女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
「まぁ、悩んでいてもすぐには答え出ませんし」
近場のコンビニのゴミ箱にたこ焼きのパックを捨てて。
「……先に海遊館に行きましょう。攻略中に天啓が降ってくるかもしれませんし」
ライドウさんのその提案に、俺は乗る。
そうだな。
今は時間が惜しいんだ。
必死で考えているときには何もアイディアが出なくても、別の仕事をしているときにふと解決策を閃くときだってあるし。
今この場で考え続けるのはマストじゃない。
今は……12時30分。
海遊館には確か……50分くらいだっけ。
がんばろ……
そして俺たちはまた2人乗りを開始して。
海遊館に向かった。
50分間自転車に乗り続け。
海遊館に到着。
……昔の俺なら、この辺でヘバってるな。
国家悪魔召喚士になると決めた後、自分に足りてない基礎体力強化は頑張ったし。
人間、努力すれば能力は伸びるんだ。
無論、それでトップに立つのは難しいけど、少なくとも何もやらないよりは大きくなれるんだよな。
……この辺、高校生のときに理解できていれば良かったと思わないでもない。
あの頃は、俺はパソコンスキルとそれに関すること以外は、やるだけ無駄だと内心思ってたところあったしな。
「……ずっと自転車漕いでますけど、大丈夫ですか?」
そんな感じで俺が自分の体力向上を実感して、ちょっと悦に入っていると。
後ろからライドウさんがそんなことを。
「このくらいなら大丈夫ですよ」
俺はそう返す。
だけどライドウさんは
「アツロウさんばかり負担が大きいじゃないですか」
なんか負い目を感じてるみたいだ。
自分がずっと荷台で座ってるのが嫌なのかもしれない。
けどさ……
「……別に良いんです」
絵的に代われない以上しょうがないだろ。
そういう気遣いは嬉しいけどさ。
海遊館。
超有名な水族館。
大阪のデートスポットでも有名な場所だ。
……人は……居なかった。
ここはどうなってるんだろうか?
拠点の1つだから、普通の状態じゃないと思うんだけど。
「入りましょうか」
ライドウさんにそう一言言い、海遊館に俺たちは侵入した。
中は……スタッフが1人も居なかった。
だけど……
水槽はちゃんと機能してるんだよな。
スタッフが1人も居ないのに。
まだ乗っ取られて1日経って無いから?
それとも……
色々考えながら慎重に進んだ。
遊びに来たんじゃ無いんだから、当然なんだけど……
「なんだか、秘境の森みたいなエリアですね……」
進んでいくと、展示に見入りそうになって困る。
なんか、水族館デートみたいな感じになってるな。
水槽の中に、獣が居た。
あれは……
「多分これ、カワウソですよね」
そう。
イタチにちょっと似てる水辺の哺乳類。
カワウソ。
名前だけなら誰でも知ってる生き物。
見た目が可愛いから女性が好きそうな生き物だよな。
展示名を見たら「コツメカワウソ」とあった。
カワウソの水槽には……
何だか、明らかに入れ過ぎな量の餌が投入されている。
……なんだいこりゃ?
俺たちが顔に疑問符を浮かべると
「……ここの職員を追い出すときに、私たちがカワウソの世話はしないんじゃないかと思い、入れて行ったのよ」
「ブルル……まあ、その通りダガナ。カワウソは我らの関知するところではナイ。飢えようが死のうが知ったことカ」
後ろの方から声がした。
俺たちは身構えながら素早く振り返る。
そこには……
下半身が魚で、上半身が可憐な美少女という姿の悪魔と。
馬と蛙を遺伝子レベルで混ぜ合わせたような姿の悪魔が姿を現していた。
こいつらは……
「あなたたち、外の人間ね!?」
鬼女マーメイド。
西洋の人魚だな。
「3日の猶予があるのハ、内の人間ノミ! 覚悟シテ貰おウ!」
そしてこいつは妖精ケルピー。
西洋の方の湖や沼地に出てくるという、巧みに人を水に引きずり込む魔物だ。
日本の妖怪でいうと、河童と同じ立ち位置にいる魔物だな。
水棲の悪魔2体の出現。
……ということは。
意外でも何でもないけど、ここの拠点を守護している悪魔はやはり、水に関わる悪魔なのだろうか?
襲い掛かって来る2体の悪魔を前に、俺はそんなことを考えた。
ケルピーの外見はベルセルクのものに寄せました。
メガテンだと下半身がモズクっぽくなってる緑色の馬なんですが。
読んでいただき感謝です。
ここまでの物語が面白いと思って下さった方、是非評価をお願い致します。
(反響を実感できるのは書き手の喜びです)