女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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第60話 神器の秘密

 熱田神宮の本殿。

 

 通常は、おそらく宮司以外立ち入りが出来ない区域。

 ご神体が安置されているスペースだ。

 

 俺とライドウさんは、そこに足を踏み入れる。

 

 ……最新鋭の警備システムが導入されていると聞いてはいたけど。

 どこにあるのかは全く分からなかった。

 

 まぁ、それが分からないから「鉄壁」なのかもしれないけど。

 場所が分かると、そこから対策を立てられるものな。

 

 見た目、ただの板間の部屋だ。

 少し狭いくらいの。

 

 そこの中央部に神棚というか、木製の祠のようなもの……祭壇かな?

 それがあって。

 

 その扉が開け放たれ、中に収められていたと思われる、古ぼけた木の箱が開封されて放置されていた。

 木の箱は、材質は良く分からなかったけど……中には赤い粘土が敷き詰められてて。

 

 長い物体の形に、凹んでいた。

 

「箱に仕掛けてあった、発信機について勘付いたようですね……」

 

 その様子を見て、ライドウさんの呟き。

 

 俺はそれを聞き逃さなかった。

 

「マズいじゃ無いですか!」

 

 俺が思わずそう言うと、ライドウさんは

 

「ええ。マズイと言いますか……悲しいことです」

 

 悲しいこと……?

 俺はライドウさんのその言葉が理解できなかった。

 

 

 

「秋月さん」

 

 ライドウさんは宮司さんの名前を呼ぶ。

 秋月宮司……最初から俺たちに付いてくれている年配の宮司さん……が駆け寄って来た。

 

 宮司さんは「なんでしょうか?」と訊いてくる。

 そしてライドウさんは

 そんな宮司さんに視線を向け、真面目な顔で耳を疑うことを言ったんだ。

 

 こんなことを。

 

「金属の剣を持ち歩いている人間の目撃談は……?」

 

 思わず心でツッコんだ。

 

 ……あるわけねぇだろ!

 

 

 

 意味わからん。

 ライドウさん、なんであんな意味不明のことを訊いたんだ?

 

 剣を盗んで、抜き身で持ち歩くような奴、ただの馬鹿だろ。

 ありえない。

 

 そう思っていたんだけど。

 

 熱田神宮を出た後、ライドウさんは電話を掛けまくっていた。

 

 ……どういうこと?

 

 政府に現状報告するのか?

 でも、そんなのは今は後で良いんじゃ無いのか?

 

 三種の神器の、草薙の剣が盗まれたんだぞ?

 早く動かないと駄目じゃ無いのか?

 

 ……まあ、動くにしてもどうすれば良いのか分からないんだけど。

 

 ……ホント、どうするんだ……?

 

 俺が危機感で焦っていると。

 

 ライドウさんの電話が終わったらしい。

 

 そして

 

「行きましょうアツロウさん」

 

 振り向かず歩き出す。

 俺は慌てて追うようについていき

 

「行くってどこへ?」

 

 思わず訊くと

 

「場所に当たりが付いたんです」

 

 そんな返答が返って来たんだ。

 

 え……?

 

 

 

「今、確認したら、救急車が複数台呼びつけられた場所がありました。……予想通りでしたけど」

 

 多分タクシーを待つためか。

 大通りに出ながら、ライドウさんは言ったんだ。

 

 え……?

 

 話が……見えない?

 

「すみません、意味が分からないんですが」

 

 そう、問い返す。

 

 ライドウさんは俺を見た。

 それは少し、悲しそうだった。

 

 その目に俺は動揺し、さらに訳が分からなくなる。

 

 何で……?

 俺、何か悪いことを言ったんだろうか?

 

 不安になったけど。

 

 続けて小さくライドウさんが言った言葉で。

 俺は理解に至ったんだ。

 

「……三種の神器は……その神気の凄まじさで、見たら死ぬ、って言い伝えられているんです」

 

 え……?

 と、思った。

 

 嘘だろ?

 三種の神器……草薙の剣ってそんな特殊能力あったの?

 

 知らなかった。

 

 でも、ライドウさんが言うんだから、本当のことなんだ。

 

 そして同時に、さっきの意味不明の質問の意味が理解できた。

 万万が一、賊たちが抜き身の草薙の剣を持ち歩いているところを目撃された場合、見た人間が死ぬからだ。

 

 だから、訊いたのか……

 

 あと、場所に当たりがついたという言葉の意味も。

 

 ようは、草薙の剣を盗んだ人間が、急に死に始めたんだろう。

 盗むときに「見てしまった」から。

 

 人が急死したら、その死に後ろめたさが無い場合、普通救急車を呼ぶ。

 即死している、なんて勝手に判断し、いきなり葬儀屋を呼ぶやつはいない。

 

 死亡判定をするのは、普通は医者だからな。

 

 そんなことを考えていたら……タクシーが来た。

 

 俺たちは乗り込んだ。

 2人で、白い後部座席に座る。

 そこに

 

「どちらまで?」

 

 タクシー運ちゃんのそんな問い。

 それにライドウさんは

 

 こう答えたんだ。

 

「住所は名古屋市内の……政治家の須藤竜蔵(すどうたつぞう)先生の自宅と言って伝わりますか?」




大物政治家の自宅に……?
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