デカデカの実を求めて!   作:ナットーごはん

45 / 67
覇王の目覚め

 頂上戦争で一回死んだ〜とか……

 約10ヶ月もの間、気を失ってた〜とか……

 ここはオカマアイランド〜とか……

 

 イワンコフから衝撃の事実を色々と聞かされた俺であるが、正直デンスケが人間(天使)になったってのがインパクト強すぎて色々持ってかれた感がある。

 

「はぇ〜……悪魔の実を食べて、デンスケはこうなっちゃったの?」

『ジーー、このまえスナハマに流れついたグルグル模様を食べたら、こうなったの』

「デンスケガールが食べた悪魔の実は恐らくヒトヒトの実、幻獣種、モデル天使(エンジェル)で間違いないと思うわ」

 

 そっかぁ、そうなのかぁ……幻獣種って自然(ロギア)以上にレアらしいのによく見つけたなぁ……

 てかデンスケってメスだったんだね。そうとは知らずに男の子っぽい名前つけちゃってたよ。もうちっと可愛い名前つけてやった方が良かったかな?

 そんな事を考えていると……

 

「女ッ!!」

「うわっ!?」

 

 突然サンジが吠えた。

 目がハートとなり、その場でギュルンギュルン回転して、天使モードのデンスケに向かって勢い良く膝をついたのだ。

 

「ああっ! 恋よ! このオカマ(あくま)だらけの地獄において、君はまさしく天より舞い降りた天使だ……! マドモアゼル!」

 

 デンスケの手をスッと取り、キザなセリフを口にしている。

 うん……サンジよ……

 オカマだらけなこの島のせいで、めちゃくちゃ女に飢えてるって事は分かるんだけどさ……

 お前それ、口説いてる相手、電伝虫だぞ?

 

『??』

 

 当のデンスケもサンジからの口説き文句に首を傾げてるし。

 

『ジ〜〜? ……ご主人……サンジの言ってるいみ、デンスケわかんないよ』

「あ〜、つまりサンジはな、お前を女として見てるって事だ」

『?』

「つまりエロい事がしたいって事さ☆」

 

 キッパリとそう言い切ると、イワンコフにビシッと頭をはたかれた。

 いてーよ。何すんだよ。

 

『ジーー? えろいことって?』

「デンスケガール。聞かなくていいわよ」

「エロい事ってのは、おっぱい見たり、おっぱい触ったり、おっぱい吸ったりだな」

「どんだけおっぱい好きだよ!! ラインボーイ!!」

 

 うるさいな〜、オカマには分からんだろうな。おっぱいの偉大さが。

 

『おっぱいってお胸ってことだよね? サンジはデンスケのお胸が触りたいの?』

 

 そう言ってデンスケは……人間化した事で豊かに実ったその膨らみを、自らの手でたぷたぷと揺らし始めた。

 

【挿絵表示】

 

 そして爆弾発言。

 

『お胸くらいなら別に触ってもいいよ?』

「ブーーーーッ!!!」

 

 うわっ!? サンジがえげつない量の鼻血を吹いた!?

 興奮してリアルに鼻血出すやつ初めて見たわ。漫画みたい。

 

「で、デンスケガール! ストップ! ストォップ!!」

『ジ?』

 

 服をめくり上げようとしたデンスケを、イワンコフが慌てて止める。

 

「いい? 女の子にとって、お胸ってのは大切なものっチャブル」

『そうなの?』

「そう。だから本当に信頼できて、この人になら全てを捧げられるって男性にしか、おっぱいは見せちゃいけないの! それが乙女心ってやつよ! ヒーハー!」

 

 オカマキングが乙女心について熱く語ってる。なんかシュールだな。

 

『ジー。分かった! じゃあデンスケのおっぱいは、全部ご主人にあげるね!』

「へ? ……えあっ!?」

 

 ヒョイッとデンスケに拾い上げられた。そしてそのまま、俺はデンスケの胸の谷間にポイッと放り込まれる。

 で!? ええ〜〜ッ!?

 

「ふへはっ!? むごぼっ!? ちょ……!?」

『どう? ご主人。デンスケのおっぱい、うれしい? これいいの?』

 

 ふおおおおおおおーーッ!?

 ちょちょちょ待てぇえ!! おっぱいがががが!!? 柔らっ!? 良い匂っ!? ヤバイヤバイヤバイ!

 

「うおーー!! ライン!! なんて羨ましいんだお前って奴はーー!!」

 

 サンジがなんか叫んでるのが聞こえるけど、それどころじゃねー!

