女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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大阪入りして最初にやることは


第70話 大事の前の小事

 住吉区に入った。

 

 ここから俺たちが最初に目指すのは……

 

 日本橋にある、でんでんタウンだ。

 結界内の情報を集めないといけないのもあるんだけどさ、それ以上に……

 

 まぁ、それは着いてから考えるとして。

 まずは

 

「ライドウさん」

 

 住吉区に入り。

 杉本町駅を目指しながら。

 

 俺は隣を歩くライドウさんに声掛けする。

 

 ライドウさんは背中にリュックを背負った状態で俺を見た。

 

「なんですかアツロウさん」

 

 歩きつつ、腰に鞘を吊り下げて。

 携帯に便利な黒色のナイフ……アセイミーナイフを装備しながら。

 

 俺は言った。

 結界内部に入る前に提案しようとは思ってたんだけど、今になってしまった。

 ちょっと言い辛かったからな。

 

 息を吸い込み、意を決して

 

「放置自転車をパクりましょう」

 

 言った瞬間、えっ? という顔になるライドウさん。

 でも、すぐに気づいたみたいだ。

 

 ……ここからでんでんタウンに行くだけで、徒歩でおそらく2時間くらい掛かるんだ、ってことを。

 ただでさえ時間ないのに、それは恐ろしいタイムロス。

 

 だからこれはやむを得ない行為なんだよ。

 

 幸いと言っていいのかどうか知らないけど、杉本町駅に近づくに従って放置自転車の数が増えてきている。

 その中にはパクリやすいヤツも混じっているハズ。

 

 ライドウさんは数秒沈黙し。

 

 そして

 

「……分かりました」

 

 決断。

 俺の目を見て

 

「大事の前の小事です。やむを得ないです」

 

 よし。

 

 

 

 決断した俺たちは、手分けして2人で放置自転車でパクリやすいものを物色する。

 

「ライドウさん、なるべく丈夫で、2人乗りしても問題無さそうなチャリをお願いしますー」

 

「分かりましたー」

 

 放置自転車、色々駐輪されているけど。

 流石にマウンテンバイク系は無いわな。

 そんなもん放置する人は居ないか。

 

 あるのは……カマキリ、トンボ……まあ、一般的な自転車だね。

 

 ハンドルが湾曲してて、蟷螂の鎌のように見えることからカマキリと呼ばれるタイプ。

 同じくハンドルがトンボの翼に似ているからトンボと呼ばれるタイプ。

 

 ……できればトンボがいいよね。

 カマキリは乗りにくい。

 俺個人の感想だけどさ。

 

 自転車の鍵が本体のロックになってるのは避け、昔ながらのチェーンやリングタイプの鍵……

 

 そう考え続けて探し続けていたら

 

「……お前たち、外から来た人間だな?」

 

 俺たちに近づく者がいた。

 その気配に気づき、弾かれたようにそちらを見た。

 

 数メートル離れた空間。

 そこには……

 

 緑色の肌の悪魔が居た。

 上半身が金髪美青年。

 右手にはサーベルのような直剣を持っている。

 下半身は(さそり)

 そして蠍の尾の部分に無数の蛇が生えている。

 

「……あと3日の後まで、命を奪うことを禁じられているのは元からここに居た人間どもよ。……外から入った人間はその限りでは無いなぁ」

 

 悪魔はニヤニヤしていた。

 

 こいつは……

 

 出会った経験の無い悪魔だ。

 俺はこういう事態に備えて持ち込んだアイテム……

 

 魔術の掛かった片手斧……首狩りスプーンを構えた。

 丸腰で来るのはあり得ないからな。

 申請出して借りて来たんだ。

 

 スプーンに似た形状の片手斧だ。

 振るうと内蔵魔力で衝撃波が発生するんだけど、その反動で狙いが付けにくい欠点がある。

 

 俺のそんな戦う意思を見てとった悪魔は、本当に嬉しそうな顔をした。

 その顔で

 

「我が名は堕天使サルガタナス! お前たちの命を貰い受ける!」




堕天使サルガナタナス。
メガCD版真Ⅰの追加悪魔ですね。
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