女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
「何を読んでたの?」
俺の問いに
「旧約聖書ですね……読むと心が休まります」
翔門会の出版物じゃ無いのかよ。
内心ツッコんでしまったが、冷静に考えるとそんなもん貸し出しが認められたりしないよな。
ここには本棚が無いけど、本の貸し出しは認められてるそうだ。
音楽も、イヤホンで聴けるらしい。
古いプレイヤーらしいけどね。その際に貸し出して貰えるの。
……性能のいい電子機器だと、悪魔召喚の道具にされかねない、って考えらしいわ。
「ここは暇でしょ?」
「いえ、そんなことはありませんよ」
読んでいた聖書を栞を挟んで閉じて、床に置いて立ち上がり
そして
「……こうして本も1冊ずつですが貸し出していただけますし、好きなゴスペルも聴こうと思えば聴くことが出来ます」
そして、一礼。
「……今日は呼び出しに応じていただき、ありがとうございます」
「何で俺なんですか。驚きましたよ。ススムなら分かるけど」
一礼し、笑顔を向けてくれるアマネさんに、俺は正直な気持ちを口にする。
そう。
彼女が世話係の職員に、木原篤郎と面会したい、って言ったらしいんだよね。
で、その言葉が俺の方まで回って来た。
ススムでは無く、俺。
何で?
ススムは……アマネさんに救世主様と呼ばれて慕われてた。
ソデコがそのせいで彼女を敵視してたな。
見ててオモロかった。
……今はどうなんだろう?
正妻の余裕を見せるのか?
……まぁ、それは別にいいか。
脱線しそうだし。
俺の言葉を聞いて、アマネさんは頷き。
……急に神々しいオーラを高めた。
えっ、と思う。
これって……
「……人の子よ。よく聞くのです。この国の王に危機が迫っています。注意するのです」
天使レミエル。
3年前に彼女に憑依していた悪魔の名前だ。
3年前、東京封鎖を解除するための戦いで、力を貸してくれた悪魔でもある。
……完全に人間の味方ってわけじゃないと思ってるけど……
純粋な敵でも無いと思うんだよね。
3年前は助けてくれたわけだし。
そんな悪魔がまた現れた。
アマネさんの肉体を使用して。
俺は
「この国の王って……それは……」
流石にちょっと口にするのに躊躇いがあった。
だから
会話に出すのには少し決断が要るその名前。
「やんごとない方々のことですか?」
……ちょっと日和って、そう言った。
レミエルは、それを否定せずに
「王を失えば混乱が起きますね。起こす価値の無い混乱が。それは主の意志に反します」
そう、言いたいことだけを続けた。
つまり、そういうことか……
でも、なんで
「何で俺なんスカ……?」
そこが分からないので訊き返すと
アマネさんの高まった神々しいオーラが消え
「……すみません。レミエルは引っ込んでしまいました」
すまなさそうに作り笑いを浮かべてアマネさん。
……元に戻ってしまったらしい。
天使には天使の事情があるのかね。
アマネさんは言った。
ある日突然、レミエルが「木原篤郎を呼びなさい」って言ったんだそうだ。
だからまぁ、アマネさんも知らないらしい。
何で俺なのかは。
そっか……
そこで俺は、用事が済んでしまったので。
アマネさんに呼び出しに応じて貰えた礼を丁寧に言われた後。
撤退した。
そして俺は地下鉄に乗りながら考える。
……何で俺が呼ばれたんだろうか?
悩んだ。
何故ススムじゃなくて俺なのか?
……ススムを呼び出すと、角が立つから?
ススムは特級悪魔召喚士で、アマネさんとの関係性も上が知ってるしな。
通らない可能性ありそうだし……。
そのとき。
俺の証明COMPに着信があった。
確認すると私用メールで。
差出人はライドウさん。
そこには
『コラムが面白い新聞ですよね。私はその他にあと2紙ほど取ってます』
……ああ、こないだの回答、正解だったんだ。
よっしゃ。
……と。
そこで、気づいた。
あ……これだわ、多分。
俺が選ばれた理由。
ライドウさんと繋がりがあるからね。
主人公には