女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
「……お前、悪魔だな?」
俺は一応確認をした。
その槍を装備して軽装鎧を着込んだ戦士風の美形男子……
その正体に見当はつかなかったが、悪魔であることだけは予想できる。
すると
「探しましたよ……処女」
その目の前の男は、イケボイスで気味の悪いことを言い出した。
は……?
アイリは後ろに下がって青ざめていたけど、それはマネージャーを殺害した悪魔への恐れだけでは無かっただろう。
「……お前、タム・リンか」
俺は分からなかったんだが、ケイスケは知っていたようだ。
悪魔は……タム・リンは嗤う。
「中古と男に答える口は持ち合わせておりませんね!」
その笑顔は……とても卑しかった。
「タム・リンは、スコットランド出身の妖精だ」
ケイスケは語ってくれた。
タム・リンについて。
「男性経験の無い女性を発見すると、持ち物か純潔を奪っていく。……そういう悪魔だ」
……ケイスケのやつは妹さんがいるもんな。
こういうのは許せないだろうさ。
その目はとても厳しかった。
だけど、そんなケイスケの糾弾に
「私のような美形男子に処女を散らされるなんて光栄以外の何ものでもないでしょう!」
そう、高らかに宣言する。
……こいつ!
俺はオモイカネに命じるため、指を鳴らす。
事前に打ち合わせていて、この仕草をした場合は相手に衝撃魔法を叩き込んでやれって言ってるんだけど
打ち合わせ通り、オモイカネは衝撃魔法を打ち出してくれた。
衝撃魔法に飲み込まれるタム・リン。
しかし……
バックステップで高く跳躍し、天井を蹴ってこちらに突っ込んでくる。
なんて身軽な!
そして空中でコマのように回転し、破壊的な斬撃を槍を使用して繰り出して来る!
「薙ぎ払われよ!」
明らかに槍の射程から外れた位置に、氷のようなエネルギーを感じる。
俺はオモイカネと共に間合いを離して対処し、そして
「サンダーバード! こいつに電撃を浴びせろ!」
俺の名を受けてサンダーバードが口を開く。
吐き出される稲光。
雷撃がタム・リンを襲う。
サンダーバードのサンダーブレスとでもいえばいいのか。
だが、そんなサンダーブレスをタム・リンは避けてしまう。
だけどそこに隙が出来る。
ケイスケが動いたんだ。
「裁かれよ!」
ヤマが剣を振り上げてタム・リンに斬り掛る。
タム・リンはそれを躱すことはできない……
はずだった。
その前に、丸々と太った巨大な悪魔が舞い降りて来て、割り込んだんだ。
その悪魔はヤマの剣を身体で受け止めるが……
一切のダメージを受けなかった!
その姿……
デカイ腹。
腹に縦に開いた口。牙。舌。
背中の翼に、手に持った剣。
……この悪魔については俺は知っていた。
……邪神アリオクだ。
妖精タム・リン
邪神アリオク