女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
ライドウさんの方は……
ほとんど圧勝だった、
馬面と人間の骸骨のような身体を併せ持つ悪魔……幽鬼クヴァンダに、ケルベロスが喰いついていて。
それだけでも大変なのに。
カアアアアアッ!
ヤタガラスの甲高い鳴き声と共に、その羽ばたきから発生する火炎魔法の雨。
クヴァンダは火炎に弱い悪魔なので、ひとたまりもない。
加えてケルベロスは火炎で傷つくことが無い悪魔なので、魔法に巻き込まれても全く問題が起きず、一方的にやりたい放題だ。
グエエエエエ!!
ケルベロスに襲われてろくに回避も出来ず、弱点属性の火炎魔法を上空から降らされて。
瞬殺されて塵になって消えて行くクヴァンダ。
……えげつねぇ。
「これであなたの呼び出した悪魔は全滅です。大人しく投降しなさい」
とても冷たい瞳で鞭を大きく振るい、バシッっと大きな音を立てて。
ライドウさんは言い放つ。
普段は物腰丁寧で、礼儀も弁えた人だと感じたけど……
この状況だと、Sっけが凄いな……。
でも、そこにも俺はゾクゾクした。
「く、くそっ……!」
悪魔を呼び出した男は、召喚悪魔を全滅させられて、明らかに焦っていた。
悔しさがその唇の形に出てる気もしたが、それ以上に焦っていた。
もう、打つ手が無いのか。
余裕を感じ、俺は
「ライドウさん、こいつは問題の両面宿儺ですか?」
そう、確認する。
多分違うだろうと思いながら。
すると
「……いえ、違いますね。彼はそうではありません」
すぐ答えてくれた。
よし
俺は一歩前に出る。
「大人しく縛につくんだな。暴れなければ殺しはしない」
悪魔相手の戦闘は終わったけど、ハーモナイザーは作動させたまま歩み寄る。
こいつが最後の足掻きで刃物を持ち出し、襲ってくる可能性は無くはないからね。
「名前は?」
呼び名が分からないと困るので、俺は訊ねた。
別に優しさでも何でもない。業務上必要だから訊いただけ。
すると男は
「く……
久保美津雄。
久保か。
青くなりつつ、悔しそうに名乗る男に。
俺は事務的に
「じゃあ久保さんよ。一応そのスマホを捨てて、手を上げるんだ……」
そう言って。
これで一件落着。
そう思っていたのだけど。
突如、久保の持っていたスマホが破裂して。
それが黒い闇になり、突然の出来事に対応できずに、呆然と立ち尽くす久保の鼻と口から体内に侵入し
「うご……げげげげげ……」
その肉体を変質させ、久保自身を巨大な人外の怪物……悪魔に変えてしまったとき。
この事件は、まだ終わっていなかったんだと思い知らされた……!
決着、では無かったんや。
男の正体は、ペルソナ4のあいつです。
世界線が違っても、彼はあんまり変わらなかった。