女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
第67話 連続勤務
「……何かあったんですか?」
只事ではない。
それは表情で読み取れた。
とても厳しい表情だし。
悔しそうな表情も見て取れた。
だけど
「……後で話します。今は手が離せませんので」
ちらり、と須藤に視線を向けて。
そう、一言。
須藤にはあまり聞かれたくない話ってことなんだろうか?
そして。
政府の黒塗りの車が須藤の自宅に到着し。
屈強な政府の人間が須藤を連行していった。
犯罪者として引っ立てられ、連れていかれる際、須藤は
「このままの日本では数十年後に必ず滅亡の憂き目に遭う! 私の言葉をよく覚えておくのだ!」
そう、最後の叫びを残していった。
そしてその場に残される俺たち。
もうこの場に、部外者は居ない。
「じゃあ私たちもすぐに東京に戻りましょう。すみませんが連続勤務になります、アツロウさん」
間を置かず、今度はタクシーの手配をする。
携帯電話でタクシー会社に電話を入れるライドウさんに
「何が起きたんです……?」
迷いつつも、訊いたんだ。
「ちょっと待ってください……」
ライドウさんから口頭で、いきなり伝えられた話の内容が大き過ぎて、俺は混乱してしまった。
まず1つは……
あの両面宿儺の少年が、隔離施設への移送中に襲撃を受け、何者かに拉致されてしまったとのこと。
俺たちが付いて行かなかったからこうなったのか……?
だけど俺たちは、神器盗難への対処を優先させなきゃいけなかったから、止むを得なかったわけで……!
あの状況では、護衛として付いていくことは不可能だった……!
そして2つめは
関西の大阪市内が、特殊な結界で覆われて、住民が外に出られなくなったということ。
言うなれば、大阪封鎖が起きた。
やったのは翔門会を自称するグループ。
政府に3日以内に
要求が聞き入れられない場合は、結界内部に放った悪魔に住民殺戮を命じると宣言しているそうだ。
両方とも、大きすぎる事件だ。
だけどライドウさんは
「両面宿儺の案件は、別部署に仕事が回るようです」
淡々と告げてくる。
あの少年のことは、俺たちの手から離れるってことなのか……?
あの子の悲しい目を思い出して、俺たちの手で救ってあげられないことに抵抗を感じるけど……
「そうですか」
……これは仕事だからな。
俺個人の気持ちなんて考慮には値しないだろ。
引っかかるものを軒並み無視し、俺は頷いた。
そして
「大阪の方に俺らが掛かるんですか?」
そういう俺の問いに
「ええ。理由は東京に帰り着いてからお話しします」
そう、ライドウさんが口にした瞬間。
外に、車のエンジン音の気配がした。
大阪封鎖編スタート