 

 よく考えろ。こいつはデンスケ! 電伝虫だ! つまりは虫だ!

 いくらモテないからといって、虫に性を感じるほど俺はヘンタイじゃない!

 

「ふっ、ぐ……ううう……!!」

 

 落ち着け……落ち着け俺……!

 こいつは電伝虫! こいつは電伝虫! こいつは電伝虫ィ〜〜ッ!!

 

 分かっちゃいるけど、全身を包み込むあまりの柔らかさに反応しちまう!?

 10ヶ月間溜め込まれ続けた俺の性欲が! 爆発しそうでヤバイ!?

 

「うおおおーー!? 出してデンスケッ! 早く出してッ! じゃないと出ちゃうッ! 出ないと出ちゃうからッ! 出して!」

「ジ……? ……?? でないとでちゃう? デンスケわかんない……」

「暴発しちゃいそうだって言ってんの!!」

『ジィィ……? ジィィ??』

 

 体がビキビキに凝り固まってる状態だから、デンスケの深い谷間から自力で脱出する事ができない。

 これ、もう──

 

「あ……!!」

『ジ? ご主人?」

「…………………」

『?? どうしたの? びくびく震えてるけど……』

「…………なんでもない」

 

「うわ……」

 

 うわ……じゃないよイワンコフ。何も言うな。

 なんでもないったらなんでもないのだ。……とりあえずパンツ履き替えたい。

 

 

 

 

 

 

「と、いう訳でデンスケ! お前しばらく天使モード禁止な」

『ニン』

 

 シュルルンと電伝虫モードとなるデンスケ。

 

「えーー!? なんでだライン! おれの唯一の癒やしが!」

「うるさいサンジ! このまま天使モードでいられると、俺の性癖が捻じ曲げられかねんだろ!」

 

 俺はノーマル。電伝虫相手に欲情するような変態ではないのだ。

 

「というかサンジ、そんなにオカマが嫌ならここから出ていけばいいのに」

「……そりゃあおれだってこんな島、1秒でも早くおさらばしてェが……」

「ん?」

 

 サンジがスッと新聞を取り出した。なに? 見るとそこには、デカデカとルフィの写真が写っていた。

 

「これがどうしたの? 億超え海賊なんだから、新聞に載るくらい珍しくは……」

「ルフィの腕んとこ、見てみろよ」

「うで? ……3D1Y?」

 

 写真に写るルフィの右腕。そこに3D1Yの文字が書いてあった。

 ナニコレ? 入れ墨? 前からあったっけ?

 

「それはおれたち、麦わらの一味に宛てられたメッセージだ」

「メッセージ?」

「ああ、おれたちは元々、3日後にシャボンディ諸島に集まる約束をしていた。それで3DAYS(スリーデイズ)

 

 すり〜でいず? ……アメリカ語わかんないです。

 スクールデイズなら見たことある。あれはクソだった。良い意味でも悪い意味でも。

 

「3Dがバツで、1Yに変わってる。1YEARS(ワンイヤーズ)。つまり集合は3日後じゃなくて1年後って意味だ」

「………………へ〜……?」

 

 俺、バカだから全然分かんない。

 でもまあ要するに……1年後にシャボンディ諸島で! って事なんだね。

 

「この島はオカマ(アクマ)だらけだが、この島に伝わる99のバイタルレシピは必ず仲間たちのチカラになる……」

「99の……バイタルレシピ……?」

「ああ」

 

 サンジはタバコにシュボッと火をつけた。

 

「だからおれは、1年間この島できっちり修行して、海賊王のクルーにふさわしい料理人になってやるんだ!!」

 

 おお〜、サンジかっこいい! 仲間の為に、雨にも風にもオカマにも負けない覚悟とは! 思わず拍手してしまう。

 見るとデンスケも短い腕を使ってぱちぱちと拍手していた。

 

「デンスケちゃ〜ん、できれば天使モードってやつになってから慰めてくれないかな〜?」

 

 鼻の下を伸ばしながらデンスケに詰め寄るサンジ。

 台無しだよ……

 

『ジーー』

 

 デンスケは短い腕を使ってバッテンマークを作るのだった。

 

 

 

 

 

 

 さて、俺が眠っていた10ヶ月もの間……

 ルフィをピックアップした以外の新聞記事も、当然ながらたくさん出ている。

 それらに目を通して、気になったところをまとめていこうと思う。まず第一に……

 

 ──不可視の怪盗・ライン、死亡──

 

 ……という記事。

 

 どうやら俺は完全に死んだものだと海軍の者たちには思われてるらしい。

 まあ全身モロにマグマ喰らってたもんな……誰だって死んだと思う。俺だって思う。

 

 死んだと思われたお陰で、どうやら俺の手配書は解除になったらしい。やったぜ!

