女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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第127話 王の責任

 オモイカネがやられた……

 

 だが、悲しんでいる場合じゃ無い。

 俺は走りながら、すぐに召喚作業に入った。

 

 呼び出す仲魔は……

 

 雷を伴ったイタチ。

 妖獣ライジュウ。

 

 地面に浮かんだ輝く魔法陣から飛び出して、俺を追って来るライジュウに

 

「ライジュウ! 俺に憑依しろ!」

 

 ……最終手段だけど、仕方ない!

 やって身体に負担を掛けて生き残るのと、やらないで両面宿儺に殺されるのと。

 

 どっちか選べと言われたら、前者だろ!

 

 ……ライジュウは電化製品に取り憑くとバッテリーになってくれるけど。

 ヒトに取り憑くと、神経の伝達速度を上昇させてくれる……つまり少し勘が鋭くなる。

 

 引き換えに、身体に負担が掛かるんで、普段なら割に合わないから選択肢としてはあり得ないけど……

 

 今はその、本来コストに見合わないような少しの反応速度上昇が大事なんだ!

 

 ライジュウは

 

「分かった。頑張れアツロウ」

 

 そう言い残し。

 俺の身体にダイブする。

 

 ……気持ち、感覚が鋭くなった気がする。

 

 両面宿儺の猛攻は止まらない。

 

 ヨシツネと切り結びながら、俺に向かって矢が次々射ってくる。

 それをほとんど奇跡のような動きで、ギリギリ躱す俺。

 

 ライジュウに憑依させてなければ、ここで終わっている気がする。

 

 逃げながら言った。

 

「アンタの国は滅んだッ!」

 

 俺の言葉に両面宿儺は

 

「滅ぼしたのはお前たちだッ!」

 

 怒声と共に矢の嵐。

 だが俺は

 

「違うなッ!」

 

 走り続けて、言い放つ。

 

「アンタが負けたから滅んだんだッ!」

 

 ……矢の雨が、止まった。

 

 何事かと視線を向けると、そこには。

 

 弓を構えていた宿儺の背面が、ライドウさんのヤタガラスを狙っている。

 彼女の仲魔が宙を舞い、矢を引き受けてくれていた。

 助かる……ミヤコ!

 

 俺は続ける。

 

「アンタは俺たちの祖先に従わず、結果敗れたッ! 敗れて滅ぶのが嫌なら、アンタのいうヤマト国に組み込まれれば良かった! 他はそうしたはずだろッ!」

 

 発掘調査の結果だが、古代に大規模な虐殺が起きた形跡が無いんだよ。この国は。

 大陸だと結構そういう形跡が見つかるのにな。

 

 つまり、統一の過程で、大虐殺というレベルの殺戮はおそらく起きて無いんだよ。

 そこからの、予想で言った言葉だ。

 

 両面宿儺はヨシツネとヤタガラスを相手しながら俺に返す。

 

「ぬかせッ! 祖先より守り抜いた土地を、ヤマトオウから借り物にせよというのかッ! お前たちは従わなかった我がクニを打ち滅ぼし、我を護ろうと最後まで付いて来てくれた臣たちを、惨たらしく……!」

 

「つまりアンタから去った人はこっちに居るんだろッ!」

 

 これも予想。

 両面宿儺の国についていくのを辞めた人が居たはずだ。

 

 そういう人は何処に行ったのか……

 おそらく、俺たちの祖先の1人に加わったんだと思うんだ。

 稲作は人が要るからな。

 

 だから……

 

「アンタとの心中を拒否したアンタの元民の末裔が大勢こっちには居るッ! アンタはそれを攻撃するんだなッ!?」

 

 俺の言葉に、両面宿儺の表情がさらに怒りに染まる。

 そして

 

「やかましい! 我は我に最後まで付いて来てくれた臣たちの無念を、このヤマト国を破壊して晴らす! それは数の問題では無い!」

 

 その言葉を発した両面宿儺は。

 まさに鬼神の名に相応しい……怒り、憎悪。

 

 負の象徴に見えたよ。




次回決着。

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