女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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アイドルと遭遇し


第21話 逃げちゃったよ

「この子、伴亜衣梨(ばんあいり)だ」

 

 俺がケイスケに伝えると

 

「バンアイリ?」

 

 ……伝わらなかった。

 怪訝そうな表情を浮かべるケイスケ。

 

 ……中学時代からの親友と距離を感じた瞬間だったわ。

 

 アイドルって興味ない人はとことん興味無いしな。

 特にケイスケは奥さん以外の女に興味ないとか普通に言いそうな雰囲気あるし。

 

 俺は説明したよ。

 関西出身のダンサーの九条緋那子(くじょうひなこ)とのコンビで、緋那子のダンスと亜衣梨のキーボードによる演奏で売り出してるアイドルユニットなんだ、と。

 

 かなり熱を入れて。

 

 一応全部説明して。

 

「分かった分かった。この子はタモさんに会ったことがあるようなアイドルなんだな?」

 

 終盤、俺の熱量に若干引き気味なそんな言葉で、納得はしてくれたんだが。

 

 逆に

 

「……何でそんな子が異界に居るんだ?」

 

 もっともな疑問を指摘される。

 

 キャアアアア!

 

 そのとき。

 絶望の放心状態から、正気に戻ったのか。

 

 アイリが俺たちの仲魔を見て悲鳴をあげた。

 おっと

 

 俺は仲魔を戻そうとしたが、ここが異界であることを思い出し、踏み止まって。

 

「こいつらは大丈夫だから。キミ、アイヒナスターズのバン子だよね?」

 

 バン子とは、伴亜衣梨(ばんあいり)の愛称で、発案者は彼女の相棒の九条緋那子(くじょうひなこ)

 彼女のファンは親しみを込めて緋那子と同じようにバン子と呼ぶんだけど。

 

 恐慌状態をそれで収めて貰えないか……?

 そう思ってでの、あえての愛称。

 

 どうだ……?

 

 俺の願いが届いたのか

 

「……あなたたちは?」

 

 なんとか、平常心を取り戻してくれたので、事情を聞けることになった。

 

 

 

「車で移動してるときに襲われた……?」

 

「はい」

 

 アイリは説明してくれた。

 収録仕事が終わり、ヒナコと一緒に車で移動していたら。

 

 いきなり襲われたらしい。

 

 槍を使う、軽装鎧を身に纏った西洋の戦士に。

 

 で、車を運転していたマネージャーがまずそのまま殺され

 

 アイリとヒナコは……何だかその西洋戦士の言うことを聞かないといけない気がして。

 

 全く抵抗しないでこの地下道に連れて来られ。

 

 異界に入った後。

 

 怪物に遭遇したそうだ。

 

 そこでアイリだけ正気に戻った。

 

 あまりにもその悪魔の容姿がおぞましかったからみたいだ。

 

 その悪魔は……

 

 丸々と太った青い肥満体の悪魔で。

 背中に小さい翼と、腹部に巨大な縦に裂けた口があり。

 その牙を備えた巨大な口からベロベロと舌を躍らせていた。

 

 そのあまりの醜さに、思わず曖昧になってた頭がハッキリして、衝動的に逃げてしまったらしい。

 

「……あたし、ヒナコを置いて逃げてしまった……逃げちゃったんだよ……」

 

 冷静になり、衝動的に行ってしまった自分の行為に。

 アイリはボロボロと泣いて罪悪感を感じているようだった。

 

 ……そんなの……しょうがないだろ。

 

 俺はそんな彼女の様子に切ないものを感じた。




ヒナコは無事なのか?
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