女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
あべのハルカスを出た。
一気に涼しくなる。
地獄からの脱出。
「涼しい……」
深呼吸する。
ライドウさんはポケットからハンカチを取り出して、僅かな間に噴き出した汗を一生懸命拭いていた。
そして
「あの暑さは一体何なんでしょうか?」
そんな一言。
俺は
それには答えずにノートパソコン開いて、コマンドを打ち込んでいく。
『堕天使召喚』
よし。
足元に魔法陣が浮かび上がり、契約中の俺の仲魔である堕天使サルガタナスが召喚される。
「……契約者殿よ、何用だ?」
下半身蠍で、多頭蛇の尾を持つ緑色の肌の金髪美青年。
このパソコンを作り上げ、一番最初に契約したのがコイツだ。
俺は
「あべのハルカス内部が異様に暑い。何か知らないか?」
訊ねた。
「あの建物の内部が暑い、だと?」
何で俺に訊くの?
サルガタナスからそういう態度がアリアリと出てる。
「我はそういうことが分かる能力は持っておらんぞ?」
で、自分には出来ないと明言して来た。
俺は
「別に解決方法そのものを求めてはいないから」
サルガタナスにそう食い下がると
「暑いならキングフロストでも召喚すればいい」
なんだかサルガタナスはウンザリした調子でそう一言。
キングフロスト……?
「魔王としてはどうしようもなく格下だが、立派な魔王だぞ」
情けないことに俺は知識がなく、サルガタナスに訊きまくる羽目になった。
氷の妖精であるジャックフロストの王という位置づけの悪魔であり、召喚するには
「最近だと、悪魔合体という手段が一番楽だ」
そう、サルガタナス。
悪魔合体。
知ってる。
2体の悪魔を合体させ、別の悪魔を呼び出して、新たに契約するワザだ。
かつてのCOMPにはそれが標準装備されていたけど……
「それは無理だろ。他に方法は無いのか?」
生憎この即席COMPには、悪魔と契約して召喚する機能しか無い。
合体を持ち出されても対処不能なんだ。
だけど
「いや、無理じゃないだろ契約者殿よ」
オイオイお前は何を言ってるんだ?
サルガタナスの顔はそう言っていて。
俺は
「だって無いだろ。悪魔合体を可能にする環境」
ちょっとオーバーアクションかもしれないけど、腕を大きく振りながら主張した。
そうしたのは
「……ひょっとして、この環境でも悪魔合体って可能なのか?」
続けて、このことを訊くためだ。
俺のその問いに
「契約者殿、察しが良くて助かる」
なんだかサルガタナスは少し嬉しそうな顔で
「梅田の方にラブホテル街があり、そこにあるぞ」
業魔殿っていうラブホテルが。
そこでやってるぞ。悪魔合体。
……マジか。
ホテル業魔殿が梅田にあるらしい。