女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
俺の言った天井付近には。
ヤタガラスが宙を舞っていた。
この部屋は、石の部屋で。
スプリンクラー等の消火設備が無い。
祭壇がある関係と、見たところコンセントも無いようだから、火事が起きない前提で設計されているのかね。
そのお陰で……
ヤタガラスが、火炎を呼び出し燃え上がらせていた。
この、地下室で。
「なぁ」
食い入るように天井のヤタガラスを見つめる須藤に俺は言う。
「……草薙の剣は、その昔、
草薙の剣の刀身を全力で抱きしめながら。
そのまま、続ける。
「その理由、知ってるよな?」
草薙の剣は、天叢雲剣と呼ばれる剣だった。
だがヤマトタケルが振るって東征をしていた際に
ヤマトタケルは、敵に焼き討ちにあった。
今の焼津という土地だ。
その際、ヤマトタケルは草を斬ったそうだ。
そして火打ち石でこちらから火を放ち、難を逃れた。
その後、天叢雲剣は草薙の剣と呼ばれることになる。
……この現実の草薙の剣の神力を知っていると、変に思えるエピソードだよな?
草薙の剣を持つものは、絶対に敗北しない。
なので全ての攻撃を無効化する。
……なのになんで焼き討ちの際、燃え上がる炎を平然と突っ切らなかったのか?
一見、凄く矛盾する状況だけど。
少し考えると、理解はできる。
……きっとこれは
焼き討ちで死ぬのと、山火事で死ぬのと。
状況的に同じだからだ。
山火事で死ぬのは、事故死。
敗北とは言わない。
おそらく、そうだ。
草薙の剣は、事故に対しては無防備なんだよ。
だからヤマトタケルは危機に陥ったんだ。
ワンクッション置いて、不特定多数を標的にし、事故や災害に変化させた危害は無効化できない。
それが草薙の剣の神力の限界……
だから
「この換気の悪い地下室で、あれだけ激しく炎を燃やして……一酸化炭素中毒になるかもしれないよな」
俺の言ったこと。
それに……須藤は震える。
俺はさらに続けた。
「どうする……? 一緒に死ぬか? 付き合うぜ?」
須藤の顔が……歪んだ。
屈辱と、無念さ。
そして怒りが混ざった表情だった。
須藤はそのまま迷い。
最終的に剣を手放した。
須藤の呼び出した悪魔たちはヨシツネとサンダーバードの2体で足止めされてるし。
俺の物理反射が途切れても、この状況で俺を怪我はさせられても、即死させるのは難しい。
そこに新たに物理反射呪法を掛けられると、面倒な状況がさらに継続する。
で、一酸化炭素中毒の特徴。
……一酸化炭素中毒は目立った自覚症状が結構ヤバくなるまで無いからね。
そのあたりがプレッシャーになったのかもしれない。
そういうことを総合的に判断したんだろう。
もう、無理だ、と。
……剣を手放した後、須藤は悪魔2体も帰還させられ。
武装解除。
俺たちに投降した。
……こうして。
熱田神宮から神器の本体が盗まれるという大事件は解決したんだ。
神話の内容と、そこから出した本作の設定に矛盾が無いように考えた弱点すわー