのか……
心が動かないから。
無理矢理、嫌々でも駄目。
それだと関係が壊れて、後に続かない。
……ということは。
「分かりました」
……俺は覚悟を決めることにした。
ライドウさんは俺に「あなたのことはセックスしても良いくらい好きです」って言ったんだ。
だったらここで受けないと男じゃ無いだろ。
俺の方は……ずっと前から彼女のことが好きだったんだ!
俺の方は初めてだから、手が震えたけど。
俺は彼女を抱き寄せた。
そして
俺の腕の中で見上げる彼女に
「ライドウさん」
そう、呼びかけると。
「
……驚く。
ミヤコ……?
混乱する俺に。
教えてくれた。
「
ライドウさんの本名……
俺が初めて聞いた彼女の本名に衝撃と喜びを感じていると
「ちなみに……ライドウの襲名は、呪詛を避けるためという目的もあります」
俺の至近距離で教えてくれる。
呪詛を行う場合、誕生日と本名という要素が重要項目になる場合が多く。
葛葉ライドウの名を代々引き継ぐのは、それからの防御の意味もあるそうで
彼女は教えてくれた。
「私の本名は国家機密に該当する情報です……絶対に他言しないで下さい」
微笑みながら
「……アツロウ」
そして彼女は、背伸びをして。
俺と唇を合わせてくれたんだ。
最初に言っておく!
ここから先はハーメルンではキンクリだと!
(ピクシブの方でゼンカイジャーです。ゼン・ゼン・全力全開! 繋がって感じテクのろじー)
ようやくヒロインの本名判明。
まぁ、多分バレバレだったでしょうけど。
本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。