モンスターハンター~アドバンス・ロード~   作:榛野 春音

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どうも榛野春音です!
モンハン4G発売を記念してこの作品を書こうと考えました。不定期更新ではありますがどうかよろしくです!!

それでは、本編スタートです!!


Prologue

 

 

 

その者は待つ。

どこまでも続く荒野の先で。

誰知らぬ名も無きその者は、孤独を噛み締めるようにそっと瞳を閉じる。

荒れ狂う天を裂き、唸る大地すらも凌駕せしその強靭な精神と肉体が生んだのは、孤高という名の罪だった。

 

その者は待つ。

気の遠くなる程の時の先で。

その者は、聞いた。

時代を揺るがす新たなる覇者となりし者の産声を。遥か彼方、まだ見ぬどこか遠くの地で生まれた時代の灯火の音を聞いたのだ。

そして、ゆっくりと瞳を開けた。

その二つの瞳は、大海よりも深い蒼。

 

その者は待つ。

いつか、そう遠くない未来。

己を超える者が現れることを。

自身が罪から解き放たれる時を。

 

そして、その者は願う。

己を超えた者が背負うのが、罪では無く・・・・・・

 

 

希望であることを。

 

 

 

MonsterHunter

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初秋の風が頬を撫でる。

悪くない季節になった。

 

村へと続く道を落ち葉を踏み締めながら、ゆったりと歩く。

 

少女ハンターの舞星リルルは、口元を押さえて控えめな欠伸を漏らした。

 

「姉御~。そろそろ休憩したいニャ~」

そう言ってリルルの裾を引くのは、茶色く艶のある毛並みを持つアイルーだった。

それを聞いて、リルルはクスリと笑う。

「もう少しだから頑張ってアニム。それにさっき休んだばかりでしょ?」

「うへ~ぃ。頑張るニャ」

残念そうに耳をしおらせるアニムの頭をリルルは優しく撫でてやる。

 

舞星リルルは、旅人ハンターだった。拠点を持たず、仕事を求めて世界中を旅しているのだ。

リルルの装備は、非常にサッパリとした着物風の防具と一本の太刀だけだ。

一応、後ろに引く荷車にはヘビィボウガンが一丁積んであるが、基本的な装備はそれだけだった。

しかし、こなした仕事はなかなかだった。

リルルのハンター登録証にはGのマークがついているのが、何よりの証拠だ。

 

リルルは、腰まである長い髪を肩のところでサッと払う。

そして、いつの間にか足下で倒れているアニムをそっと抱き上げるとゆっくりとその旅路を進めたのだった。

 

目的地は、雪山地帯にあるポッケ村。

 

そろそろ雪山に入る故、リルルは荷車からコートを取り出して羽織った。

「アニム今回はなかなかの大物を狩りに行くわよ?」

「大物と言うと、古竜種辺りかニャ?」

すると、リルルはそっと微笑んで頷いた。

 

そして、

「えぇ。今回の獲物は・・・・ラオシャンロンよ」

 

 

 

×××

 

 

 

ポッケ村に着いたリルルは、入り口に立つ男にハンター章を見せ、入村する。

そして、まず村長に会い挨拶を済ませる。

ポッケ村の村長は、腰の曲がった優しそうな老婆だが、若かかりし日の武勇伝は有名だ。

リルルもいつかは見てみたい。いや、狩ってみたいと考えるウカムルバスを氷湖に封印したのは、紛れもなくこの老婆なのだから。

しかし、知名度だけならリルルも負けてはいない。

[星崩姫]。それがリルルの異名だ。

17歳の若い少女ハンターがその名を持つのは、その血筋と太刀を扱う天才的技術が理由だ。

リルルは、竜殺しを専門とする対竜一族[龍人]の末裔なのだ。

[龍人]の力は、対竜戦では尚のこと他戦においても圧倒的な火力を見せる故、なろうとし修行に励んだ者は数多だが、一族の者以外は誰一人としてなることが叶わなかった伝説の一族である。

しかし、今は世に散り散りになり廃れつつあると言われている希少一族でもある。

リルルの戦い方は、その火力と太刀技術と正確さから、星すら崩すと畏怖され[星崩姫]と呼ばれるようになったのだ。

 

村長と少し雑談をした後、リルルは宿に向かった。

 

宿は、こざっぱりしてはいるものの荷車の荷を置いておくには申し分ない広さだった。

「姉御~。聞いてきたニャ」

荷物の整理をしていると、アニムが戻って来た。

先ほどまで、集会所の方にお使いさせに行かせていたのだ。

「ありがとう。お疲れ様。・・・・で?どうだった?」

「んニャ!ラオシャンロン討伐パーティーに参加する人は、明日の昼に集会所集合らしいニャ!契約金は一人15000zニャ」

「そう・・・・ちなみにここの集会所、雰囲気はどうだった?」

そう言われて、アニムは少し考える。

「結構マッタリとしてたニャ。ガツガツしてる連中が少ない感じニャ。でも、みんなかなり鍛えてる感じに見えたニャ!あとニャ・・・・・・」

「あと?」

「みんな姉御のこと噂してたニャ!実力の話ももちろんだけど、姉御の美貌についての話も絶えなかったニャ。早く星崩姫ちゃんに会いたいとか言ってたヤツもいたニャ」

「あぁ・・・・そう。そうなんだ。あははは・・・・」

リルルは、思わず苦笑いを浮かべる。

 

確かにリルルの美貌は、すれ違い様に思わず振り返るくらいに美しい。

しかし、リルル自身はあまり気にしていない為か、いざそうやって言われるとどう反応すれば良いのか困ってしまうのだ。

「はぁ。まぁいいわ。それよりさ。アニム。ポッケ農場に行ってみない?どうせ今日は残りの時間暇なのよ。ね?」

「お魚釣れるかニャ?」

「どうかしらね?それでどうするの?行く?行かない?」

「行くニャ!」

アニムの元気な返事を聞いて、リルルは頷く。

そして、アニムを抱き上げると、楽しげな足取りでポッケ農場へと出かけたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

彼方の大地。

 

巨大な古竜は、悠々とその地を踏みしめて歩く。

何故行くのか、

そこに嘗ての問いがあり嘗ての答がある故。

人族は、傲慢だ。

自らが生ける為に障害となりしものを全てを排除し、虐げる。

人族が狩りをし、それを食すと同じく、我らもその為に刃を振るう。

しかし、人族はそれを良しとしない。

人族には人族なりに守るべきものがある。それは重々承知だ。それでも、それが他の種族の守るべきものを奪う理由にはならない。

 

今一度、問いただし誠の答を知る必要がある。

 

人族は、時を経て変わったのか。

それとも、あの時よりも愚かなのか。

 

 

古竜ラオシャンロンは、ゆっくりと頭をもたげた。

彼方に嘗て竜と人がその運命を決める戦いが行われた場所が見えた。

そこには、人間の築いた巨大な城壁がある。

 

この度、対峙する人間は如何なるものか・・・・

 

どこからか、期待の感情が湧いてくる己の心は、まだ人族に傾いている。

そう知っていて、あえて古竜は歩を進めた。

 

 

それはまるで、死に場所を探す古戦士のようであった。

 

 

 

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