デカデカの実を求めて!   作:ナットーごはん

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麦わライン

「ライン! おれの仲間になれ!」

「ならねぇっての!」

「ならねぇっじゃねぇ! やろう! 楽しいから! 海賊!」

「しつこい!」

 

 何故だか麦わらのルフィに気に入られてしまった俺。

 なんだこいつ。断ってんのにめちゃくちゃ食い下がってくるんだけど……

 

「……なんでそんなに俺を仲間に入れたがるんだよ……」

「ししし! お前面白いじゃん! 海賊も面白いから一緒にやろう!」

「理由になってねぇ!?」

 

 こいつ、海賊を自由な冒険家かなんかと勘違いしてるんじゃねぇか?

 

「麦わらよ、まず大前提として、海賊は犯罪なんだ。面白いから犯罪者になろうって誘われて、なる奴はいないだろ?」

「チョッパー、お前いつの間にわたあめ食ってんだ?」

「聞けぇえーーッ!!」

 

 俺の話を無視して、仲間のタヌキ……チョッパーとやらに目を向けている麦わら。

 ……っていうか、チョッパーにわたあめあげてるのシャッキーだし。も〜、この人、可愛いもの好きなんだから!

 

「オバハンなんでチョッパーの好物知ってんだ?」

「ふふ、きみ達、モンキーちゃん一味でしょ?」

「おれの事知ってんのか?」

「勿論よ。話題の一味だもの。私は情報通だし」

 

 推しの海賊と話せて、どことなく機嫌が良さそうなシャッキー。

 はぁ〜、やれやれ……

 

「私の情報網によると、モンキーちゃん一味が上陸した事で、現在このシャボンディ諸島には……11人の“億”を越える海賊達がいるわ」

 

 そんなにー!? と驚きの声をあげてるチョッパー。うん。俺も初耳。マジかよ。

 シャッキーが言うには、偉大なる航路(グランドライン)を駆け抜けてきたルーキー海賊達が今、新世界に入る為にシャボンディ諸島に集まりまくってんだって。

 ……つまり、そいつらと俺の出港予定日、思いっきり被っちゃってんのか……

 

「ちなみにモンキーちゃん。あなた、懸賞金はいくら?」

「3億」

「集まったルーキー達の中で、懸賞金だけでいうならキミはNo.2よ。No.1は、3億1500万ベリーの“キャプテン”キッド……あらあら、負けちゃったわね……」

「!!」

 

 ルフィより上がいんのかー!? と驚きの声をあげるチョッパー。ルフィはなんとなくムッとした表情。見たまんま負けず嫌いだな、こいつ。

 そんな風に思ってたら、シャッキーがチラリと俺に視線を向けてきた。

 

「うふふ、ちなみにうちのラインちゃんは……そんなルーキー達を全員押し退けての、4億8000万ベリーの賞金首。すごいでしょ」

「「「「ええーーッ!!?」」」」

「何故バラす!? シャッキー!!?」

 

 賞金額でマウント取らないでくれよ!

 全然名誉な事じゃないからそれ!

 

「なんだよライン! お前賞金首だったのか。ならいいじゃん海賊やろう!」

「や ら ねっ て の!」

「お前の方が今は懸賞金上でも船長はおれだからな!」

「やーらーなーいー!」

「ウホー!? 飛べんのか!? 面白れェ! やっぱお前おれの仲間になれ!」

 

 しつこく食い下がる麦わらに、しっぽコプターで飛び上がって文字通り上から目線で指を突きつける。

 ……が、逆効果。

 こいつ、俺の事を仲間にしたい理由、絶対俺が珍生物だからだろ。お前の仲間のレパートリー見てたら分かったわ……

 

 

 麦わら達がうちの店に来た理由、それは新世界に行く為のシャボンコーティングをレイさんに頼みにきたからなんだって。

 腕のいい職人がいるからと、ハチに案内されて来たんだと……

 

「あー……でも、どっちにしろ今はレイさんいないぞ」

「なんでだ?」

「先客(俺)がいるから。2〜3日はかかるってさ」

「そっか。じゃあ待つしかねェな」

 

 そう言って麦わらはまた冷蔵庫を漁りだした……

 

「って、待て待て待て! うちの食料食い尽くす気かお前は!? 待つなら別のとこ行ってろ!」

「もが、もぐもぐもぐ! もごこが、もぐもぐ」

「何言ってっか分かんねぇよ! そだな……お前らシャボンディ諸島に来たばっかりだったらシャボンディパークにでも行ってこい! 楽しい遊園地! 暇潰しにはもってこいだから!」

「むぅふぇんひ!!」

「飲み込んでから喋れ……ん?」

 

 麦わらの腕がグイーンと伸びてきて、ハチ(魚人)、ケイミー(人魚)、パッパグ(ヒトデ)、チョッパー(タヌキ)、ブルック(ガイコツ)……そして俺(小人)を捕まえてきた。

 ……え? 何この手? 俺は思わず隣にいたエスネの服の袖をガシッと掴んだ。

 

「よーし! それじゃあ行こう! 遊園地ーーッ!!」

「「「「えーーッ!!?」」」」

 

 そのまま店の外へと勢い良く飛び出していく麦わら。

 いや待て、なんで俺まで連れてかれる流れになってんだこれー!?

