女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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第121話 私のささやかな願い

「……東間(アズマ)

 

 アマネさんはその男の顔を見て一言、そう洩らした。

 

 ……アズマ?

 俺はどこかで聞いた覚えがあった気がしたので

 

「アマネさん、お知り合いですか?」

 

 そう、訊ねていた。

 彼女は振り向かず

 

「……私が収監される前まで、翔門会で幹部を務めていた人です……」

 

 そう言ったんだ。

 

 ……え?

 

 

 

 アズマと呼ばれたその男は、細い眼の、知的レベルが相当高そうな顔をしていた。

 エリートっぽい髪も整っていて、櫛が綺麗に入ってる感じ。

 特に太っておらず、中肉中背。

 

 だけど……

 

 俺は、全然覚えていなかった。

 翔門会の幹部なら、東京封鎖でやり合った以上、顔を合わせている可能性高いのに。

 

 誰だ……?

 

 というより

 

「なんで翔門会幹部の男が、メシア教徒の襲撃部隊に居るんだよ?」

 

 ……そう。

 

 この襲撃部隊が、というより……

 

 状況的に、この霊的同時多発テロの首謀者はメシア教徒の可能性が高いと俺は思っている。

 

 両面宿儺復活をスムーズに進めるための

 

 草薙の剣強奪。

 そして大阪封鎖。

 

 この流れ。

 

 このテロについては、まだメシア教から犯行声明のようなものは出ていないけど、おそらくそのはずだ。

 

 メシア教は、このテロで決めに来ている。

 そう、俺はにらんでいた。

 

 そこにだ……

 

 東京封鎖のときは翔門会を信仰していたはずの男が、今はメシア教にいる……

 

 どういうことなんだ?

 訳が分からず、俺は混乱した。

 

 けれど……

 

「そんなこと、決まってるでしょう」

 

 アズマは言ったよ。

 真顔で

 

「メシア教でのし上がれば、新世界で最高権力者に準ずる地位が手に入る……それだけの理由です」

 

 ……は?

 

 

 

 恥ずかしげもなく、アズマは続ける。

 

「私はね、別に毛沢東やレーニンになりたいわけじゃないんですよ。その傍で、粛清に遭わない程度の距離感で、権力の恩恵に与れる立場であればそれで良いんです」

 

 淡々と

 

「謙虚ですよね? 私のささやかな願いです……さぁアマネ様。お覚悟を」

 

 そう言いつつ、アズマという男は懐に手を入れる。

 そこに

 

「待った!」

 

 俺が口を挟んだ。

 

 アズマの視線が俺に向く。

 俺は

 

「……アンタ、そんなくだらない理由でメシア教に入ったのか?」

 

「くだらないというのは心外ですね」

 

 俺の愕然とした声に、アズマは呆れたように溜息をつき

 

「私はね、一応東大出てるんですよ。それなりの成績で」

 

 男は続ける。

 

「ですけど、そんなものではこの社会では大企業の中堅社員や管理職が精々なんですよ。……これは変でしょう?」

 

 穏やかだったけど……

 

「私は特権階級を望みたいわけです。だから勝ち馬に乗る……合理的で当たり前の判断ですよ」

 

 つまりだ……

 こいつは……

 

 自分が特権を振るえる立場になりたいから、国家転覆を現実的に考えている集団に入り込み、手助けをしてきたってことなのか……

 

 最初はそれが翔門会で……今はそこから鞍替えし、メシア教……

 

 なんというか

 

「アンタ、最低だな……クズ過ぎて言葉もねぇよ……」

 

 俺の口からは、不思議と怒りの声は出なかった。

 ただ単に……見下げ果て過ぎて、どうでも良くなった感じだ。

 

「……まぁ、あなた程度にどう思われようと私はどうでもいいので」

 

 対するアズマは心底どうでも良さそうに俺に言い。

 

 懐から取り出したスマホを操作した。

 

 そして悪魔召喚が開始され……

 

 足元に魔法陣が2つ、浮かび上がり。

 

 2体の悪魔が召喚された。

 

 ひとつは灰色の騎士。

 

 灰色の馬に跨った、黒衣の髑髏騎士。

 馬に跨り手綱を取りつつ、その骨の右手に大鎌を持っている。

 

 魔人ペイルライダー。

 

 もうひとつは赤い道化師のような衣装を身にまとった音楽家。

 ただし、こちらも髑髏だ。

 

 髑髏の身体で、バイオリンを奏でている。

 

 魔人デイビット。

 

 2体の魔人族の悪魔を仲魔として召喚し、アズマは

 

「さぁ、速やかに全滅してください。私の幸せのために」

 

 そう、当然のようにその攻撃の意志を口にした。




ルート次第では改心するルートあるみたいですけどね。
私の中のアズマ観はこんな感じですわ。

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