女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
数の問題では無い……そう言ったな、アンタ。
もしそう返してきたら……
絶対にアンタに言ってやりたいことがあったよ。
そう……絶対に、な。
俺は
「……アンタの今世での肉体になってる男の子は、どんな人間だったのか知ってるのか?」
草間虎太郎。
両面宿儺の転生体の片割れとして生まれてしまったばかりに、悲惨という言葉では片付けられない人生を歩んで来た少年。
生まれてすぐに、自分が原因で両親が離婚し。
その後母親を狂気に追い込んでしまった少年。
あの子は言っていた。
僕が生まれて来なければ、きっと皆幸せだったんだろうね。
……こんなことを言わなければならない子供を作った。
もう取り返せないことを受け入れず、何も生み出さない呪いを成就させるために。
そんなことって……
だが宿儺は
「知るかッ! 取るに足らない子供のことなど我は歯牙にもかけぬわっ!」
「ふざけるなッ!」
そんな宿儺の怒声に怒声を返す。
俺は
「アンタのせいで! アンタの素体になった子は地獄の人生を歩んで来た! その責任を自覚したらどうだッ!」
両面宿儺の視線を真正面から受け止めて。
こう言い放つ。
「……数の問題じゃ無いんだろッ!?」
「だ、黙れェェェェェッ!」
両面宿儺の声には。
ただ、怒りと……
あと、悔しさ。
そして……
後ろめたさがあった気がした。
「我の崇高な復讐劇の礎に選ばれたことを感謝せよ! 我に身を捧げられたことを感謝するのだァァァ!」
そのあと続いて彼が発した言葉は。
悲鳴のように思えたよ。
そしてその言葉を発したとき。
両面宿儺の全ての腕が動きを止めたんだ。
そのせいで
まず、ヨシツネが両面宿儺の4本の腕のうち、2本を斬り落とした。
「な、何故だッ!?」
両面宿儺は叫ぶ。
「何故我の腕が動かぬッ……?」
……俺の眼には
今世の両面宿儺の素体として犠牲になった2人の少年たちが。
彼の腕を全力で押さえているように見えた。
自分たちが両面宿儺に奪われた恨みを、晴らすために。
姿も何も見えないけど。
半ば確信めいて、そんなものを感じた。
カアアアアッ!
ヤタガラスの前に、魔力が収束し。
エネルギーの弾丸が出来上がっていく。
そしてそれを羽ばたきと共に打ち出して。
両面宿儺の残った腕の1本を射貫き、吹き飛ばした。
「おのれえええええ! 何故だッ! 何故動かぬッ!?」
叫ぶ宿儺。
そこに
ミヤコが踏み込んで来た。
ミヤコは刀……剣を下段……身体で刀身の長さを隠してしまう構え。
脇構えで。
とても厳しい表情。
この国を護るための剣。
その意思が見える顔。
そのまま無言で剣を繰り出す。
横薙ぎの斬撃。
「ヤマトオウ! 許せぬッ! 口惜しやぁ!」
そんな宿儺の言葉に一切返さず。
ミヤコの剣は、両面宿儺の首を捉え……
……彼の首を獲ったんだ。
次回、最終章最終話。
本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。