宴から数日後……
シャボンディ諸島に残りの麦わらメンバーがゾクゾクと集まってきた。
まずゾロが……ペローナとかいうピンク髪の美少女ちゃんに送られてきた。
うわ〜、ピンク髪だ〜! ピンクは淫乱て本当なのかな〜? と、そんな事を考えながら見ていると……
「うわっ!? なんだこいつ? か、カワイイじゃねーか!」
ペローナがいきなり俺の事を拾い上げ胸にギュム〜と抱きしめてきた。
会っていきなりおっぱいを差し出してくるとは……やはりピンクは淫乱だったらしい。
なら遠慮なくと、もみもみ揉んでやると──
「キャーーっ!? 何すんだてめェ!?」
「ぶへっ!?」
地面に思いっきり投げ捨てられた。さらにそのまま……
「ネガティブホロウ!!」
「え?」
ペローナの手のひらからオバケが出てきて、それに当たった俺は……
「…………おっぱい揉んですみません……チビに生まれてすみません……死のう……」
なんか……心が……折られた……
……
ゾロの次は、ナミ、ロビンがほとんど同じタイミングでシャボンディにやって来た。
「ん〜ナミすわァ〜ん♡ ロビンちゅわァ〜ん♡」
女子チームとの合流に、サンジがやたらめったら盛り上がっていた。ずっと会いたがってたもんね〜、良かったね〜。
分かる分かる。女子がくるとテンション上がるもんね!
ちなみにナミはこの1年間、ずっと空島にいたらしい。
…………いや、空島ってなんだよ?
この世界では空に島が浮いてんの? ドラえもんで確かそんな映画があったな〜。
『ジ〜〜、ねぇ、空島ってなに? 教えて』
「いいわよ。空島っていうのはね……」
なんかデンスケが空島についてナミに色々質問していた。
……
最後に、ブルックがそこそこ有名ミュージシャンとしてシャボンディ諸島にライブしにやって来た。……何故にライブ?
とりあえずチケットを買って、皆で一緒にライブ会場に行ってみた。
新曲『NEW WORLD』を歌うブルックに、ワーー!! っと盛り上がる会場の皆。
「きゃーー!!」
「ソウルキング〜!!」
「フゥ! フゥ!」
「フォ〜〜!!」
音楽ライブに行くのは、前世も含めて初めての経験であるが、なかなかに魂を揺さぶられる!
ルフィたちと一緒にブンブン腕を振って大盛り上がりした。オタ芸ってやつだ。サイリウムが無いのが悔やまれる。
曲が終わると、「一大発表があるんだぜ……!」と言って、麦わらの一味の復活を盛大にボーンと告げたブルック。
そのままヨホホ〜と笑いながら会場を去っていく姿は、まさにエンターティナー。ちょっとカッコイイなと思ってしまった。
……
まあ、そんなこんなで麦わらの一味は全員集合。
再集結を果たしたのだった。つまり、ルフィたちの旅立ちの日がいよいよやってきた訳である。
「それじゃあルフィ。これでお別れだな」
「ああ。……なァ、ライン。本当に海賊やらね〜のか?」
「な〜んども言ってるだろ。やらないって」
何度目かの勧誘。たぶん最後の勧誘。それを俺はきっぱりと断った。
俺には俺の夢、目的がある。
ルフィたちを見ていると、確かに海賊も面白そうだな〜と思わされたりもするが、俺が行きたい世界はそっちではない。
「海賊にはならないけど、俺とお前は友達だ! ルフィ!」
「ししし! そうだな! じゃあまたな! ライン!」
最後にガシッと握手をして、俺たちは別れる。
「出航だーー!!」
こうしてルフィたち麦わらの一味を乗せた海賊船、サウザンド・サニー号は魚人島……延いては新世界へ向けて旅立ってっいった。
魚人島を目指す船は七割沈没すると言われているが……ハチ、ケイミー、パッパグが先導してくれると言ってたから、まあ大丈夫だろう。
「ふへへ、頑張れよ。未来の海賊王」
船が見えなくなるまで、俺は手を振り続けたのだった。
・
・
・
さて、ルフィはルフィで冒険するとして……
問題は俺の今後である。
場所はシャッキー'S ぼったくりBARにある自室。
そこで俺は、エスネ、デンスケと共に作戦会議を行っていた。
「ようし! それじゃあ今後の予定について、話しておこうと思う!」
「はい! お兄さん!」
『ジーー!』
俺の夢、目標は、いぜん変わらずデッカイ男になってモテモテになる事である。
デカデカの実が食えなくなった今、その夢を叶えられる可能性は限りなく低くなってしまった……が、俺は夢を諦めたくはない!
