デカデカの実を求めて!   作:ナットーごはん

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とばされてあいらん……女ヶ島

 空を自由に飛びたいと思った時、未来の世界のネコ型ロボットなら、きっとタケコプターを出してくれるだろう。

 しかし未来の世界のクマ型ロボットは、どうやら肉球ビンタで空を飛ばしてくれる模様。全然嬉しくない。

 

「ちきしょーー!! みんなどこに消えたんだよーー!!」

 

 ルフィの悲痛な叫び声が、大空へと響き渡る。

 

 ……はい。現在の状況を説明しますと、俺は今、ルフィと共に空を飛んでいます。いつものしっぽコプターで飛んでいる訳ではございません。

 クマえもんにされた肉球ビンタのせいでぶっ飛ばされてる真っ最中なのでございます。

 

 どうやらあの肉球にはバシルーラの効果があった模様。

 おかげで黄猿との戦いからは逃げ出せたんだけど、助かったとは言い難い状況……だよなこれ……

 

「あのくまみたいな七武海!! 許さねぇ!!」

「耳元でうるさいよ、一回落ち着けルフィ」

「落ち着いていられるか! 仲間を消されたんだぞ!!」

 

 自分が飛ばされてしまった事よりも、まず仲間の心配か……

 その考え自体は好感が持てるが、とりあえずは自分達の助かる方法を優先的に考えなければと俺は思うのだ。

 

「俺達がこうして飛ばされてるって事は、ルフィの仲間達もきっと同じように飛ばされたんだろ。ならきっと生きてる! 大丈夫だ」

「そっか……そうだよな! あいつらが簡単に死ぬ訳ねェ!」

「レッツポジティブシンキング」

 

 さて、元気付けに成功したはいいが、俺達はこれからどうすればいいのだろう?

 現状はただ飛んでるだけ……いや、飛ばされてるだけ。一体いつまで飛び続けるのか。流石に永遠て事はないだろうけど……う〜む……

 眼下に広がっているのは大海原。陸地はどこにも見えない。

 

 

 ……

 

 

 何時間も飛んでるだけだと流石に暇である。

 特にやる事もないので、俺達はお喋りして時間を潰す事にした。

 

「へ〜、じゃあそのバラティエってレストランに砲弾ぶち込んで、1年雑用させられる事になったのか」

「ああ、でもクリームって海賊団ぶっ飛ばしたら辞めさせてもらえたんだ」

「マジかよ……俺なんてたった一回の食い逃げで2年間もタダ働きさせられたってのに……」

 

 ルフィのこれまでの冒険談を聞かせてもらったり……

 

「ラインの父ちゃんは海賊王の副船長なんだよな」

「まあ……義理だけどな」

「おれの兄ちゃん、エースっていうんだけど。エースは海賊王、ゴールド・ロジャーの息子なんだ」

「はああぁああッ!? 何そのいきなりのぶっ飛び情報!?」

「これ言うとエース怒るんだけどな」

「え? あ!? じゃあルフィも海賊王の息子……?」

「いや。おれとエースは父ちゃん違うぞ」

「?? あ、義兄弟って事か。……俺とエスネみたいなもんか」

 

 ルフィの義理の兄について聞かせてもらったり……

 

「ルフィ、お前デカデカの実って知ってるか?」

「いや」

「食うとその名の通りデカくなれる悪魔の実なんだって。俺はそれを探して故郷から旅に出たんだ。デカい男になるのが俺の夢なんだよ!」

「デカくなってどうするんだ?」

「そりゃあお前……可愛くておっぱいおっきい女の子と、恋愛して、イチャイチャして、えちえちする為さ! ふへへへ〜♡」

「ほ〜ん」

「鼻ほじるな!! そういうお前には夢あんのかよ!?」

「ししし! おれの夢は……海賊王になることだ!」

「ふ〜ん」

「耳ほじるな!!」

 

 お互いの夢について話し合ったり……

 

 そんなこんなで太陽が落ちていき、夜になって、飛びながら眠って、目を覚ます頃……

 

「ルフィ! 島だ! 島が見えてきたぞ!」

「ホントか! ライン!」

 

 地平線の彼方に、ち○ぽみたいな形をした島を発見した。

 島が見えてきたと同時にがくんと高度が落ちてきたので、どうやら俺達はあの島に向かって飛ばされてる模様。

 そして数十秒後……

 

「「ふげっ!?」」

 

 地面に肉球みたいな跡を残し、俺達はとうとう陸地へと着陸する事が出来たのだった。

 

「あ〜、ようやく飛ばされ終わった……」

「どこだここ? ハラへった……サンジメシ〜!!」

「サンジはいねぇよ」

「そうだった……にしてもハラへったァ……」

「確かにぃ〜……」

 

 見渡す限りはジャングル。ここは一体何て名前の島なんだろう?

