女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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何を揉めてんの?


第8話 ジュネス

 レジで揉めてるライドウさん。

 

 傍に行ってみると

 

「本当に現金以外支払いダメなんですか!?」

 

「ええ、申し訳ないんですけど」

 

 書店のレジに立ってる男性が、申し訳なさそうに頭を下げ続けている。

 

 ライドウさんは非常に焦った表情を浮かべていた。

 

 ……えーと

 

「……何があったんです?」

 

「あ、木原さん!」

 

 俺に気づいて、教えてくれた。

 

 ……どうもこの店、クレジットカードが使えないらしくて。

 ライドウさん、この本を買えないらしいんだ。

 

 現金以外受け付けない、この店のシステムのために。

 

 ついでに言うと……

 

 今からお金を引き出して来るから、取り置きしておいてくれというのもダメなんだと。

 

 ……なんでよ?

 サービス悪すぎるだろ。

 

 そんなんだから商店街が寂れるんだよ。

 そう思ったけど

 

 それについては

 

「もし取り置きして、そのまんまドロンされたらこの本が永久に売れなくなりますよね?」

 

 ……だってさ。

 

 性格、歪んでなぁ……

 

 俺はこの書店の店主の中に、田舎の闇を感じた。

 

 まぁ、とにかく。

 現金の持ち合わせが無くて、普段払いをクレカ1択にしていたライドウさんは。

 この欲しがってた本が買えないらしい。

 

 ……うーん。

 

「その本、いくらなんですか?」

 

 一応、俺は訊いた。

 訊かれたライドウさんは俺に視線を向けて

 

「9000円です」

 

 高ッ!

 

 何でそんなに高いんだ!?

 そんなんだから絶版になったんじゃないのか!?

 

 思わず絶句し掛けたけど

 

 俺は

 

「……分かりました。取り敢えず立て替えますよ……珍しい本なんですよね? ここを逃すと二度と手に入らないかもしれないんだし」

 

 そう言って俺は万札を1枚、自分の財布から取り出したんだ。

 

 そんな俺の行動を見て、ライドウさんは

 

「え……本当によろしいんですか?」

 

 少しだけ、戸惑ってたな。

 んー……

 

 

 なんかこういう反応、良いね。

 

 

 

 この町の銀行ATM、大型商業施設ジュネスに行かないと無いらしくて。

 

 俺たちは一緒にジュネスに向かった。

 

 田舎町の中で不自然に(そび)える都会の象徴。

 こういう場所に建つこういう施設。

 

 パッと受ける印象はそんな感じだよな。

 

「では1万円お返しします」

 

 ……さっきの本、値段は9000円だったけど。

 それは本体価格で。

 税金を含めると1万円近くなったんだよな。

 

 なのでライドウさんはATMに行って引き出して、1万円を返してくれた。

 

 お釣りが気になったが、それは何か奢ることでチャラにしよう。

 そう、1万円を財布に仕舞いながら心の隅で考える。

 

『♪エヴリデイ・ヤングライフ・ジュ・ネ・ス!』

 

 ……店内は店のイメージソングが流れまくりだ。

 俺もこの店舗では無いけど、結構ジェネスに買い物には行くから、耳に着いた曲ではあるな。

 

 ……おっとそうだ。

 

「あの」

 

「なんでしょうか?」

 

 振り向いてこちらを向いてくれたライドウさんに俺は訊ねる。

 

「サトミタダシに行っていいですか? 今晩の歯ブラシを買いたいので」

 

 ……さっき、店に入るときに案内板で……

 この施設にサトミタダシが薬局として入ってるのを見つけたんだよね。

 

 あそこならあるだろ。

 色々と。




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