女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
約束の日がやって来た。
銀座は商業地だ。
デパートがあるし、老舗の店もいっぱいある。
劇場や歌舞伎座もあるんだよ。
とても古いものと、新しいものが同居してる街だな。
で、俺は。
待ち合わせの時間の10分前に到着するように、待ち合わせ場所に向かった。
ミルクホール新世界に。
大正時代からある喫茶店で、その佇まいは大正や明治の雰囲気があった。
モダン建築、って言うのかね。
遠目に見ても、歴史を感じて居心地は良さそうだ。
で。
「あれ?」
店の前に人影があって。
白基調の上下の私服。
下は涼し気なフレアスカート。
お金持ちの、お屋敷住まいのお嬢さんって感じの格好だ。
で、茶色の小さなバックを持ってる。
そんな誰かが居るな、って思ったら。
白髪のロングで、それを後ろで紫色の蝶みたいなリボンでまとめてる。
……あれ、ライドウさんじゃん。
先に待っててくれるなんて、誠実な人だわな。
流石というか。
しかし……
いつもスーツなのに。
何で私服なんだろうか?
ちょっと分からなかった。
分からなかったけど。
「ライドウさんすみません、待ちました?」
「ああ、木原さん。大丈夫ですよ」
俺に気が付いたライドウさんが笑顔で振り返ってくれる。
俺は
「いつもスーツですけど、私服もあるんですね。良く似合ってると思います」
まあ、礼儀だと思ったので。
服を褒めた。
「お褒め下さり感謝です」
ライドウさんは嬉しそうだった。
で、喫茶店に入ったとき。
ハタと気づいた。
あれ……?
ひょっとしてライドウさん、デートのつもりで来たのか?
今更だけど、あれは清潔感あるし、女性らしさというか清楚さを押し出したような服装に見えるので。
デート衣装なんじゃ無いのかと思ったんだ。
でもさ……
いや、そんな馬鹿な。
俺、別に告白なんてしてないし。
こんな美人、自分から告白しなくても恋が勝手に始まるだろうから。
仮に今フリーで、その上俺に興味があったとしても、そんなに焦って行動を起こしたりは……
しないでしょ。
そう思うんだけど……
んー、でもな。
もしそのまさかだったら、どうすれば良いんだろうか?
ガッカリさせたりしたら、自分でフラグ折ることになりかねないしな。
そりゃ血涙モンだろ。
とはいえ「デートのつもりで来たんですよね?」なんて言えるわけ無いし。
……困ったな。
「コーヒー2つください」
考えながら。
テーブル席に着くなり、取り敢えず注文を通す。
テーブルは固定のテーブルで、椅子も固定。
ファミレスのボックス席に似てる。
そこで向き合って座った。
で。
「ライドウさんなら、九頭竜天音はご存じですよね」
……色々考えたけど。
結局俺は
真摯に、自分の要件を伝えることにした。
これは軽い内容でも無いし。
ライドウさんだって、知りたい情報のはずだからな。
俺が九頭竜天音の名前を出したとき。
ライドウさんの目に戸惑いが浮かび。
同時に
何かを察したのか、宮仕えの者の光が宿った気がした。
恋愛脳で国に仕えられても困るし。