女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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いざ、ペルソナ4の舞台へ!


第5話 それはしょうがないこと

 打ち合わせが済んだ後。

 

 すぐに出発となった。

 

 目指すのは八十稲羽市。

 大体電車で東京から2時間ちょいの距離だ。

 

 俺たちは公務員なので、特に理由が無い場合は……

 

 当然、移動は電車になる。

 経費節減。

 

 乗る電車は普通の電車で、新幹線では無い。

 

 そして平日昼間で、ラッシュの時間はすでに過ぎているので……

 

 運よく、座れた。

 

 車両の隅っこの、ライドウさんと向かい合う席だ。

 一般的な横並びの席じゃない。

 

 ……ちょっと嬉しい自分がいた。

 

 正直、こういうことは初めてで。

 顔がちょっと、まともに見れないんだよな。

 

 ……別に女性に耐性が無いわけじゃないんだけどさ。

 

 ソデコにもミドリちゃんにも、俺は別にフツーだったし。

 

 多分、こういうのが「女性が好きになる」ってことなんかね。

 

 ……ライドウさん、黒い女性用スーツを着てるけど。

 ホント良く似合ってる。

 すごく仕事できそう。

 

 黒いジャケットとズボンに、中に白いシャツを着てる。

 

 手荷物が、ブルーのリュックサック。

 ちょっと大きめで……

 

 何を入れてるのかな?

 まぁ、確かめるのは無理だけど。

 

 双方、無言。

 

 まぁ、ベラベラ話す仲では無いけど……

 

 会話できるものなら、したいなとは思う。

 

 ……どうする?

 

 ちょっと迷ったけど……

 

 俺は決断することにした。

 あの7日間で、俺はススムに進言を決断して。

 今の世の中への道筋を作ったんだ。

 

 決断することは大事だ。

 

 襲名ってどうなんですか?

 この内容で訊いてみようかな。

 変な質問じゃないだろ。

 

 そう思って、口を開こうとしたときだった。

 

「……木原さんは、封鎖を生き抜いた方なんですよね?」

 

 先にライドウさんが話し掛けて来たんだ。

 少し、小さい声で。

 

 俺は

 

「ええ。まあ」

 

 自慢することでも無いし。事実だから。

 

 そっけなくそう返したんだけど。

 

 ライドウさんは

 

「……あなたたちを苦しめてしまったことを、申し訳なく思っています」

 

 そう、心底申し訳なさそうに言われてしまったんだよな。

 

 ええっと……

 

 俺は戸惑った。

 別に俺たち、あの事件で東京に閉じ込められたことは恨んではいないんだよな。

 

 何故って、あのとき悪魔を東京の外に出すと日本が滅んで……いや、世界も危なかったかもしれないんだから。

 

 しょうがなかった。

 国は最悪、東京中の人間を全員死滅させるつもりだったみたいだけど、それも含めて。

 

 それぐらい、悪魔は危ないんだ。

 

 だから

 

「……謝らなくていいですよ。大体、ライドウさんは国の指導者でもないでしょ」

 

 そう言った。

 

 ライドウさん、俺の言葉が救いになったのか、ちょっと雰囲気が明るくなった。

 

 ……それは俺も少し嬉しかった。

 

「……これは言い訳になりますが……」

 

 ライドウさんは教えてくれた。

 

 実はあの封鎖で、国は精一杯国民を救おうとしてて。

 ライドウさんの先代の、16代目が封鎖内に派遣されていたんだそうだ。

 

 だけど……

 

「封鎖が始まって3日目、不死身の悪魔に遭遇し、彼は殉職したのです」

 

 ……3日目……

 

 ああ……

 

 ベル・デルに遭遇したのか。

 それはしょうがないし……

 

 気の毒だとすら思う。

 

 ベル・デル。

 

 悪魔の中に「ベルの悪魔」という大悪魔がいるんだけど、そのうちの1体だ。

 いずれも強力極まりない恐ろしい奴らで……

 

 その中でも、こいつの特性は特に厄介。

 

 それは、ヤドリギを使った攻撃以外、全ての攻撃を無効化する。

 一切ダメージを負わない。

 

 そういう、とんでもないもの。

 

 俺たちはそのために、東京中を探しまくり……やっと見つけたヤドリギを使ったアクセサリー。

 それを握り込んだススムの拳で一騎打ちを仕掛けて。

 結果、やっとのことでベル・デルを討伐したんだけど。

 

 ……そっか。

 16代目さんはそれ無しでアイツに遭遇して、成す術なくやられたんだな……

 

 逃げることも出来なかったのは、誰かを守ろうとしたんだろうか?

 

 俺には分からないけど……

 

「それは……どうしようもないことだったんですよ」

 

 俺はそう言った。

 本心だ。

 

 16代目さんは運が悪かったんだよ。

 

 俺のその言葉に。

 

 ライドウさんは俯いていた。

 その表情は……良く見えなかった。




アツロウの言葉を、彼女はどう聞いたのだろうか?
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