女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
第33話 暗号メール
『北東西門中耳、人可0110?』
俺はライドウさんからのメールを見て、頭をフル稼働させていた。
……これ、何て書いてるのかねぇ?
あの鴨志田の事件の後。
情報を根こそぎ取るために、鴨志田を国の特別監獄に放り込んだ後。
こうして時々、ライドウさんがメールを打ってくる。
……暗号で。
証明COMP同士の通信。
仕事のツールだけどさ……
俺は別のメールを見た。
『今日、18時からタイ料理サワムラで 桜井進』
……こんな感じで、私的にも使ってるんだよね。
だから良いだろ。
このくらい。
「乾杯!」
「かんぱーい!」
「かんぱい」
都内のタイ料理屋で、俺たちは3人、集まった。
最近はお互い仕事で時間が取れなくて、こうして集まることもなかなか出来てないけど。
丸いテーブルに3人、囲んで座ってる。
そして今、3人で乾杯をした。
コップに入ってるのはタイ産のビール。
ジョッキで行きたいところなんだけど、この店では瓶で頼むんで、自然こうなる。
メンツは俺、そして桜井進に、桜井柚子。
高校からの俺の親友。
「結婚式以来、アツロウには会ってなかったけど。最近どうなんだよ?」
桜井進……ススムは、中性的な美形。
出会った当初から何でも出来る男で、高校でも人気があったよ。
身も心もイケメンというか。
決断力があって頼りになるし。
身体の方も痩せ型なんだけど、やるときはやる男だ。
で、コイツは俺同様、あの東京封鎖を生き抜いた人間。……いや、中心人物。
コイツが居なければ、きっと俺は東京封鎖を生き残ることは出来なかっただろうなぁ。
「アツロウの職場って、上司がイヅナさんだっけ」
ススムの隣に座るのが、ススムの嫁さん。
桜井柚子……通称ソデコ。
髪型は女性らしい長さで、ラフにまとめてピンク色のバンダナを巻いてる。
美人というより可愛い系だと思うね。
で、高校のときは男子の間でコソコソと「巨乳」と囁かれてたんだよな。
そのせいで俺にソデコを紹介してくれという要求が来たこと、何回かあったわ。
高校のときはキャミソールみたいな可愛い系の服装を好んでしてたけど。
今日は……ススムもだけど。
スーツで来てた。ふたりとも。
……何か仕事だったんだろうか?
「うん、そうだけど?」
イヅナさんが上司かと訊かれて、そうだからそう答えると
ソデコに
「……イヅナさんって浮いた話無いの?」
そんなことをソデコに。
知らんわそんなん。
「そんなこと知らん」
「……分析もできないと?」
あのなぁ。
俺を何だと思ってんだよ?
そう言ったら
「アツロウに言ったら個人見解が何でも出てくるもんでしょ?」
……そんなことを真顔で言われた。
何でだよ!?
……俺がナオヤさんの一番弟子を自称するPCオタクだから、偏見がある。
ソデコには。良くも悪くも。
自分には分からんことを理解できると思われてんだな。
……まあ、恋愛系の嬉しいである気は無いが……
女子に信頼されるのは悪い気はしない。
……女子。
俺は少し閃くものがあり、手帳を取り出し、空きページに書き込んだ。
そして2人に見せる
「……これは?」
ススムの言葉。
俺は言ったよ。
「暗号。ちょっと悩んでる」
「何故に暗号……」
ソデコが怪訝な目で俺を見て来たけど、気づかないフリをする。
俺は見せたんだよ。
ライドウさんからの暗号……
『北東西門中耳、人可0110?』
……を。
何て書いてるの?