 

「お兄さ……ひゃああーーッ!?」

 

 あとエスネ、道連れにしてごめん。

 

 背後から、行ってらっしゃいというシャッキーの声が聞こえた気がした。

 

 

 

 

 ……

 

 

 

 

 32、33、34番GR(グローブ)に存在する巨大な遊園地、シャボンディパークは、シャボンディ諸島で最も有名な観光スポットであると言っても過言ではないだろう。

 

 麦わらのルフィによって、そんな場所に無理やり連れて来られた俺達は、今……

 

「いやっほ〜〜い!!!」

「ふっへへ〜〜いッ!!!」

「きゃーー!!!」

「あ゛あ゛あ゛あ゛ーーッ!!!」

 

 めっっちゃくちゃ楽しんでいた。

 

「やっぱジェットコースターは最高だな! 次あれ乗ろうぜ!」

「よーし! 行こう行こうー!」

「ヨホホ! 私、一回ベンチで休んでます。オエ……」

 

 メリーゴーランドで遊んだり、フリーフォールで叫んだり、コーヒーカップで回し過ぎたり、ゴンドラに揺られたり……

 うんうん。やっぱ遊園地って何度来ても楽しいな。

 

 特にケイミー、パッパグ、ハチのはしゃぎっぷりは見ているこっちまで笑顔になってしまう程であった。

 観覧車に乗った時なんてケイミー、感動のあまり泣いてしまっていた。

 魚人や人魚は昔からシャボンディパークに憧れてるんだって。

 

 そうして数時間、皆で遊んでいたら、エスネがちょいちょいと肩をつついてきた。

 

「ん? どした、エスネ」

「あの……お兄さん……えっと、その……」

「?」

「もう一回、観覧車……乗りませんか? こ、今度は……二人だけで……」

「いいよ。おーいルフィ! 俺とエスネ、もっかい観覧車乗ってくるから」

「分かった〜!」

 

 ルフィ達が売店のアイスに夢中になってる間に、俺達は観覧車へと乗り込んだ。

 

「そんで、エスネ。どうかした?」

「…………いえ、ただ……もしかしたらこれがお兄さんと過ごせる、最後の遊園地かもって思ったから……ちょっとだけでも二人きりになりたくて……その、思い出づくり……」

「……」

 

 まあ兄代わりの俺が、どっか別の島に行っちゃうってなると、そりゃあセンチメンタルにもなるか……

 この世界には飛行機とか無いから、気軽に別の島に遊びに行くなんて普通は出来ない。

 もしかしたら一生の別れになるかもと、エスネはきっと思ってんだろな。

 

「……お兄さん……どうしても、ついて行ったらダメですか……?」

「……」

「私、お兄さんと離れたくないんです……」

「……」

「お兄さん……」

「ん〜!! このブラコンめ!!」

「ふみゅうう!?」

 

 エスネのほっぺたをむにゅむにゅくすぐる。

 

「今回、俺は故郷であるドレスローザがどうなってるかを、確認しに戻るだけだ。大丈夫って分かったらすぐにまたデカデカの実探しの旅に戻る。そんな予定だ!」

「はい……」

「そしたらまた……シャボンディにも寄ってやるから、お前さえ良ければそん時船に乗せてやるよ」

「!! ホントですか!?」

「ああ。俺のデカデカの実探しの旅、手伝ってくれるか?」

「はい! 勿論です!」

「ふへへ、なら、それまで良い子で待ってろ。俺は必ず無事にお前の元へと戻るから」

「〜♡」

 

 よしよしと頭を撫でた所で、観覧車はグルッと一周しきった。

 

 

 観覧車から降りると、ルフィ達の姿はなく……そこにいたのはオロオロしているチョッパーとベンチに座っているブルックの二人だけだった。

 

「おろ? 二人だけ?」

「麦わらさんや、人魚さん達はどうしたんです?」

「あ……っ! ライン! エスネ〜! ケイミーが! ケイミーがぁ……!」

「?」

 

 泣きながらトテトテと俺達の元に走ってくるチョッパー。可愛いな。

 

