女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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性犯罪者を前にして


第27話 グレート鴨志田

「何が成敗だァ!?」

 

 叫ぶ鴨志田。

 その叫びは……

 

 俺は危険な香りを感じ取った。

 

 放置するとまずい。

 その予感があったから

 

「サンダーバード! 羽ばたけ!」

 

 サンダーバードに命じて、その羽ばたきによる衝撃波を鴨志田に浴びせさせた。

 サンダーバードは俺の意図を察し、人間が気絶する程度に抑えた羽ばたきを繰り出す。

 ……人質がいるからな。

 

 だが

 

「させぬ!」

 

 その前に立ちはだかり、阻む影。

 

 ……妖精タム・リン!

 そういやこいつが居た!

 

 どこに潜んでたんだ!?

 

 ヤツは槍を振るい、そのエネルギーで衝撃波を弾く力場を作って受け切った。

 

 その隙に、鴨志田は変わっていった。

 

 体色が緑色に変わり、人としての輪郭が崩れて行く。

 

 首が伸び、指が伸び――

 

 数秒で、変身を完了していた。

 

 全体的なフォルムは……男のアレだ。

 

 陰茎そのもの。

 サイズが5メートルはあるけどな……。

 

 そんな陰茎の根元に、無数の触手が生えている。

 

 その触手の中に、鉤爪が生えた手がふたつ。

 ただし体のサイズと比較してサイズが小さくて。

 

 ティラノサウルスの手を連想した。

 

「ゲハハハハハーっ! これが俺様の今の真の姿だぁ! 謂わばグレート卓」

 

 馬鹿笑いをする鴨志田の顔。

 それは本来なら亀頭に当たる部分。

 尿道鈴口近くに存在していて

 

「男は全員殺す! 女はツラと身体が合格してっから叩き伏せた後、俺様のハーレムに加えてやるわぁ!」

 

 そう言って汚れた目をライドウさんと、アイリに向ける鴨志田。

 

 ……このクソ野郎……!

 

 俺は憤ったが

 

「……その力をどこで手に入れたんですか?」

 

 ライドウさんはあくまで冷静だった。

 

 

 

「刑務所だァ! 更生プログラムかなんか知らんが、俺様があの不幸な仕打ちを神父サンに訴えたら……!」

 

 鴨志田は勝ち誇ったように続ける。

 

「俺様を慰めてくれて、これで自由を得るんだとスマホをくれたァ! そのチカラだァ!」

 

 ……スマホ。

 

 久保の奴もスマホを持っていた。

 そして最終的にああなった。

 

 あのときの状況と完全合致はしないけど、ひょっとしたら本人の才能や、習熟度が関わってくるのかもしれない。

 

 あのときの久保は完全に悪魔化していた。

 この鴨志田も同じとみるべきなんだろうな……

 

 ただの性犯罪者の脱獄犯を相手にするのとはわけが違う。

 

 上級悪魔と戦っていると思うべきだ。

 

 それこそ、ベルの悪魔みたいな……!

 

「神父……まさか……メシア教……?」

 

 ライドウさんは鴨志田の言葉に何か思うことがあったのか、刀を構えながら小さく呟いていた。

 気にはなったが、戦闘と無関係な会話している場合じゃ無い。

 

「バン子ちゃん! できるだけこの場所から離れてくれ!」

 

 俺は叫ぶ。

 もう、非戦闘員を庇ってる余裕はない。

 

 無責任だけど、それをすれば負けてしまう。

 その予感があったんだ。

 

 だから後ろめたさと罪悪感はあったけど、叫んだ。

 

「わ……分かりました!」

 

 けれどアイリは、俺を非難したりせずに素直に従ってくれる。

 

 ……すまない!

 

 走ってこの場から離れて行くアイリの足音を聞きつつ

 

 俺は敵に立ち向かった。

 唯一の武器である証明COMPを手にしながら。




戦闘開始!
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