女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
予定通り、自宅官舎を引き払い、俺はミヤコの家に引っ越した。
「アツロウさん、手伝わなくて良いんですね?」
「いいよ。自分でやるから」
俺に与えられた新しい部屋は10畳の部屋で、洋室。
前に書庫に使っていた部屋は8畳だったから、少し広くなった。
結構蔵書があったから、引っ越しのとき面倒だったな。
一応、荷造りは業者を使ったけど。
荷解きは自分でやんないとな。
本は適当に本棚に入れていいものじゃないし。
ちなみに、引っ越しの荷造りで
家具類はだいぶ捨てたけど、本だけは1冊も捨ててない。
……あとはまあ、俺のパソコンもだ。
「お疲れ様です」
かなり集中的に本棚に本を入れ。
リビングに休憩に入ったら。
ミヤコがお茶の準備をしてくれた。
「かなり疲れた……」
本を本棚に入れるだけなんだが。
本当になんでこんなに疲れるんだ。
そして一息入れる気マンマンでテーブルについたら。
……なんかミヤコに笑われた。
「えっと」
ちょっと困惑する。
すると彼女は
「……ああ、ごめんなさい。普通の男女だと、変化で苦労するのは女の方なのになぁ、って思ったんですよ」
……なるほど。
普通は、名字が変わるとかその他で、変更手続きが降り掛かってくるのは大体女性の方だわ。
確かに。
俺たちの場合は、ミヤコが使ってない部屋の片づけと掃除だけして。
その後の作業は俺だもんな。
……まあ。
ミヤコと一緒に住めるんだから、こんな苦労は別に苦労じゃないけどな。
これが終わったら、免許やカード類の住所変更かぁ……
そんなことを考えていると。
ミヤコが紅茶を目の前に出してくれる。
「サンキュー」
礼を言って、口をつける俺。
……美味い。
「あの」
そんな風に本気で一息つきつつあった俺に。
ミヤコが話し掛けて来た。
少しだけ、不安そうな声で
俺が視線を向けると
「……ご両親はなんて仰ってましたか?」
ああ、そのことか……
「息子の結婚式が無いのは残念で仕方ない、って言ってたね」
この辺、嘘を吐いても仕方ないし。
吐いても秒で見抜かれるから。
だから正直に言った。
……実は引っ越しに入る前に。
好きな人が出来たこと。
その人はワケあって入籍できないこと。
なので生涯事実婚する決意を固めたこと。
それを伝えたんだ。
海外で働いてる両親に。
俺の親は驚いてて。
どういうことだ!?
まさか相手はスジモンなのか!?
……と疑われた。
……まぁ、無理も無いよ。
普通の人は、この日本に婚姻の権利が剥奪されてる人がいるなんて考えないし。
ミヤコは
「ご両親には申し訳ないと思います……」
「気にしなくて良いから。ミヤコを選んだ俺の責任だからさ」
詫びられる問題でも無いし。
俺はそう、普通に返した。
その俺の言葉に。
少し彼女は嬉しそうにして
それから
「でも、あなたの子供はキッチリ産みますからね! 家が絶えることだけは心配しなくて大丈夫ですよ!」
俺への気遣いなのか。
自分の胸に手を当てて、力いっぱい主張して来る。
何かそのテンションがおかしく
言葉は嬉しかったけど、なんだか笑えてしまった。
「……これ、笑うところですか?」
ミヤコはそれがちょっと不満そうだった。
俺はそれに対し
「気持ちはすごく嬉しいけど、テンションが変じゃないか?」
そう言ってから、笑ったことを謝った。
次回、最終話です。
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