防振りにウェザエモンをぶち込むって事 作:こくとうまんじゅう
「「「「私(僕)何で死んだの?」」」」
「知らねーよ。俺達見てねーんだからな。」
【灰吹雪】によってデスポーンしたメイプル達は未だ自らの死亡理由を理解できていなかった。それはそうだろう。無効化できると証明した後にやられたのだ。やられた側として何が起こったかすら分からないだろう
その後何故死んだのかを残りのメンバーに説明したサリーだったが、説明しながらも疑問が絶えなかった。
「カナデの時とそうじゃない時の違いはあったか?」
「んーー…。お腹に攻撃を受けたのか体全体に受けたかの違い……くらいかな?」
「一定確率で即死だったり?」
「即死技なら私の「不屈の守護者」で復活できるはずなんだけど……」
メイプルが申し訳なさそうに眉を下げると、隣で腕を組んでいたカナデが「いや、メイプルの防御はちゃんと機能していたよ」と慰めるように言った。
「僕がわざと一発受けて防御貫通がないことは確認した。その後みんなもダメージを受けていなかった。つまり、あれは『HPを減らす攻撃』じゃなかったんだ」
「ダメージじゃないのに即死……? 状態異常の即死効果か?」
カスミの言葉に、カナデは「惜しい」といって説明を続ける。
「うん、即死のログも出てない。ヒントはあの技の名前とエフェクトだよ。『火砕龍』の後に舞い上がった、大量の黒い灰。あれが僕たちを包み込んだ後、視界の端に一瞬だけ【窒息】のアイコンが出たんだ」
「窒息……!?」
サリーがハッとしたように目を見開く。
「そうか、NWOの基本仕様だ……! 水中エリアとかで息ができなくなると、残りHPに関係なく、時間経過で強制的にデスペナルティになる環境ギミック!」
「なるほどな!」とクロムが膝を叩く。
「いくらメイプルの『身捧ぐ慈愛』で外部からのダメージを肩代わりしても、呼吸そのものを肩代わりすることはできない。灰の中に閉じ込められて息ができなくなった時点で、ステータスに関係なくシステム的にアウトだったわけか」
理不尽な初見殺しの正体が見え、一同に少しだけ安堵の空気が流れる。理由さえ分かれば、対策は立てられるのがこのゲームだ。
「となると、次の課題はあの『灰吹雪』の最中にどうやって呼吸を確保するか、だね。カナデ、『神界書庫』に水中呼吸とかの魔法はある?」
「あるにはあるけど、あれは水中にしか適用されないんだよね。今回は『塵埃』だから、システムが環境を『水中』と認識してくれないと思う」
カナデの言葉にサリーがうーん、と唸り声をあげる。魔法でが効かないとなると、手段は限られてくる。
そこで、今まで黙ってメモを取っていたイズが、自信ありげにパチンと指を鳴らした。
「――それなら、私の出番ね!」
全員の視線が、頼れる生産職のイズに集まる。
「魔法がダメなら、アイテムで解決すればいいのよ。防毒・濾過機能を持たせた『特製ガスマスク』。これなら、あの火山灰をシャットアウトして【窒息】のバッドステータスを防げると思うわ」
「本当ですか、イズさん!」
マイとユイが目を輝かせる。
「ええ。ただ、あのウェザエモンの激しい灰だし、フィルターが一瞬で目詰まりを起こしちゃうの。だから、あえて高級なレア素材を使うのはやめて、安価な汎用素材でフィルターの使い捨て構造にするわ。これなら短時間で大量に作れるから一人あたり5個は配れるわよ!」
「一人5個……! それなら、あの灰吹雪が何度来ても、壊れるたびに付け替えれば余裕で耐えきれるね!」
「さすがイズさん!じゃあ次はそれで行こう。次に、『時雨』の対策だけど……メイプル、今回はあえてメインの大盾を外して、壊されてもいいレプリカの大盾を何枚か持って。盾が壊されている時間は、装備に頼らない【機械神】や【暴虐】のスキル形態で耐える。これで行こう」
「うん、わかった! 壊されてもいい盾なら、思いっきり前に出られるよ!」
「クロムさんは【麻痺無効】があるから、あの青い雷(雷鐘)のターゲットを積極的に引き受けて。危なくなったら『精霊の光』の10秒無敵で。メイプルは『念力』を使って、後衛のマイとユイをいつでもシロップに乗せて退避させられるように意識してね」
「おう、任せとけ!」
「シロップと一緒に頑張るね!」
全滅の絶望から、わずか数十分。
【楓の木】は、それぞれのスキルと知識、そして技術を噛み合わせ「ウェザエモン包囲網」を作り上げてみせた。
「……よし。運営さん、手札はそれだけじゃないよね? 3回目、行こう!」
サリーの不敵な笑みと共に、クランメンバー全員が再び立ち上がった。
ウェザエモン討伐後に他のユニークモンスター編もやる?
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“深淵”のクターニッド
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“夜襲”のリュカオーン(分け身だけ)
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“天覇”のジークブルム
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“冥響”のオルケストラ
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この小説は短編小説なんだよ!(要らない)