 とりあえずシャボンディやドレスローザでない事だけは確かである。

 

「グルルルル……」

 

「「ん?」」

 

 どこからともなく獣の唸り声が……振り返って見てみると、そこには体長10メートル以上はありそうなクソデカイノシシが俺達を睨みつけていた。

 それを見て、ルフィが吠えた。

 

「メシィイ〜〜!!!」

 

 ああ、うん。イノシシさん、ご愁傷さまです。

 ゴムゴムのピストルとかいう、伸びるストレートパンチでデカイノシシを伸してしまったルフィ。

 せっかくだからいただきましょうか。ちょうど俺、マッチ持ってるし。

 枯れ葉、枯れ枝を集めて焚き火をおこす。イノシシ肉って美味しいのかな?

 

 

 ……

 

 

「は〜、食った食った」

「すげぇなルフィ……あの巨大イノシシ、ほとんど一人で食べ尽くすなんて……お前の腹どうなってんだよ」

「ラインはあんなちょっとだけしか食わねェで足りんのか?」

「まあ俺は小人だしな。2〜3口分けて貰えたら充分よ」

 

 イノシシの丸焼きを食し、一息ついたところで俺達は今後について話し合う。

 すなわちどうやってシャボンディ諸島に帰るかだ。

 

「うーん……帰るにしても、どっちに行ったらいいか分からないのが問題だ……何か道しるべ、みたいなものがあればいいんだけど……」

「道しるべか……あ! おれレイリーのおっさんのビブルカード持ってる!」

「マジでか!? でかした!」

 

 ポケットから小さな紙切れを取り出すルフィ。おお! まさに“ビブルカード”!

 ビブルカードってのは、人間の爪とか髪の毛を材料に作られる“命の紙”。

 原理はよく分からないけど、この紙切れは材料提供者の元にゆっくり向かっていく性質を持ってるんだって。昔シャッキーに教えてもらった。

 

 だから世界中のどこにいてもビブルカードさえあれば、材料提供者の元にたどり着く事が出来るという訳だ。

 ……個人情報もへったくれもないので、俺としては是非とも作りたくない逸品である。

 

「よし……あっちだ!」

 

 手の平の上にビブルカードを乗せて、カードが指し示す方向を指差すルフィ。

 なるほど、そっちの方向にレイさんがいる訳か。

 

「ビブルカードは仲間全員で貰ってたから、きっとみんなもシャボンディ諸島に向かってるはずだ!」

「オッケー! ナイス! ふへへ、思ったより絶望的状況じゃなくて良かったな」

 

 ビブルカードの導きに従って、俺達はジャングルの中を進み出した。

 これなら思ったより早く帰れそうだ。

 

 ……と、そう思っていた時代が……俺にもありました。

 

 

「おい! ライン! 見ろよ! この辺いっぱいキノコ生えてるぞ!」

「いやどこ通ってんだよ! ルフィ!」

 

 この麦わら野郎、ちょっと目を離した隙に、すぐに道を外れてしまうのだ。

 子供か? いや、子供でももうちっと落ち着きあるぞ。

 

「てかルフィ……素人があんまり野生のキノコとか触らん方がいいぞ。植物に詳しいトンタッタ族だから分かるけど、今お前が持ってるそれはワライダケ。笑いが止まらなくなる毒キノコだから、食べちゃダメ」

「バカだなラインは。こういう時だからこそ、ワライダケはいいんじゃねェか!」

「は?」

「あむっ」

「あ、おいっ!」

 

 俺の静止を振り切って、ぱくりとワライダケを食べてしまうルフィ。

 すると案の定……

 

「わっひゃっひゃっひゃ! ほら! 何もなくても楽しくなってきた! あっひゃっひゃ!」

「えぇぇ……」

「うっひゃっひゃっひゃっ! ヒー! 楽しい! ラインも食うか? あっひゃっひゃっひゃ!」

「いや……俺はいいよ……」

 

 ワライダケを食し、一人ゲラゲラ笑い転げ回るルフィ。

 こいつ、やべぇ……

 たぶん危ないお薬とか、そういうのに引っかかっちゃうタイプだ。どっかに解毒の薬草とか生えてないかな……

 ワライダケ、オコリダケ、ナキタケ、タケリタケ……

 う〜ん、毒キノコばっか。

 

「うっひゃっひゃっひゃっ! こっちにも変わったキノコがあるぞ! ぱくっ」

「え? ちょい!」

「こっちにも変なキノコ! あひゃひゃひゃ! ばくばく、もぐもぐ むしゃむしゃ!」

「うおおい!! 待て待て待て待てぇい!!」

 

 なんだこいつ? 怖いものしらずか!?

