女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
新しい職場で、俺はライドウさんの下につき。
色々、この国の秘密に触れる立場になった。
例えば……
俺とライドウさんが知り合う切っ掛けになった悪魔「両面宿儺」
この詳細を、俺は知らされなかったけど。
ライドウさんの下についたとき、その詳細の大部分を教えて貰えることになった。
鬼神・両面宿儺。
この国に大昔に出現した大悪魔だ。
おおよそ400年から500年の間隔で人間として転生をしてくるらしい。
その特徴は、この国の国民から生まれた子供で、かつその顔が同じであること。
どの両面宿儺の転生体も、全て同じ顔になるそうだ。
つまり誰から生まれても、同じ顔で生まれてくるんだ。
そのため、多くが托卵を疑われて、母子家庭の子、もしくは孤児になっているパターンが多いとか。
そしてそのまま成長すると、覚醒が起きて悪魔を呼び出し周囲の人間を殺戮する人型の化け物に変化し……
自分の片割れに出会うと、その片割れとの性行為を経て、融合して伝承通りの姿の完全体に変身するらしい。
そう……両面宿儺の転生体は2人出現するんだ。
前回出現したのは、江戸時代初期。
1600年近辺だそうだ。
そのときに書き残された古文書に、絵師に書かせた両面宿儺の顔の絵が残ってて。
ライドウさんはその絵を見ているらしい。
……俺は見せて貰えなかったが。
多分、機密なんだろうね。
で。
「アツロウさん、これから名古屋の児童養護施設に行きます。準備してください」
皇居内部の職場に出勤し、そこで自分のデスクでノーパソ広げて、事務仕事をしていたら。
いきなりライドウさんに言われたんだよな。
いきなり言われたから
「え、今からですか?」
そう戸惑い気味に訊ねると
「ええ。そうです」
頷き、自分のデスクの片づけをしつつ答えてくれた。
「16代案件です」
……両面宿儺のことは、隠語で「16代案件」って言うんだよ。
仁徳天皇が16代目の天皇だからね。
これは、不吉だから口に出すことに躊躇いがあるってことと、あとは聞かれて知られると、この国の敵対者に面倒なことを考えられる可能性があるからだろうね。
そして俺たちは、皇居を出て東京駅に直行し。
新幹線の指定席を2つ買って、名古屋に向かう。
……自由席でも良かったと思うけどさ。
バラバラにしか席が空いて無かったら、あまり良くは無いしな。
ライドウさんは変わらずスーツ姿。
出会ったときと同じ服装。
そして俺も、宮内庁に所属代わったときにスーツで仕事をするのが俺の日常になった。
……立ち場ってのがあるからね。
で、並んで座りながら
「ライドウさん……やっぱり対象は見捨てられた子供なんですか?」
主語を言い辛かったから省略したけど。
そう問うと
「そうですね。母子家庭の子供で、誰にも似ていないせいで最後には母親にも見捨てられたらしいです」
そう、簡潔に答えてくれる。
そうか……
可哀想だな、とは思った。
もし両面宿儺の転生体なら、最終的に悪魔に変わる運命を背負ってはいるんだけど。
両親のせいでも、本人のせいでもないのに。
人間としての当たり前の幸せを最初から否定されていたんだな。その子……。
そして新幹線で名古屋に