デカデカの実を求めて!   作:ナットーごはん

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ほのぼの(?)

 そんなこんなでシャッキー'S ぼったくりBARに新たにエスネという仲間を加えての、俺のシャボンディ諸島での本格的な暮らしは始まった。

 ……とは言っても、やってる事は2年間タダ働きしてた時とあんまり変わらない。

 

 店の掃除、買い出し、花壇の手入れ、可愛がられ、入ってきた客をボコボコにしてのぼったくり。

 色々シャッキーに教わりながらやってるので、2年前と比べたら、結構スムーズにぼったくれるようになったと思う。

 

 そしてエスネも店の手伝いを色々頑張ってくれている。

 店の掃除、料理、接客、可愛がられ、入ってきた客をボコボコにしてのボッタクリ……は出来ないから、ボコボコタイム中は主に店の奥で隠れている。

 

 

 

「お兄さん……寒くないですか?」

「いや、別に。むしろ暑いくらいかな」

「分かりました。じゃあ抱き着いて温めますね」ギュウ〜

「待てエスネ! 会話になってないぞこれ!」

 

 俺は店の一室を貸してもらい、そこで寝泊まりしているのだが、エスネは現在、俺と同室で暮らしている。

 小人である俺にとって、人間サイズの1部屋は大き過ぎだったので、一緒の部屋なのは全然いいのだが……基本的に部屋の中ではエスネは俺にベッタリだった。

 

「お兄さん、どこに行くんです?」

「トイレだよ」

「分かりました。行きましょう」

「いや来んなよ!? トイレくらい流石に一人でさせてくれ!?」

「み、見ちゃわないように、目は瞑っておきますから……!」

「そゆ問題じゃないのよ!」

 

 寂し過ぎるとウサギは死ぬ。それは迷信だって聞いた事があるんだけど……

 エスネの場合、マジでそれなんじゃないかって思わされる。一人ぼっちになったら、そのまま死んでしまうんじゃないかって危うさがある。

 

「お兄さん……今日も一緒に寝ても……いいですか?」

「……いいよ」

 

 夜になると、獣型になったエスネが俺の布団に潜り込んでくる。

 ウサギになると大きさが俺とほとんど同じになるからこそ出来る芸当だな。

 

「う、うぅ……ぐす……お父さん……お母さん……」

 

 そしてエスネはよく夜泣きをした。

 

 まあ……目の前で両親があんなふうに殺されたんだ……無理もない。

 俺に出来る事は、しくしく泣き寝るエスネの頭を撫で続ける事くらいだった……

 

 この子の心の傷が、早いこと癒やされてくれたら、いいんだけど……

 

 

 

「ライン! エスネ! 今日はバーベキューをするぞ! シャッキー、酒の準備だ!」

「はいはい。それじゃあエスネちゃん、準備手伝ってもらっていい? ラインちゃんは買い出しね、お肉を100キロ程買って来て」

 

 本格的にこの店で暮らすようになってから、レイさんもシャッキーも、俺とエスネを本格的にファミリー扱いしてくるようになった。

 休みの日は四人でキャンプしたり、釣りに出かけたり、シャボンディパークで1日中遊んだり……

 誰かの誕生日にはケーキやプレゼントでお祝いしたりもした。

 

「エスネ! ハッピーバースデー! これは俺からのプレゼント、花で作ったイヤリングだ!」

「綺麗……ありがとうございます、お兄さん」

「いいって事よ! 妹の面倒を見るのは、兄貴の義務だからな」

「妹……」

「そ。お前はもう俺の妹だ、エスネ。何があっても兄ちゃんが守ってやるからな!」

「うん……」

 

 いつしかエスネの夜泣き癖は無くなり、四六時中俺にベッタリの依存体質も改善し、自然な笑顔で笑うようになっていった。

 本当に良かったと思う。

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで、エスネを加えてのシャッキー'S ぼったくりBAR暮らしも、実に6年ばかりが経過した。

 合計すると俺はシャボンディ諸島に8年も暮らしている事となる。もはや第二の故郷と言っても差し支えないだろう。

 エスネは18歳、俺は23歳となっていた。

 

 ……この6年で俺の身長は1ミリたりとも伸びていないのに、エスネはすっかり魅惑のボディへと変貌してしまった。

 身長166cm。スリーサイズは96、55、83、だってさ。聞いてもないのに教えてくれた。ちょっと興奮した。

 前から思ってたけど、この世界の女の人って巨乳率めちゃくちゃ高いよな。いや、俺としてはすんごい嬉しいんだけどさ。

 

「さーて、今日も花壇の手入れをするとしますか。おー、おー、育てよ花たち〜♪ おー♪ トンタッタ〜は〜植物の手入れが〜世界一ィ♪」

 

 今日も今日とて店先に植えた花々に、鼻歌交じりに水と特製肥料を撒いていく俺。

 シャッキーの店の外観も、ここ数年ですっかり変貌してしまったな。花にまみれてすっかり綺麗。ぼったくりBARとしての雰囲気はぶち壊しだけど、まあシャッキーとエスネは喜んでたからいいか……

 

 億超えのお尋ね者になってしまった時は、どうしたものかと悩んだりもしたけど、案外のんびりした暮らしは出来るものである。

 

「ん〜、今日も平和だな〜」

 

 ……そのセリフが、もしかしたらフラグだったのかもしれない……

 

 

 突然、ニュルニュルニュルと音がして、なんだと思って振り返ってみると……

 そこには、つんつるてんの頭、青々としたヒゲの剃り跡、ぶくぶくに太った体、たくさんの触手が生えた下半身……

 まあ要するに……バケモノがいた。

 

「見つけた! 貴方がラインちゃんねぇ〜ん!」

「ヒィッ!?」

 

 あまりにもインパクトの強過ぎる見た目のせいで、反応が遅れた。一瞬の隙をつかれ、俺はバケモノの触手に全身をグルリと絡め取られてしまった。

 

「うわあぁあ!? は、はな、離せぇ! なんだお前!? 賞金稼ぎか!?」

「賞金稼ぎじゃないわよぉん! 私の名前はロズオ。ホタルイカの人魚よ。よろしくねん♡」

 

 語尾にハートを付けるんじゃねぇよ!

 デブでハゲでオカマのイカ人魚なんて属性盛り過ぎだろ! どれか一つにしろよ!

 

「ああんっ! 自己紹介なんてしてる場合じゃなかったわん! それよりも大変なのよラインちゃん!」

「アンタの存在より大変な事なんてそうそう無いと思うけど……」

「エスネちゃんがね、天竜人に攫われちゃったのん! マリージョアまで!」

「!!?」

 

 

 

 6年前、エスネを妻にするとのたまっていた、あのロリコン天竜人……

 奴を完璧に仕留めきれていなかった事を……

 俺は、後々後悔する事となる……

 

 

 

 




主要となるオリキャラはこれ以上はもう増えません。たぶん。

次話、エスネ視点。
覚悟しときぃやぁ……!
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