女神異聞録デビルサバイバー外伝 アツロウENDその後   作:XX(旧山川海のすけ)

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第94話 何言ってんだこの人は

 コンビニ・トリプルセブン。

 全国規模で展開してるコンビニ。

 

 ここに行けば大体の日用品は揃うんだ。

 

 今日は業魔殿に泊まるので、日用品を外で揃える必要がある。

 あそこ、備品が殆ど無いみたいだからな。

 

「ライドウさん、飲み物は2リットルが良いですか?」

 

「自転車にそんなに載せられないですよ」

 

 俺たちは2人でコンビニに入り、日用品を買いに来た。

 買うのは、石鹸、バスタオル、フェイスタオル、歯ブラシ、歯磨き粉……

 あと、飲み物。

 

 食事関係はブロックタイプの携帯食あるから、ぶっちゃけ要らない。

 

 飲み物は……

 

 2リットルのペットボトルはだいぶ余裕あるんだけど、500ミリがかなりゴッソリ無くなってる。

 衛生面で、小分けの方が都合良いからな。

 

 500ミリ飲料……

 お茶と水が無いな。

 空っぽだ。

 

 コーヒーとジュース、炭酸はだいぶ余裕あるけど。

 

 水分補給って面では疑問があるな……

 スポドリは……

 

 だいぶ少ないが、一応あるな。

 2本。

 

 いいか、これで。

 それを2つ、買い物かごに入れた。

 

 ライドウさんはどんな感じだろうか……?

 

 ふと、気になったので確認すると

 

 彼女はフェイスタオル3枚組を1つ、バスタオルを1枚、石鹸1箱……

 風呂関連をかごに入れていた。

 

 あれ、バスタオルは1つ……?

 2つ要るでしょ。

 

 2人居るんだし。

 

 そう思い、俺はもう1枚のバスタオルを取ろうとしたんだけど。

 

「いけません」

 

 ……止められた。

 え、と思ったよ。

 

 なので彼女に視線を向けると

 

「……アツロウさん。この経費は全部国から出るんですよ」

 

 そんなことを。

 俺は

 

「そうですね」

 

 そう返す。

 俺たちは仕事で大阪に来てるんだし、そうなると当然、その費用は全額国から出る。

 社会人の常識だ。

 

 何を当たり前のことを……

 そう思っていたら彼女は真面目な顔で

 

「私たちの経費は国民の税金です。なので1円でも節約できるところは節約しないと」

 

 えっと

 

 それはつまり

 

「バスタオルを共有する気ですか?」

 

「ええ」

 

 ええ、じゃねーよ。

 

 何言ってんだこの人は。

 

 頷く彼女に俺は

 

「それはマズいでしょ」

 

 至極当然のツッコミを入れた。

 ダメだろそれは。

 

 同性ならギリアリかもしれんけど、異性でそれはやっちゃいかん。

 俺、間違って無いよな!?

 

 だけど

 

「何がマズいんですか? 身体を拭く布が必ずしも新品や洗い立てでないといけない理由は無いはずです」

 

「そう言う問題じゃなくてですね!」

 

 アンタ、俺が使った後のバスタオル使って平気なのか!?

 

 じゃあ逆ならいいのかというと、無論そうでもないし!

 ライドウさんが使ったバスタオルを俺が使うとなると、俺の方が平静ではいられないわ!

 

 見ると、バスタオルは1枚1000円だった。

 

 たかが1000円! 1000円だぞ!?

 

 だったら……

 

「俺がもう1枚買いますよ! それならいいでしょう!?」

 

 そう言って、個人の財布を出そうとすると

 

「これは私的な買い物ではありませんから、そういうのは許しません」

 

 真顔で却下された。

 

 ……上司はこの人なんだよな。

 そういう言い方されると、俺は黙るしか無いのだが……

 

 そこでふと、私的な買い物、という部分で。

 あのことを思い出した。

 

 日本古代文明論。

 八十稲羽市の寂れた本屋で見つけた本。

 

 ライドウさんの私的買い物。

 あのとき、本のお金を立て替えた。

 クレカが使えない店だったから。

 

 で、1万円のやり取りがあって……

 本の代金との差額で、現在自分は1000円未満だけど、お金を貰い過ぎてる状態だ。

 

 なので

 

「ライドウさん、俺……あなたに1000円未満ですがお金を貰い過ぎてるんですよね……八十稲羽市で買った本のお金で」

 

 昔の話だ。

 思えばこの人と出会う切っ掛けになった時の話。

 

 この話を切り出したとき。

 彼女は少し嬉しそうな顔をした気がした。

 

 俺は

 

「……その貰い過ぎ分を流用して、バスタオル1枚を買うのは駄目ですか?」

 

 そう言う提案をしたんだ。

 自分のための買い物では無く、借金を返すための買い物をするんだ。

 そんなの、いつやってもいいでしょ。

 仕事中だから借金は返せないとか、そんな言い訳していいのか?

 

 すると

 

「足りない部分は?」

 

 そう訊き返してきたので。

 俺は

 

「それはライドウさんの借金で、その分またコーヒーでも奢ってくれればいいじゃないですか?」

 

 そう返した。

 

 すると彼女はフフッと笑って

 

「それじゃ永遠に終わらない気がしますけど……分かりました。ではそうしましょう」

 

 そう言って、もう1枚バスタオルを取ったんだ。




よくわからねぇ理屈。

読んでいただき感謝です。
ここまでの物語が面白いと思って下さった方、是非評価をお願い致します。
(反響を実感できるのは書き手の喜びです)
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