「どしたぁ。アイス食べてたんじゃなかったか? 腹でも壊し……」

「ケイミーが攫われたァ……!!」

「……は?」

「あ、アイス選んでたらいつの間にかケイミーいなくなってて……それで、サンジに電話したら、ここで待機してろって言われて、でもルフィ達は飛び出して行っちゃって……! このままじゃケイミーが奴隷にされちまうよォ……!」

「!!」

 

 そういやうっかりしてた……

 普通に楽しんでたけど、人魚って種族は奴隷としては最も価値の高い種族……人攫いにとっては絶好のカモ……

 ロズオという人魚がうちの店に頻繁に遊びに来てるから忘れがちだが、人魚が陸上に上がってくる事は本来物凄く危険な行為なのだ。

 つかロズオも元奴隷だったか。

 

(……ケイミーが攫われたのは、俺がルフィにシャボンディパークへ行くように提案したから……つまり、俺の責任だ……!!)

 

 ギリッと奥歯を噛み締める。

 

「エスネ!」

「は、はい! お兄さん!」

「お前、52番GR(グローブ)へ行ってレイさん呼んで来い!」

「わ、分かりました!」

「チョッパーとブルックは仲間にここで待機してろって言われたんならこのまま動かない方がいい!」

「ラインは……?」

「俺はちょいと手当たりしだいの人間屋(ヒューマンショップ)でケイミー探してくる」

「ひ、一人でか!?」

「ふへへっ、この島はもう俺にとっちゃ庭みたいなもんだから心配は無用。てな訳でちょいと行ってくる!」

 

 ドヒュンッと音を置き去りにして、俺はシャボンディパークを飛び出したのだった。

 

 

 ……

 

 

「さて……手当たりしだい探し回ると言ったものの、どこから探すか……」

 

 胸糞悪い事に、この島には結構な数あるのだ。奴隷市場こと人間屋(ヒューマンショップ)……

 慣れ親しんだエスネの気配なら、見聞色を使って探し当てるという方法もあるが、会ったばかりのケイミーではそれも使えない。

 とりあえず、頭から潰していけば分かりやすいかと、まず最初に1番GR(グローブ)にある人間屋(ヒューマンショップ)へとやって来た俺。

 誰にも見つからないように、こそこそ店の中を走り回っていると……

 

「ビンゴ……! いきなりケイミー発見」

 

 そこには檻の中に閉じ込められ、爆弾首輪を取り付けられたケイミーの姿があった。

 あちゃ〜、既に首輪ハメられてっかぁ……

 鉄格子だけなら俺の握力で捻じ曲げてやれるんだけど、首輪となると話は別だ。あれは鍵で開けるしかない。無理に外そうとすると爆発する。

 

「レイさんなら上手いこと外せるんだろけど、俺の武装色じゃまだそこまで器用な事は出来ないからなぁ……」

 

 とりあえず鉄格子の隙間から普通に檻の中に入り、ケイミーの前へと降り立つ。

 

「よっ!」

「!? ら、ラインちん!?」

「シーッ! もっと声小さく」

「あ、ごめん……」

「とりま俺が一番乗りだけど、ルフィやハチもお前の事、血眼になって探し回ってるから安心しろ。必ず助かる」

「はっちんが!? 来てくれるの!?」

 

 ぽおっと頬を染めるケイミー。

 

「…………え? ケイミーとハチって、そういう関係?」

「え〜〜っ!? そ、そんな……私はまだ、は、はっちんのお嫁さんじゃあ……」

 

 顔を真っ赤にさせて、もじもじもじ……

 なんだろ……

 唐突に助けたくなくなってきた。いや、助けるけど……

 そうか、ハチ……あんな顔なのにモテるのか……

 やはり身長が高いから……!! お゛の゛れ゛……!! 俺だってデカデカの実さえ食えれば……!!

 

「ラインちん?」

「ん゛ん゛っ、思考が飛んでた。とりあえずケイミー、俺はお前の首輪の鍵を探してくる。それまでちょいと待っててくれ」

「うん。ありがとうラインちん、助けにきてくれて!」

「……そういうのは本当に助かってから言ってくれ。ふへへっ」

 

 檻から出て、ダッと駆け出す。

 この人間屋(ヒューマンショップ)のどこかに首輪の鍵がある。まずはそれを見つける事だ!

 

 

 

 

 




原作でルフィはケイミーに人魚ってウンコ出んのか? って聞いてたけど……
そんな事よりも僕は、人魚の子作り事情が気になります! 卵なの? それともおっぱいついてるから哺乳類なの? ケイミーちゃん答えてくれないかな……
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