女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後 作:XX(旧山川海のすけ)
「ケルピー! アタシは男をやるから女はアンタにあげるよ!」
「ブルル! ありがたイ! 女のマグネタイトを存分に味わウとすルゾ!」
マーメイドは全ての物質を水として、そこを泳ぎ回る能力を持っているのか。
最初、空中を泳いでいたマーメイドは、海遊館の光沢ある床に飛び込んで、身を隠す。
……厄介な能力だな。
俺は一応護身武器の首狩りスプーンを取り出すが、振り下ろす先が定まらない。
……まず仲魔だ。
俺はPCを操作し、ライジュウとサルガタナスを召喚した。
そして即座に俺は指示を飛ばした。
「ライジュウ、床に電気を流せ!」
「分かった」
稲光を纏うイタチ……ライジュウが床に降りて放電した。
フローリングに高圧電流が流れる。
その瞬間
「ギャアアアア!」
床から人魚が飛び出して来る。
マーメイドは端正な顔に怒りの表情を浮かべて
大きく息を吸い込んだ。
その様子にマーメイドが何をしようとしているのか察し
俺は耳を塞ごうとしたが
LAAAAAAAAAA!!
一瞬、マーメイドの方が早かった。
マーメイドは歌を唄ったんだ。
魅了の歌を。
その歌を聞いた瞬間。
……なんだか、俺は空中を泳ぎながらこちらを見下ろして来る鬼女が、とても大切なもののように思えて来た。
「契約者殿!」
サルガタナスが何か俺に言ってる。
何か焦っているようだ。
マーメイドは勝ち組になった女性の笑みを浮かべてて。
満足げに見下ろしている。
そして俺の傍に泳ぎ寄り
「さあ、アンタ……その変な武器で、自分の仲間を襲うんだ」
そう、囁くように言って来た。
これは聞き入れないと駄目だよな……
俺が首狩りスプーンを握る手に力が籠る。
……そう思ったんだけど
「アツロウさん!」
……別の女性の声が聞こえた。
その声は、焦りと……
なんだか、俺への非難のようなものもあった気がして。
その瞬間、俺の頭の中に掛かっていた霞が吹っ飛んだ。
「これは違います!」
何が違うんだという話だけど。
俺は反射的にそう叫んで。
手に持っていた首狩りスプーンを力任せにフルスイングした。
するとその軌道に偶然、マーメイドの上半身があったんだよね。
「ブギャアアアア!」
突然俺の渾身の一撃を受けて。
かなりの打撲ダメージを受けたようで。
海遊館に出現したその人魚は、ぶざまに床の上に吹っ飛んだ。
「……で。この海遊館を支配している悪魔は誰なんですか?」
ライドウさんはヨシツネとオシリスを召喚し。
オシリスの触手のような包帯でケルピーを拘束。
その後瞬く間にヨシツネの斬撃で切り刻んで打ち倒してマグネタイトに還らせて。
残ったマーメイドにアセイミーナイフを突きつけて迫った。
マーメイドは俺の渾身の一撃を受けたダメージがかなり大きかったらしく。
一撃を受けた右腕を左手で押さえて蹲っていた。
泣きっ面で。
心が折れた表情をしていた。
ガタガタ震えている。
ライドウさんのナイフの切っ先を見つめながら。
そして
「うう、ごめんよぉ……アンタの男に手を出したのは謝るからさぁ……見逃しておくれよぉ……」
死んでも魔界に還るだけとはいえ、死ぬのはそれなりに苦しいんだよぉ……
そう、情けなく命乞い。
「だーかーら」
ライドウさんはその様子に不機嫌になってる。
それはやっぱり、マーメイドが欲しい情報を口にしないからだろうな。
「……目を抉り出してやりましょうか? これ以上私をイライラさせることを口にするのであれば、その口を耳まで裂いてあげるのもいいかもしれませんね?」
ライドウさんの顔は見えないけど。
この辺、熟練者だなと思う。
的確に脅しているよ。
マーメイドはもう限界に来てる。
それで
「な、仲魔になるよ……! アタシの力は欲しくないかい?」
ライドウさんがマーメイドの口にナイフをねじ込もうしたとき。
マーメイドがとうとう仲魔の契約を提案して来た。
するとライドウさんは
「……いいでしょう」
仲魔になれば、この悪魔の持ってる情報は全部こちらの手に入るから。
尋問は不要。
ライドウさんはナイフを持つ手を下ろし。
俺に
「アツロウさん、契約同意書の準備をお願いできますでしょうか?」
振り返ってそう言ってくれたので。
俺はPC画面に目を落とし
「アイアイサー」
まぁ、既にこの流れを予想してて。
あとはエンターキーを押すところまで進めてたんで。
俺は即座に契約同意書に関するプログラムを起動させたんだ。
鬼女マーメイドは真5の悪魔ですが、実は仲魔に入れたことはありません。
所持スキルに魅力薄くて……
創作物で出す分には、攻撃魔法持ってて、催眠や魅了まで出来るから、非常に有用な悪魔なんですけどね。
読んでいただき感謝です。
ここまでの物語が面白いと思って下さった方、是非評価をお願い致します。
(反響を実感できるのは書き手の喜びです)