女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
異界が崩壊し、俺たちは地下道に放り出される。
その場に裸の若い女性たちと、俺たち。
「ヒナ!」
「バン子、すまんかったわ」
助け出された眼鏡を掛けた長髪女子……アイリの相棒のヒナコに、アイリが抱きつき、無事を喜びあっていた。
どうも彼女は、鴨志田に酷い目に遭わされる前に救出が間に合ったようだ。
それに関しては「良かった」とは思うんだけど……
さて、ちょっと大変だぞ。
その他の被害女性たち。
この人たちの心のケアは俺たちじゃ多分無理だよな……
助け出された女性たちは感情が死んだ顔をしたままだ。
いきなりは喜べないよな、そりゃ。
ずっと辛い目に遭っていたわけだし。
どうしたものか……と考えて
その答えが出る前に。
「木原さん」
ライドウさんが俺に声を掛けて来たんだ。
「これを」
ライドウさんは黒いカードを差し出して来た。
えっと、これ……
「クレカ?」
「はい」
ライドウさんのブラックカード。
んー、何を頼みたいのかは予想つくけどさ
……
「……服を買ってこいって言うんですね?」
「察しが良くて助かります」
ライドウさんはそこで微笑んだ。
そこに俺はトキメキを感じた。
けど
……クレカって他人に貸して良かったっけ?
電車の定期券は絶対駄目だけど……
俺、自分のクレカを他人に貸したこと無いしなぁ……
でも……
頭の中で救出された被害者女性のシルエットが過る。
んな細かいこと、言ってる場合ではないな。
よし
「分かりました。行きます」
……この場に女性悪魔召喚士を残さないのはあまりにも配慮が無いしな。
俺が行くしかないだろうさ。
残る方の男も、ケイスケの方が良い気がするし。
奥さんも妹も居る系男子だしな。
そして仲魔のサンダーバードを呼び寄せて、地上に向かう準備をしたら
「木原さん、証明COMPのメルアドの交換をしましょう」
……ライドウさんにそんな提案をされた。
えっと……
何でそんなことを言うのか分からなかったんだけどさ。
俺と個人的に交流を持ちたいのかな?
そんなことも考えたんだが……
(あ、そっか。女性用の服を買うのに、男の俺に「行って来て」一言でブン投げは無理があるよな)
細かい指示が要るかもしれんし。
そこに思い当たり、少しションとしたけど。
「……クレカの暗証番号分からん」
服を買うためにレディースの服屋に到着してからそこに気づき。
早速メールを打ったんだな。
ライドウさん、90車のパンパースわかんねぇっす
……こんな内容を。
伝わるかなと思いつつ。
いやさ、意味があるか分からんけど。
このメールはさ
ライドウさん、クレカの
って打ちたいのを、暗号化して書いたんだよね。
昔からのクセで。
クレカ→
こんな感じで。
自分のネット関係のサービスのパスワードを手帳に控えるときに、その番号の所在を暗号で示すことを俺はよくやるんだよ。
もし手帳を盗まれても、パスワードが即全部流出すること。
それを防ぐために。
まぁ、最後のセキュリティだな。
で、ちょっと待った。
伝わらなかったら、俺のクレカを使用して買うかと思いつつ。
すると
『私の証明COMP住所最初から4つまで』
……こんな返答が。
ライドウさんは俺の送った暗号メールの内容を読み取って、返信は自分も暗号で打って来てくれた。
俺はその暗号を
私の証明COMPのメールアドレスの数字の、最初の4つを拾ってくれ
……そういう意味だと予想したら。
ビンゴで。
頼まれていた服の購入を無事に終わらせることができた。
おお……
自分の出した答えが正解だったので軽く興奮する。
そして、店員がその大量の衣服を袋詰めしてくれている前で
(あ……)
俺は、思った……
ライドウさん、俺にならクレカの暗証番号を教えても構わないって思ったってことなのか……?
通じるとは期待していなかったけど、通じた
(この章はここで最後です)
読んでいただき感謝です。
ここまでの物語が面白いと思って下さった方、是非評価をお願い致します。
(反響を実感できるのは書き手の喜びです)