女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
「こちらのようです」
ライドウさんは突き進んでいく。
ヤタガラスは神武天皇の東征の道案内を務めた霊鳥だから、目的がハッキリしている場合にその道案内をすることが出来る能力がある。
ライドウさんが仲魔として採用しているだけのことはあるな。
異界の地下道を進んでいく。
途中、悪魔にも遭遇したが、悪魔召喚士が3人も、内1人がライドウさんであるとなると、障害に何てなりようがない。
進んでいくと、何だか異臭を感じた。
……何だ?
さらに進んでいくと、それが何か分かって来た。
それは糞便の臭いと……
血の臭いだ!
それを理解したとき。
俺は最悪の想像をし。
自分の中の薄甘い部分が消えて行くのを自覚する。
そして奥まった場所。
広間のような場所に出た。
そこに居たんだ。
全身筋肉質で、見事な体躯をした男と。
数多くの裸や下着姿の若い女性たち。
うち数人が死んでいて。
腹を裂かれて転がっていた。
涙に濡れて恐怖に染まった顔で、内臓を撒き散らして死んでいる。
……予想通りだったので、俺の中からこいつを許すという選択肢が消えた。
「ああ? 何だお前らは?」
裸の男は裸の若い女性を侍らせながらこちらに獣そのものの表情を向けてくる。
脱獄生活が長いのか、髪は伸びすぎてボサついている。
顔面は醜悪では無い。
真顔なら男臭いという評価がつくかもしれない。
顎が発達していて、縦に長い印象を受ける顔だった。
……状況的に確かめなくても分かる。
コイツが鴨志田だ。
「鴨志田ァ!」
俺が吠えると。
その男は
「……うるせぇなぁ……それに様をつけろゴミが。俺様は王だぞ……?」
侍らせた女性たちを触りつつ、俺たちと対峙する。
「……大人しく投降するなら殺しはしません。ですが、抵抗するなら命は無いものと考えて下さい」
ライドウさんは抜刀し、その切っ先を鴨志田に突き付けた。
……女性の身ではこの状況、冷静ではいられないだろうに。
感情を抑えて国に仕える悪魔召喚士としての品位を失わない。
そんなライドウさんを、俺は全力で支えようと思った。
だがライドウさんの最後通牒を受けた鴨志田は
「ハァ?」
彼女の言葉を鼻で笑い。
左右の手で侍らせている女性たちを撫で回しつつ
「……意味不明なことをほざくな女。まぁ……悪かないがな……ブチ倒した後、ゆっくり屈服させてやるよ……」
そう嫌らしく嗤い。
左右の若い女性2人を強く抱き寄せて
こう言った。
「……この高巻と鈴井みたいになぁ!」
2人の若い女性……
外国人の血が入ってるのか、金髪の勝ち気そうな女性と。
反対に大人しそうなポニーテールの女性。
2人とも悔しそうな顔で、鴨志田のされるがままになっている。
「全ての若く美しい女は俺に傅け! お前もそうしてやる!」
興奮のあまり、涎を溢れさせながら叫ぶ。
正気の人間とは最早思えない。
「こいつらはぁ! 俺様を裏切ったクソ女どもだ! チクったら人生終わらせてやるぞと言ったのイ! サツに駆け込みやがった! 許せねぇ!」
……一切の正当性も無いその主張。
流石にライドウさんは不快さにその眉根を寄せる。
そしてこう、落ち着いてはいるが、とても冷えた声でこう言ったんだ。
「……成敗します。覚悟なさい」
鴨志田が力を得たら真っ先にアン殿と鈴井を狙う。
これは間違いない。
屋根ゴミは一体何をやっているんだ!?
(この世界線では屋根ゴミは知り合ってねぇんだよしょうがない)