女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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新幹線で名古屋に向かって


第53話 外務大臣

 名古屋に着いた。

 

 新幹線で身体が固い。

 時間は……

 

 12時か。

 

「ライドウさん、今から児童養護施設に行くんですか?」

 

「……ええ、そのつもりですが?」

 

 何故そんな当たり前のことを訊くのか。

 そんな感じで、隣を歩く俺を見る。

 

「養護施設の人も、昼時に来られると迷惑ですよ」

 

「……ん」

 

 俺の言葉に、ライドウさんは少し考える。

 

 両面宿儺の件は日本の国家としての大問題だけど、児童養護施設の捨てられた子の件がそうであるとは限らないし。

 だから昼時に施設に来られても困るだろ。

 

 なので訪問が1時間くらい遅れても特に問題は無いはず。

 

 だから

 

「……先に昼ご飯食べませんか? 名古屋に来たんですし」

 

 これを提案した。

 

 

 

 名古屋のグルメと言えば。

 

 きしめん、小倉トースト、台湾拉麺、手羽先と。

 色々あるけどさ……

 

「ではいただきましょう」

 

 一緒に名古屋駅周辺の店に入り、きしめんを注文。

 

 2人とも、かきあげが入ったきしめん。

 

 ……時間は掛けられないのは間違いないしな。

 あくまで、施設訪問までの空き時間での食事なんだし。

 

 汁に染みて、良い感じにふやけたかきあげを一口齧り、麺を啜る。

 

 ……スーパーで売ってるきしめんより断然美味いな。

 うどんの一種だろ、みたいな意識があるのに。

 

 ……何故こんなに美味いんだ?

 

 テーブル席に着いて、スリムなデザインの木製の椅子に座って。

 2人できしめんを食べていた。

 

「……麺が異様に美味しいですね。駅構内に入ってる、並ばないでも入店できる店なのに」

 

 ライドウさんも美味しいって思ってるのか。

 それは良かった。

 

 ……出会ってそれなりに経つけど、変わらず好きな女性(ひと)だから。

 そういうのは素直に嬉しい。

 

 で、きしめんを啜ってる彼女の口元を見て。

 

 ……あの、大使館突入前にラブホに入ったときのことを思い出した。

 

 あのとき……ライドウさんに……

 

 一瞬、妄想の世界に行きそうになり、慌てて視線を逸らした。

 

 そして店内テレビを見る。

 

 テレビでは、外務大臣の演説のニュースが流れている。

 

 外務大臣・須藤竜蔵(すどうたつぞう)

 

『日本の未来を切り開いていくためにはですな』

 

 白髪の老人で、生え際がだいぶ後退してるけど。

 見た感じ、鍛えている老人って感じで。

 全体的に受ける印象は、猛禽類。

 

 ……結構信者を抱えている政治家なんだよな。

 そのナリがイケジジイ、って感じで。

 

 なので、次の総理大臣に、って。

 獅童(しどう)越水(こしみず)と並んで名前が上がるビックネームだ。

 

 ……俺も参政権あるからね。

 人並みに政治に興味はあるんだが。

 

 ……俺はこの人、何か嫌いなんだよね。

 なんか信用できないんだわ。

 

 1回、演説を聴きに行ったんだけどさ。

 

 大物政治家のオーラって奴は感じたけど。

 同時に、嫌なオーラも感じ取って。

 なんて言うのかな……腐臭?

 

 ……言ってることは、日本を守るために現実を見つめろ的な。

 至極まともなことを言ってるんだけどね。

 なんか、どうも支持できない。

 

 そんなことを思いつつ、俺はきしめんを啜った。




この世界線の総理大臣候補、ほとんどハズレ
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