 懸賞金が0ベリーになった! フッフー!

 

 ……て事は、もしも俺の存命が海軍にバレてしまったら、そん時は “10億どころじゃない懸賞金” がかけられてしまうかも……?

 ……今後は絶対に海軍に見つからないよう生きていきたいと思う。

 

 

 続いての記事は……

 

 ──火拳のエースは海賊王の息子で、麦わらのルフィは革命家ドラゴンの息子!! 二人は義兄弟だった!?──

 

 あ〜、これバレちゃったのか……

 まあバレたところで、だろうけど。そのせいかどうかは知らないけど……

 ルフィの懸賞金が4億ベリーに、エースの懸賞金は10億1000万ベリーに上がっていた。

 

 ……エース上がり過ぎじゃね?

 いや、海賊王の息子ってバレて、白ひげのクルーときたら、それくらいは妥当なのかな?

 

 

 続いて……

 

 ──海軍本部、元帥センゴク引退! 新たな元帥は大将青キジに──

 

 青キジが元帥になっとるーー!?

 元帥ってあれだろ? 海軍で一番偉い役職。それになったって、青キジ大出世じゃん!

 

 記事を見る限り、次期元帥の座をかけて、赤犬と青キジが大喧嘩したんだって。そんで勝ったのが青キジなんだと。ほぇ〜。

 マグマと氷が喧嘩したら、普通マグマの方が勝ちそうなのにな。

 

 ……まさか戦争で俺が赤犬の腕引き千切ったから、その差で赤犬が負けちゃったとか……?

 いやいや! 流石にそんな訳ねーよ! きっと万全状態で戦っても、青キジならきっと勝っていたさ。知らんけど。

 

 

 続いて……

 

 ──道化のバギーあらため、千両道化のバギー!

伝説を生きる男! 七武海に就任!──

 

 バギー、七武海になったんだ。

 これは……うん……どうでもいいかな……

 

 

 

 

 

 

 とまあ、世の中の流れはだいたいこんな感じだ。

 

「色々と様変わりしてますな。そんじゃ次は、俺たちの今後だな……」

『ジ〜〜!』

 

 これからどうするか……

 正直に言うなら、今はもう何も考えず……

 シャボンディに帰還してレイさんやシャッキーの胸に甘えてしまいたいって気持ちが強い……

 今の俺は心身ともに疲れ果ててる感があるから……

 

 だけど、そうも言ってられないよなっ!

 

 ドレスローザに帰って、ドフラミンゴをぶっ飛ばして、故郷を救わなければいけない! そうしないと、本当の意味での平穏は絶対に手に入らない。

 ドフラミンゴを倒す! これが今の俺の第一目標だ!

 

「ふへ……まあでも、その前にまずは……うぎぎぎ……! この、凝り固まった体をなんとかしないと、だよな……」

『ジーー』

 

 まともに歩く事も出来ない今の状態じゃあ、ドフラミンゴを倒すなんて夢のまた夢だ。

 リハビリして、まずは自由に動けるようになるところからだよな。

 

 そんな感じで、体の関節をコキコキさせていると……

 

「あ〜ら♡ それならアタスたちがラインちゃんの体を隅々までほぐしてあげましょうかぁ〜?♡」

 

 今まで黙って控えていたオカマたちが、突然俺の前に出てきた。……え゛?

 

「ンッふぅ♡ 今まではデンスケちゃんがずっとラインちゃんのお世話をしてて譲ってくれなかったけどぉ……♡」

「わたすたちだって、ホントはラインちゃんのお世話をしてみたかったのよぉん♡」

「小人のお世話だなんとぅぇ♡ わたす初めとぅぇ〜♡ 母性本能が刺激されちゃうぅ♡」

 

 オカマが……

 髭面、濃い顔、スネ毛ボーボーのオカマたちが……

 不気味な笑みを浮かべながら迫ってくる……

 

「は……? いや? え……なに?」

 

 思わず後ずさり……しようとしたが、今の俺は思うように動けない。

 そんな俺の肩を、サンジがポンと叩いてきた。

 

「これがここのオカマたちの習性だ。まァ、慣れるしかねェよ……」

 

 慣れたくないんですけど!?

