女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
「ヒーホッホッホー」
魔王キングフロストが、この展望台のある階に、狭い非常階段のドアを潜り抜けて入って来る。
無理矢理入るので、風船を押し込んだみたいになってた。
あべのハルカス展望台エリア。
本来は有料なんだっけ。
俺たちはサルガタナスの能力で鍵をこじ開けて侵入したけど。
ライドウさんはヨシツネとヤタガラス。
俺はキングフロストとサルガタナス。
それぞれ、仲魔を召喚し、敵のいる場所に入り込んだんだ。
敵はすぐに見つかった。
あべのハルカス展望台は、天空庭園として造られてて。
天井は吹き抜けになってて。
囲うように、植物が大量に植えられていた。
観葉植物が。
そいつは、その中に佇んでいた。
「よく来たな。この国の政府のものか?」
そいつは赤い衣装を身に着け、真っ赤な仮面を装着した男で。
衣装の感じは軍人か、貴族がイメージされるようなもので。
赤い仮面は顔面を全て覆うもので。
目の部分だけが、赤い光を爛々と光らせていた。
髪の色は深紅。
燃える炎の色で。
獅子のように波打っている。
俺たちに気づき、投げ掛けてきた声は強く、自信と張りのある男の声。
若さが感じられる。かといって、若造って感じじゃ無いが。
20代後半の男の声か。
男の体格は立派で、どこから見ても理想の男性の体格、といえる感じだった。
「……あなたは誰ですか?」
ライドウさんが一歩進み出て、問う。
その男……おそらくこのあべのハルカスに存在している、結界の鍵の悪魔に。
男は
「我が名はアポロン。オリンポス12神の1柱にして、太陽の神」
アポロン……
誰でも知ってるギリシャ神話の太陽神の名前だ。
ゼウスの息子の1人で、月の女神アルテミスの双子の兄。
太陽以外にも、芸術や学問など、人間の知的文化の守護神でもある神だ。
そんなビッグネーム……弱い悪魔であるはずがない……!
「……そして、いずれはこの国の太陽の神になる存在よ!」
「アンタ、天照大神に成り代わるためにここにいるのか?」
俺はその言葉に思わずツッコんでいた。
聞き捨てならないしな。
俺の言葉にアポロンは鷹揚に頷き
「ギリシャでは神々の王……大神は我が父神ゼウス。これは不動のものである。しかし我とて大神の地位に魅力を感じぬわけではない」
そして大きく腕を広げ、語った。
「このあべのハルカスなどという、素晴らしき建築物に召喚され、ここで結界維持の一翼を担えば、全て終わった後にこの国の太陽神の地位を我に捧げるという」
その言葉は夢見るようで
そこで
「あなたの望みは叶いませんよ」
ライドウさんが割って入った。
アポロンは視線をこちらに向ける。
ライドウさんは続けた。
「この国は創造神の地位を引き継いだ太陽神が、あなたに分かる言葉で言えば王に……自分の代理人に指定した王に統治させる仕組みで成り立っています」
そしてアセイミーナイフを構え、後を続ける。
「あなたの望みはこの国の根本を破壊します。……全力で排除させていただきます」
ライドウさんの言葉に応じるように、ヨシツネが二刀流で刀を構え。
カァァァァ!
ヤタガラスが大きく、鳴く。
「面白い! 掛かって来るがいい!」
ライドウさんの宣言を受け。
アポロンはその身体をふわりと浮かせ。
そしてその両の拳に真っ赤な炎を纏わせたんだ。
VS魔神アポロン