女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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魔神アポロンとの戦いが始まった


第85話 ボクシングの神

 アポロンは拳を構え、キングフロストに突っ込んでくる。

 相手の選択としてはベストだな。

 

 多分、キングフロストを失うと、このあべのハルカス内部の環境で俺たちが平常でいるのは不可能である。

 そう、判断したんだろう。

 

 正解だけど。

 

 だけどこっちもそんなことは百も承知で。

 すかさず、ヨシツネが割り込んできて、アポロンを阻んだ。

 

 ヨシツネの流れるような二刀流……右手の打刀と左手の脇差を振るい、アポロンを迎え撃つ。

 

 アポロンは、その両手の拳から、まるで弾丸のような連続パンチを繰り出した。

 メチャクチャ速い……

 

 構えからすると、ボクシング。

 多分だけどな……

 

「ハッハッハー! 我が拳は灼熱であり、城壁をも砕く!」

 

 ヨシツネはアポロンの連続パンチをギリギリで躱しながら、剣撃を返すんだけど

 

「因果応報よ!」

 

 それに合わせて、アポロンはクロスカウンターを返して来る。

 何なんだこの格闘センスは……!

 

 ヨシツネはカウンター拳を顔面にまともに喰らい、後ろに吹っ飛ぶ。

 

 それで劣勢になるが、追撃で飛び込もうとするアポロンに

 

「ヒーホッホッホー!」

 

 援護で、キングフロストがその口から吹雪のブレスを吐き出したんだ。

 

 この天空庭園の地べたを凍らせ、キングフロストの極寒の吐息がアポロンを襲う。

 だがアポロンは見事なステップで、そのアイスブレスを回避した。

 

 そしてステップを続け距離を離し

 

「……ボクシングは我が創始した格闘技よ。お前たち人間の競技者が出来ることは全て我は実行可能だ」

 

 そこで言い放ったアポロンの言葉。

 

 そうだったんだ……

 ボクシングを作ったのは、アポロンだったのか……!

 

「愉しいぞ。遠慮なく掛かって来るがいい。全て叩き潰してくれる」

 

 ヨシツネにカウンターを決めた高揚感からか。

 アポロンは明らかに興奮している。

 

 ぐるん、ぐるんと上半身を揺らして、次の連撃を開始する準備を整えていた。

 

 あれ、デンプシー・ロールとかいうやつじゃないのか……?

 

 技術的に難しいのかどうか俺には分かんないんだけど、俺でも知ってる技を見せてきたことで、アポロンの言う

 

 ボクシングを作ったのは自分である。

 自分は全てのボクシングの技を使える。

 

 それに、説得力が増した気がした。

 

 簡単に勝てる相手じゃない……

 そこで

 

「凄まじい技量ではないか」

 

 口を拭い、ヨシツネが立ち上がる。

 

「ほぉ、今のをまともに喰らって立つとは見事」

 

 シュッシュッシュッと3発の連続パンチをシャドーするアポロン。

 その様子に、ヨシツネは凶暴な笑みを浮かべる。

 

 そして二刀を腰の鞘に納刀し

 

 その両手を構えたんだ。

 

「……お主が素手に拘ると言うなら、こちらも答えるのが武芸者の心意気」

 

 腕を大きく広げ、まるで熊のような。

 

 鎧を着ているとはいえ、脇がガラ空き……急所を守らない構えを。

 

 アポロンの方も「鎧を頼るか」なんて、ヨシツネに対する辛辣な言葉を掛けたりしない。

 おそらく自分の拳の前では、鎧頼みは自殺行為なんだ、って。

 そう思ってるんだろうな。




アポロンとの戦いの行方は?
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