女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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キッチンカーを前にして


第88話 たこ焼きを買った

「たこ焼きですね」

 

 キッチンカーを見つめつつ。

 そんなことをライドウさんが。

 俺は

 

「……お好きなんですか?」

 

 そう問うと

 

「兄が好きで、よく買ってきます」

 

 ……ライドウさんの実家。

 多分富裕層だよな?

 

 エラい庶民的なもんが好きなんだな……。

 だったら

 

「買いますか?」

 

 なのでそう提案してみたら

 

「えっ、そんな暇は」

 

「他に客が居ませんし。多分買うだけならすぐ済みますよ」

 

 何か時間を理由に断られそうだったので、俺は自転車を停めて、降りた。

 そして店の前に行き

 

「すみません、たこ焼きありますか? 2人分」

 

 鞄から財布を出しつつ。

 

 たこ焼きを焼いてるのはスキンヘッドの中年男性で。

 

「2つで1000円。お兄ちゃん、彼女連れかいな?」

 

 流れるようにレジ袋に入れたたこ焼き2パックを差し出して来る。

 俺はそれを千円札を差し出して引き換えつつ。

 

「いえ、別にそういうわけでは」

 

 そう、俺が否定すると

 

「……自転車2人乗りなのにか?」

 

 おじさんに不思議そうにそう返される。

 まぁ、青春系恋愛漫画だとあるあるなシチュかもしれんけど。

 

「まぁ、色々あるんす」

 

「そうか……まぁ、頑張んな」

 

 俺の返しに、たこ焼き屋のおじさんは何か察したようだ。

 チラリ、とライドウさんに視線を一度向けて

 

「警察も今はあまりガミガミ言う状況じゃねぇみたいだし」

 

 おじさんはそう言いながら、さっき焼き上がったたこ焼きをパック詰めした後。

 胸ポケットから煙草を取り出し、火をつける。

 そして吸い始めた。

 

 ……食べ物屋でこのムーブ良いんかなぁ?

 

 ま、今は焼いて無いんだけどさ。

 

 

 

 で、そこからさらにしばらく自転車を走らせ。

 11時45分に、大阪城に辿り着く。

 

 そこには……

 

「天使がいっぱいいますね」

 

 ライドウさんが言う通り。

 翼を生やした人間が、無数に空を舞っている。

 誰が見ても簡単に正体を予想できる、超有名な悪魔の種族「天使」

 

 ナリがどいつもこいつも「らしい」からね。

 ほぼ前知識無くても誰でも理解できるわ。

 

 この世で、天使の宗教画を1回も見たことが無い人間なんてほぼ居ないだろうし。

 

 だぼだぼの布を見に纏っていたり。

 高貴さを感じさせる甲冑を装備して居たり。

 素っ裸だったり。

 

 そんな姿で翼持ってたら「天使」でしょ。

 

「数が多いですね……これは確かに、正面突破は難しいかも……」

 

 大阪城の現状を目視して、ライドウさんのコメント。

 俺も同感だ。

 

 強引に突き進んだら、多分包囲殲滅されると思う。

 だってさ……

 

 マジで大阪城上空を埋め尽くす勢いで居るんだよな……

 これは流石に相手できない。

 

 何か他の方法を考えないと。




強行突破を計画したら、おそらく物量差で詰むと予想される状況。
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