女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
仕事の依頼で俺は頭の片隅で
またライドウさんの仕事を手伝えないだろうか?
そんなことを考えていた。
なので……
翌日、警視庁の課長室に顔を出したときに
「やあアツロウ」
そこに居たのがライドウさんじゃなくて、黒っぽいスーツの眼鏡の好青年……中学時代の同級生のケイスケだと知った瞬間。
正直、少しガッカリした。
ケイスケ。
フルネームは、
昔は
見た目は穏やかそうな、優しそうなスクエア眼鏡を掛けた眼鏡男子だ。
まあ、怒り出すと怖いんだけどな。
もっとも……滅多に怒らないし。
かつ怒らせたらまあ、そいつが悪いと断言できるけど。
コイツには中学時代に世話になった。
前も言ったけど。
コイツがいなかったら、俺の中学時代は地獄だったんだ。
「ケイスケか。結婚式以来だな」
先月の結婚式以来、コイツとは会ってなかった。
だからまあ、嬉しくないわけじゃないんだけど……
ライドウさんと接点持てるの、仕事しか無いから。
……ああ、理不尽で不義理なのは分かってるんだけどな……。
「じゃあ揃ったようだから、打ち合わせをするが良いか?」
そこで課長が俺たちに、資料を手に応接セットへと誘ってきた。
「ふぅん」
地下道。
一般には「首都圏外郭放水路」と言われる場所。
東京都の治水に関わる、パッと見は古代神殿に見える地下道だ。
俺たちは今、そこを歩いている。
俺の隣を歩きながら、ケイスケは相槌を打ってくれた。
コイツは真面目で優しくて、正義感強くて度胸もある人間だから俺は信用してる。
なので打ち合わせが済んで、こうして仕事に向かってるとき。
俺は今の悩みを彼に話した。
「アツロウはその……ライドウさんが好きになったわけだね?」
顎に手を当てて、真面目に考えてくれる。
ケイスケから見てどうなんだろうなぁ……?
彼は歩きながら考えて
「宮内庁の人なんだっけ……ということは、皇室に仕えてる召喚士なんだろうね」
だろうな。
そんな人に恋をして……どうするべきなんだろうか?
ケイスケは
「まあ、僕も恋愛経験豊富なわけじゃないから、大したことは言えないけどね……」
その言葉に、コイツの今の奥さん……ミドリちゃんのことを思い出した。
コイツは東京封鎖のときに出会った女の子と結婚したんだよね。
名前は
切っ掛けは割と最悪だった。
ミドリちゃんは封鎖内で悪魔使いになり、その力で封鎖内の悪魔を倒して人助け活動を始めたんだ。
そのせいで……命を狙われた。
封鎖内の、悪魔を呼べない一般人に。
……なんで? と思うだろ?
俺も最初そう思った。
別にミドリちゃんは、人助けの見返りに食糧を奪ったり、何かモノを奪ったりはしていなかったのに。
それなのに命を狙われた。
なんで……?
ケイスケは答えを知ってた。
理由は、ミドリちゃんが悪魔使いで、一般人には決して手を出そうとしなかったからだ。
当時の封鎖内では、悪魔使いになった一般人がかなりの数、居て。
そういうヤツらの大半は、人助けのためにその力を使わず、略奪や暴行、殺戮、強姦のために悪魔を使用したんだよ。
だから悪魔使いは封鎖内で憎悪の対象で。
その中で、正義のために悪魔を使役するミドリちゃんは、格好のスケープゴートだったんだ。
悪魔使いをブチ殺してやりたい、って気持ちのな。
ミドリちゃん相手なら、力のない一般人でも憎い悪魔使いを一方的に殺せる。
だからやってやろう。
そんな正当性の欠片も無い醜い考え。
……そしてケイスケは、そんな醜い弱者たちのウサ晴らしを許さなかったんだ……。
次回、過去話。