女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
どうするべきか?
普通に考えると不法侵入だから、店舗スペースから駆け込んでくる人間がこの店の人間なら、正統性があるのは向こうだ。
殴り倒していいのか……?
でも
向こうも状況が状況だから、いきなりこちらを殺すつもりかもしれない。
まず口で抗議なんてヌルいことはしてこないかも。
じゃあ、やらなきゃならないかもしれないな……
そう思い、俺がチラリと左腰に吊り下げた首狩りスプーンを見たとき。
ヒュオ、と風のように店舗スペースへの出入り口に流れていく影。
ライドウさんだ。
滑らかな足運びで、文字通り風のごとく突き進む。
そして出入り口のところで、スタッフルームに入って来ようとする影と
「……動かないで下さい」
慌ててその出入り口……ドアに近づくと。
ライドウさんが若い男に馬乗りになり、首筋に抜き放ったアセイミーナイフの刃を押し当てていた。
ライドウさん、手荒な真似は
そうは言えなかった。
状況が状況だし。
だけど
男の右手にスマホが握られており。
その画面に、たった1つのアプリが表示されているのを見て。
俺の心が、だいぶ軽くなった。
「アンタ、メシア教徒だろ?」
男からスマホを取り上げて。
ライドウさんが男の首筋にナイフの刃を押し付け拘束。
若い男は悔しそうな顔で……
俺の質問にもダンマリだ。
でも俺は99パーセント、コイツはメシア教徒だと踏んでいた。
理由はこの、推定悪魔召喚アプリが入ったスマホだ。
一般人はまず持っていない。
それに、翔門会はまず使わないんだよ。
……何故って?
考えても見て欲しい。
自分の宗教団体の重要人物を釈放させるテロを起こすのに、武器の供給を別宗教から受ける。
そんな真似をすれば、皆、思うよな。
お前たちプライドありますか? って。
そんな真似をしたら、例え教祖を救えても組織として終わってしまう。
だからあり得ない。
「ハイハイ、ダンマリね」
俺は俺の質問に一切答えようとしないその男を放置し
「ライドウさん、そいつを拘束継続よろしくお願いします」
そう言いつつ、スタッフルームのパソコンのうち1台を起動し、キーボードを叩く。
で、さっさか色々操作し、秘密の場所から必要なものを落としてきて……
ハッキングだ。
スマホをパソコンに接続し、中身を解析ィ。
俺のキーボードを叩く音が響き、スマホの中身が丸裸になっていく。
フーン……
なるほど。
「大阪城、海遊館、あべのハルカス、そして通天閣ね」
スマホの中に入っていた情報を、読み上げる。
ライドウさんの拘束している若い男の表情が驚愕に染まる。
俺は続けた。
「……で、通天閣が結界の中心なのか」
「何でそこまで分かる!?」
俺の言葉に、若い男が声を荒げる。
だけど、ライドウさんが次の瞬間、ナイフの刃をさらに強く押し付けて黙らせた。
何故って?
そりゃあ……
「ここ最近で更新があったファイルを、ちょっとチェックしただけだけど?」
テロが起きたのがここ数日なわけだから、怪しいのはそこだよな。
誰でも分かる簡単な理屈。
けれども、それでは納得はしなかったのか
「それでも!」
2度目の男の激昂。
今度はライドウさんもナイフで脅すのは断念し。
ぐけっ
サッとナイフと腕を入れ替えて、蛇のようにライドウさんは両腕を男の首に喰い込ませ。
男に裸絞めをし。
オトす。
そして
「アツロウさん……すごいですね。流石というか」
気絶した若い男を寝かせて、ナイロンロープで手足を拘束し。
その間作業を継続していた俺に、ライドウさんがそんなことを。
俺は
「まあ、素人の考える誤魔化しはパターンあるんで」
そう言いながら、作業を続ける。
時間がないからな。
早く終わらせないと。
目標、判明