女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
「このスマホのようなものは何処から手に入れたのですか?」
須藤を武装解除し、地下室から屋敷の地上階に引っ張って来て。
リビングで床に正座させ、尋問。
政府に連絡はもう入れたから、遠からず政府から迎えが来る。
それまでに取れる情報は全部取らないと。
須藤の所持していたスマホのようなものを手で示しつつ、ライドウさんはその出所を訊く。
俺はそんな様子を見つめつつ、草薙の剣の柄を握り、剣の腹で肩をトントンとする。
……鞘が用意されていなかったので、持つしかないんだ。
放り出すと「見たら死ぬ」という神力が働いてしまうからね。
それはあまりにも危ないから。
なので剣を預かった状態で。
ライドウさんのその、スマホの出所を問う尋問を見守る。
そうしながら。
思う。
……須藤はダンマリだな。
黙秘かよ。
実際、須藤は悔しそうに顔を歪めながら、口を閉じていた。
意地でも何も喋らんというつもりか。
だったら
「……強欲、他責、無関心、そして数々の矛盾……自分の欲ばかり追い求め、誰一人として全体のことを考えようともせん、だっけ」
俺は、この老人が俺たちに言ったことを復唱した。
須藤が俺を見る。
憎々し気に。
……前ほどの覇気を感じない。
敗北してしまうと、こうなってしまうんだろうか?
俺は視線を逸らさず、さらに言ってやった。
「アンタの理想は、言うなればアンタの欲は潰えたわけだよな……もう、アンタの望む形で夢は叶わない……違うか?」
俺の言葉に、須藤はものすごい怒りの表情を浮かべる。
正直、良い反応。
そう思いながら、問う。
「そんなに怒るなら、何で剣を手放した?」
俺のそんな問い。
須藤は
「剣を手羽さないと、高い確率で命を落とす! そういうのは犬死というのだ!」
耐えられなかったのか。
衝動のまま、という様子で言い放って来た。
……犬死、ねぇ。
俺は
「そうは決まってはいなかったよな? 俺が物理反射呪法打ち止め状態になるまで粘ってみれば良かったんだ」
まだ手はあった。
俺たちとしては、チキンレースに持ち込まれたら正直困るところはあったんだ。
条件五分……いや、冷静に考えればそれ以下だし。
何故って、物理反射呪法が切れたら刃物を抱き締めて血塗れになるのは俺なんだから。
そうなれば、いつまでも身体を張ってはいけないから。
そうなったら、俺たちの負けになる。
でも、こいつはそんなチキンレースを拒否して、投降した。
理由はそれが犬死だから。
……投降したらほぼ確実に全部終わるのに?
ようはさ、こいつ
「アンタは土壇場で命を賭けることを拒否した。つまりアンタは勝率が100近い賭け事しかできないんだ。例えその賭け事に未来が掛かっていたとしても」
俺の指摘。
須藤の目が震えた。
さらに俺は
「……部下には目的のために死ぬかもしれない状況に突っ込ませる癖にな。全体のことを考えていないのはアンタもだろ」
コイツにとって最も言われたくないであろう言葉をぶつけたんだ。
……ものすごい顔をしていたよ。
まあ、あんだけ大きなことを言ってた人間だし。
耐えられないかもな。
全く同情はしないけど。
そして
「御大層な理想を命惜しさに投げ出して投降、挙句尋問にはダンマリ……そのせいで国が混乱し、その隙に外国勢力の侵略を受けた場合は考えないのか?」
淡々と、思うところを並べ立てる。
震える須藤から視線を逸らさずに。
「邪魔されたのが悔しいから、せめてもの嫌がらせか? それが国のためになるのか? ……やっぱり全体のことを考えていないのは……」
そして何個目かの否定の言葉をぶつけたとき。
須藤は
「……メシア教徒だ!」
叫ぶように、ゲロった。
スマホの入手先の情報を。
黒幕の正体。(やっぱり