女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
「今、大阪市内に電子機器が一切持ち込めない状態になっています。持ち込むと壊れます。例外なく」
「持ち込めないって……」
新幹線に飛び乗って、東京皇居内にある宮内庁に戻って来て。
俺たちは会議室で打ち合わせをしていた。
宣言通り連続勤務。
事態収束まで俺たちに休みは無い。
「今の大阪市内は、電化製品の無い状態なんですか?」
聞いたまま、思ったことを口に出して確認する。
するとライドウさんは首を左右に振り
「いいえ……結界内部の電化製品は無事の様です。翔門会を称する犯行グループも、SNSで自身の要求について発信してるみたいですし」
「ってことは……」
結界内部に外部から電子機器を持ち込めないが、元から内部にある電子機器は別に壊れてないってことか。
うーん、それなら……
それに関して、俺は思うところがあった。
それに関しては後で話すとして……
「持ち込むって言葉が出たってことは、外からは自由に入れるんですね?」
「そうですね」
ライドウさんはそれは認める。
なるほど……
状況をまとめると。
外から電子機器の持ち込みが出来ない以上、悪魔召喚プログラムの持ち込みが出来ず、結界内部で仲魔を呼び出すことが出来ない。
これはかなり厄介だ。
国家悪魔召喚士が、悪魔召喚ができないってことなんだから。
「ライドウさんはどうしようと考えてらっしゃいますか?」
俺はまず、上司の考えていることの確認をした。
ライドウさんは「厄介ではあるけど、打つ手が無いわけじゃない」という顔をしていたから。
俺の言葉と視線を受けて、ライドウさんは
「
真顔で、俺にはちょっと分からない返答を。
クダ……?
悪魔召喚プログラムが無い時代、葛葉一族の悪魔召喚士たちが使っていた道具だ。
掌くらいの長さの試験管に近いフォルムの道具で、この中に契約している仲魔を封じ、使うときに開封して使役するんだ。
昔のアイテムなので、当然これは電化製品じゃない。
なので、持ち込んでも壊れないんだ。
「……こんなもの、あったんですね」
「葛葉一族は飛鳥時代からこの国に居ますからね。当たり前のことですよ」
特に誇るでもなく、説明してくれた。
そっか……
そんなに昔から居るんだ。
葛葉一族……
でもさ
「……こんなものがあるのに、ライドウさんは普段証明COMPを仕事で使用している……欠点があるんでしょう?」
そう、指摘すると
「ええ。流石アツロウさんは鋭いですね」
頷いて、肯定。
そのときの表情が、何だか嬉しそうに見えたのは気のせいだったんだろうか?
封魔管の欠点。
それは
悪魔の実体化に必要なエネルギー「マグネタイト」を、術者から供給する他無く、悪魔召喚の持続性に問題がある点だ。
あと、当然のことながらハーモナイザーも無いので、身体能力の拡大も無い。
無論、
証明COMPで悪魔召喚を行う際、マグネタイトをネットに存在する感情エネルギーから抽出しているので、持続性が問題視されることは無いんだけど。
「正式な悪魔召喚士の訓練を受けている私以外はこれは使用できません」
封魔管の説明をしてくれたとき。
ライドウさんはそんな言葉で締めくくった。
……つまりだ。
結界内部に、俺の仲魔は連れていけないんだな。
じゃあ、俺が大阪市内に入り込む意味、無く無いか?
そう思ったんだけど。
ライドウさんは意味はちゃんとあるという。
……この意味合いが分かったのは、だいぶ後の話なんだよね。
次回、大阪潜入。