女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
俺はミヤコ……ライドウさんに背中を向けて、自分の服を身に着けていた。
俺の後ろでは、さっきまで肌を合わせていた相手が黙って着衣をしている。
なんだか信じられなかった。
初めて真剣に好きになった相手と、こうなれた。
まぁ、恋愛の結果じゃ無くて、仕事上のなりゆきなんだけども。
……本当は、彼女と恋人関係を結んでからにしたかった。
今更しょうがないけどさ
「アツロウさん」
そんなことを考えていると。
先に着衣終えたライドウさんが立ち上がり
「ありがとうございます。……これでおそらく最後の仕事も問題なく進められそうです」
そう言って、俺に頭を下げてきた。
俺はシャツを着ながら
「いえ、別に」
俺も嬉しかった。
本心だけど、そうじゃない。
なんて言えば良い……?
考える時間は無い。
今、言葉にしないと。
俺は
「俺は俺で、ずっと好きだった人とこうなれて、幸せです」
数瞬考えて、そう言葉にする。
俺の言葉を受けてライドウさんは
「えっと」
戸惑い。
沈黙……
そして
「私は法律で、結婚する権利が……」
「そんなの予想してますよ。俺とは結婚できないんでしょう?」
ライドウさんが自分は結婚の権利を有しないことを告白する前に。
俺は被せるように言った。
ライドウさんは少し驚いていた。
「……先に開示しておかないと騙し討ちになりかねない情報を躊躇いなく公開するあたり、ライドウさんは高潔ですよね。そういうところも大好きなんです」
驚く彼女に、俺は正直な想いを口にした。
そしてライドウさんは言葉を発せず、俺を見つめていた。
男女交際の果てには、結婚という契約がある。
その契約を目的にしてるかもしれない相手に、その契約が不可能であることを伝えない。
これは騙し討ちだ。裏切りだよ。
だから交際を申し込まれると予想したら、先に言う必要がある。
……国に仕える人なだけあって、高潔を貫いてる。
尊敬できるし、女性として最高だと思う。
だから俺は
「俺はそれでも構いません。法律で安定性が保証されている関係になれなくても、俺はライドウさんと付き合いたい」
そう自分の想いを言葉にした。
法的制約が一切なく、気持ちでしか繋がれない関係……
これは俺にとっても不安ではある、
けど……
「むしろライドウさんは平気なんですか? 突如俺が心変わりをしても、ライドウさんは俺を訴えるのは不可能なんですよ?」
これも言っておかないとな。
結婚できなくて困るのは、男だけじゃないんだから。
でもライドウさんは
「アツロウさん……いえ、アツロウがそんな不義理をするはずが無いと信じてますから。……私から裏切らない限り……」
そう、俺の眼を見て言ってくれた。
じゃあもう、決まりだな。
俺は立ちあがり
彼女を抱き寄せて
「ミヤコ」
そう小さく言って
また、彼女と唇を触れ合わせたんだ。
彼女も俺の背中に手を回して、それを受け入れてくれた。
俺たちは大阪城の敷地を出て、自転車を駐輪している場所まで歩いていった。
……互いに手を繋ぎながら。
……思えば、周りがガンガン結婚して、俺だけ置いて行かれているって考えていたけど。
とうとう、俺が周りと同じステージに立てることは永遠に無くなった。
でも……
俺と一緒に歩いてくれると誓ってくれた女の人が出来たんだ。
大事なのはそこだよな。
……周りと同じであることじゃ無いんだ。
ピクシブ版にしか書いてない情報なので、補足。
葛葉四天王は、相手か自分の名字が変わることで本名が部分的にバレてしまうことを危惧して、襲名した時点で他者と婚姻契約を結ぶ権利を喪失します。
国の方も、たった4人の四天王のために特別法整備なんてしてくれません。
なので、主人公アツロウの恋は絶対に法的な夫婦の関係には行かないんです。
本作を読んでいただき感謝です。
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