 

「ぐふ♡ ぐふ♡ じゃあまずは、やっぱりお着替えからかしらねぇ?♡」

「ラインちゃんに似合いそうなフリフリのドレスは、実はもう用意してあるの♡」

「んどぅふふふ〜♡ ラインちゃ〜ん♡ それじゃあお着替えちまちょうね〜♡」

 

 人形用の、小さなドレスをヒラヒラさせながら、迫ってくるオカマたち。

 め、めちゃくちゃ怖い……! 大将二人に囲まれたとき以上の恐怖を感じる……!

 

『ジ、ジーーーー!!』

 

 ガバッとデンスケが俺の前に出てきてくれるも……

 

「ん〜♡ ダメよーう♡ デンスケちゃん〜♡」

「イワ様に言われて、ラインちゃんが目覚めるまではラインちゃんにスイーツドレスを着させる事は禁止されてたけど……♡」

「今はもう、その規定もなくなったわけだしぃん♡」

「ひとりじめはだ〜め♡」

 

『ジ、ジ、ジィィ〜〜……』

 

 シュルンと殻の中に閉じ篭もってしまったデンスケ。おい逃げるな!

 

「デュフフ〜♡」

「むほほ〜♡」

「オッフ〜ン♡」

 

 右を見る。濃いオカマ。左を見る。濃いオカマ。

 前も後ろもオカマオカマオカマ。

 俺はこの時、この島の恐ろしさについて、ようやく理解する事ができた。

 サンジの言う通りここは地獄だ。よくここで修行する決心したな。尊敬するよ。

 

「まずはピンクのフリフリかしらぁ♡」

「水色のミニスカも似合いそう〜♡」

「黄色のドレスもあるわよ♡」

「さあ〜お着替えの時間よぉ〜ん♡」

「だいじょ〜ぶ♡ 優しくしてあげるから♡」

「一度着たら、きっとラインちゃんも乙女の心が目覚めるから♡」

 

「目覚めたくねーよ!! ひいっ!? 助け……助けて!! イワンコフ! ボンクレー!」

 

 見ると、イワンコフはヤレヤレと首を振っているし、ボンクレーは、「大変! ラインちゃんがピンチよ! 決めた! あちし回る! んが〜はっは!」とか言って、一人楽しそうに、何の意味もなく回っていた。何やってんだお前!?

 

「ひぃいぃいい〜〜ッ!!」

 

 赤犬のマグマに焼かれた時以上にヤバめな危機を感じる。

 

 今まで何人もの女の子たちの下着を脱がせてきた俺であるが……

 脱がされそうになったのは生まれて初めての体験である。これが報い……か……

 

「んっふ〜ん♡♡」

 

 オカマたちにガシッと強く優しく押さえつけられる。ゾワワッと鳥肌が立った。

 そのまま帽子を盗られ、上着を脱がされ、ズボンを脱がされ……

 抵抗したくとも、それでも俺の体は動いてくれなくて……

 そして──

 

「アハ♡ このペンダントも外しちゃうわね♡」

「もっと可愛いルビーのペンダントがあるから♡」

「ラインちゃんにはそっちをあげる♡」

 

 俺が首からかけている、トンタッタ族との友情の証のペンダント……

 それに指をかけられ、外された、その瞬間──

 

「服はいいけど! 俺の宝(それ)には触るんじゃねェよッ!!」ヴォンッ!!!

 

 ブチリと、ちょっぴりマジギレしてしまった。

 すると……

 

「「「「ッ───!!?」」」」バタンッ

 

 俺のまわりに集まっていたオカマたちが、突然バタバタと気絶していったのである。

 ……え?

 

「い、いきなり何? こわっ!? 集団食中毒?」

 

 訳が分からず混乱していると、気絶をしなかったサンジとイワンコフが、驚愕の目で俺を見てきた。

 

「ライン、お前……それ……」

「ラインボーイ、ヴァナタまさか……」

 

「……え? なに?」

 

 

 俺、何かやっちゃいました?

 

 

 

 

 




 ラインがインペルダウンに行った事による、原作からの主な変更点。

 白ひげ: 死亡 → 生存
 エース: 死亡 → 生存
 黒ひげ: 四皇 → 投獄

 麦わらの一味: 2年の修行 → 1年の修行
 ルフィの修行相手: レイリー → エース
 ボンちゃん: 投獄 → 革命軍

 赤犬: 元帥 → 片腕、大将のまま
 青キジ: 片足、海賊堕ち → 元帥

 とある電伝虫: インペルダウンの見張り → ラインのペット、ヒトヒトの実・幻獣種・モデル天使の能力者


【挿絵表示】

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。