 落ちてるキノコ片っ端から食ってんじゃねえよ! さっきデカイノシシ食ったばかりなのになんだその食欲は!? 即死級の毒キノコとか生えてたらどうする──

 

「んぐぅおっ!? あ、あぶぶぶ……」

 

「あ……」

 

 さっきまでゲラゲラ笑っていたルフィが、突然青い顔してバタリと倒れた。

 ほら、言わんこっちゃない。ここまで手のかかる人間を見たのは生まれて初めてだ。

 

「え〜っと、何のキノコ食べたんだ? ルフィ……」

 

 今ルフィが握り締めてる食べかけのキノコから察するに……

 

「ヘタスリャシヌダケ……だな」

 

 このキノコを食べたものは、一瞬にして麻痺性の毒が全身に回り、へたすりゃ死ぬという。

 あまり動かさず、2〜3日ほど安静に寝かしておけば回復するが……こんなジャングルの奥深くじゃ、安静に寝させておくなんて出来る訳がない。

 

「あ〜、結構まずいな……このままじゃあへたすりゃ死ぬかも……」

 

 一体どうしたものか……

 腕を組んで悩んでいると、俺の見聞色に3人……強者の気配が引っかかった。3人はまっすぐこちらに向かってきている。

 

「人の気配……誰だ……?」

 

 とりあえずルフィをそのまま置いて、茂みへと隠れる。

 一応いつでも飛び出せるようにグッと構えておく……見聞色全開! さあ、現れるのは敵か、味方か? どっちだ──

 

「狼煙が上がってると思って来てみたら……誰? 村のコ……じゃない、死にかけてるみたいだわ」

「何があったのかしら。“一刻を争うの巻”ね」

「どうする? 村に運ぶ?」

 

 ──現れたのは、3人の女の子だった。

 

 金髪の半裸女子と……

 身長4メートルは超えてそうな高身長半裸女子……

 そしてメタボリック半裸女子。

 

 敵だったなら即座に飛び出していたところだが、見た感じ敵意は感じないので、俺は普通に茂みから飛び出した。

 

「おおい! そこのえちえち系3人娘! 助けてくれぇい!」

 

「え!? 何? どこからか声が……!?」

「声は聞こえるのに姿は見えず……“もしかして幽霊の巻”!?」

「え!? 幽霊!?」

 

「幽霊じゃねぇよ! 下だよ! 下! 見ろ!」

 

「「「下?」」」

 

 3人組の女の子は首を下に向け、そして俺を見つけた。

 

「「「小さッ!?」」」

 

「小さって言うな! ……いや、今はそんな事どうでもいいか……とりあえず、こいつ! この倒れてる奴! 俺の友達なんだ! ヘタスリャシヌダケを食べちゃって、虫の息状態なんだ……どこか休める場所を提供してください!! お願いします!!」

 

 そう言って俺はガバッと土下座した。

 我流・トンタッタコンバット・ジャパニ〜ズ土下座である。

 

「よく分からないけど……そこまで深々と頭を下げられたら“放っておくなんて出来ないの巻”ね」

「助けてくれるの!? ありがとうマツ○デラックス!」

「“○ツコデラックスって何なの巻”?」

「助けてあげる代わりに、どういった経緯でこの島に入り込んだのか……詳しい事情は話してもらうからね」

「オッケー! 分かった!」

「ねぇ、“マ○コデラックスって何なの巻”?」

 

 こうして俺とルフィは、半裸女子3人組に連れられて、このコらが住んでいるという村……というか国、アマゾン・リリーへ移動する事となった。

 

 

 ……この時の俺は、知る由もなかった。

 

 その国こそが……

 男が求めてやまない……

 桃色パラダイスであるという事を……!!!

 

 

 

 




次話、ライン先生が女ヶ島の女の子達に、『男と女』について詳しく丁寧に教えてくれるんだって〜。

………………………………大丈夫!!!!
小学校や中学校で習うような授業内容だから!! つまりセクハラではないんだよ!! 健全なんだよ!!

次話、健全。お楽しみに。
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