女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
まあ、グズグズしている時間も無いので。
すぐに自転車を走らせて、梅田までやってきた。
自転車で40分。
現在、7時30分。
確か、ホテル業魔殿。
……こういうとき、スマホがあると便利なんだけどな。
それは無いんだよね。生憎。
「こちらには特に怪しいホテルは見えないですね」
重点的にホテルの名前を目視確認してくれているライドウさん。
彼女だけに任せるわけにもいかないし、俺も探さなきゃ。
俺は周囲を見回した。
もう、時間も時間だから人が出て来ても良いハズだけど。
やっぱり、3日以内に九頭竜天音の釈放が無いと皆殺し。
この言葉で、外に出る気力は無いのかね。
人影はまばらだった。
……多分、3日経ったら殺される、とは思って無いんだろうな。
そのときは九頭竜天音の釈放か、政府が何かしらの解決策を打ち出すと思ってんだ。
ようは、自分たちがあと3日で破滅する可能性は考えてない。
おめでたい、って言えばそうなのかもしれないけど。
それがまあ、プラスの方向で働いてるよ。
そう、あそこにいるみたいな、黒髪ショートのメイドさんの独り歩きが普通に出来る程度の治安が維持されているわけで……
……ん?
「そこな男よ。我はベリス。お前、我を怒らせよ」
赤い馬に跨った、青い西洋甲冑を装備した騎士が、メイドさんに迫っていた。
見りゃ分かる。
あれは悪魔だ。
手に持った槍をメイドさんに突きつけながら、何か言っている。
……襲われている?
この封鎖内の人間がそうなるのは、3日後のはずでは?
まあ、ほっとくわけにもいかないので。
俺は堕天使サルガタナスと……
もう1体の仲魔・妖獣ライジュウを召喚した。
妖獣ライジュウ。
雷の化身とされる日本の妖怪。
見た目は雷を伴ったイタチ。
大きさは60センチほど。
伝承ではコイツが空から駆け下りてくることで、雷が落ちると考えられていた。
悪魔としてのコイツは、電化製品に取り憑いて、無限バッテリーになってくれる特殊能力を持っている。
俺が、証明COMPに登録している4体目の仲魔だ。
……大して高ランクの悪魔でも無いので、ネットでデータを落とせる状態にして、こっちに来たんだよね。
こっちで悪魔召喚プログラム搭載のパソコンを作る際、絶対に役に立つと思ったから。
「アツロウ、オレが離れると1時間くらいでパソコンの電源が落ちるぞ」
雷獣の警告。
十分だ。
「それだけあれば事態は解決すると思う。ありがとう、ライジュウ」
撫でてやりたいけど、それすると感電するんだよね。
言葉だけで礼を言うと
「おい! そこの悪魔! 約束は3日後のはずだろう!」
黒髪ショートのメイドさんを襲っている甲冑騎士に突き進んでいった。
黒髪ショートのメイドさん。
まぁ、あの人です。