いつの日にか必ず、デッカイ男になって、ハーレム王に俺はなるのだ!!
ふへへへへ〜!
……まあ、それはそれとして、夢を後回しにしてでもやらなくちゃいけない事が今はある。
そう。あのクソッタレドフラミンゴをぶっ倒して支配されちまった故郷を……ドレスローザを救う事だ!
その事を二人に伝えると……
「分かりました! お兄さん! それじゃあさっそくドレスローザに向かいましょう! 勿論私もついていきますからね!」
『ジーー! デンスケもついてく! ご主人の役にデンスケは立つんだ!』
そう言って二人はすくっと立ち上がった。
判断が早い!?
「まー待て二人とも。一旦座れ」
「な、なんですか? ついてくるなって言うんです? い、嫌ですよ! 何と言われてもついていきますから! もう二度とお兄さんは殺させない!」
『デンスケも! ご主人守る! 今のデンスケは空飛べるから、守れるもん! ジジジジ〜!』
ぷんすか声を上げる二人。だけどそういう意味じゃないんだよ。
「二人の気持ちは嬉しいよ。正直、ついてきてくれるっていうのは凄くありがたい」
「えへへ」
『ニヘヘ』
「だけど俺は、“今すぐ”ドレスローザに向かうつもりはないんだ」
「え?」
『ジ?』
「俺は今からみっちりと……修行期間に入ろうと思う!」
「『!!?』」
俺の発言に二人はパチパチと目を見開いた。
「しゅ、修行ですか? でもお兄さんは今でも十分強いと思いますけど……」
「そう思うか?」
「はい。レイさんも言ってました。『見聞色の使い手は世の中にごまんといるが、未来視まで使える者はそう多くはいない。それが使えるラインは凄いやつだ! 私の誇りだ! わっはっはっは!』って……」
「そ、そんな事言ってくれてたの!? レイさんが?」
「はい」
え〜、レイさん〜。そういう事はちゃんと本人に言ってくれよ〜。嬉しいじゃん。ちょっとさ〜。
「ふへへへ〜! ま、まあ確かに!? 俺の見聞色は凄いぜ? 自分でもかなりの使い手であるとは思ってる!!」
「はい! お兄さん素敵!」
『ジー! ご主人つおい!』
「ふへ、ふへへ、ふへへへ〜♪ んん゛ッ…………だけどさ、1年前の頂上戦争で、その過信がいかに危ういものだったかを、俺は思い知らされたんだ」
俺はフ〜ッと息を吐く。
「どういう事です?」
「…………見聞色は冷静でないと発動しない……それは知ってるよな?」
「はい」
「1年前の頂上戦争で、俺はドフラミンゴと対峙した」
「……はい」
「そん時、ちょいとショックな事を言われてさ……そっから先、俺はしばらく見聞色が使えなくなってしまったんだ……」
「え!?」
エスネの額から、汗がツツーっと流れた。
「そ、その……ショックな事というのは……やっぱり……ドレスローザが支配されてたっていう……」
「……………………ま、そんなところだ……」
確かにそれもショックだったけど……
でも、それより俺がショックを受けたのは、ヴィオラが死んじまったと言われた事である……
それとモネが裏切り者だったって事……精神へのダブルパンチ。
「………」
まあ、でも、それを今エスネに言う必要はないか。暗くなるだけだし……黙っとこう。
「ふう〜〜〜……」
「お、お兄さん……?」
俺はパンパンと自分の頬を叩いた。
あ〜〜〜、ダメだ。
今まで気丈に振る舞ってきたけど、改めて向き合ってみると、やっぱ辛いわ……
でも……絶望はするな! もう散々落ち込んだだろ! 今はネガティブになるタイミングじゃない! 前を向け! 俺!
「ン゛ッ! ……ま、まあそんな感じで、ショックな事を言われた俺は見聞色が乱れちまった」
「……」
「見聞色を乱された俺は、そりゃ〜もう情けなくやられたね。ドフラミンゴにはボッコボコにされて、最終的には赤犬のマグマに焼き殺されちゃった」
「……ぐっ!!」
どんなに凄い見聞色を持っていたとしても、それが使えなくなるほど精神的に追い詰められちゃったら全くの無意味だ。
俺はギリリッと握り拳を作った。
「つまり! 何が言いたいかっていうと! 俺! メンタル弱すぎ! って事だ!」
「そ、そんな事ないですよ!」
「そんな事あるんだよ。だから今回の修行で、俺は精神面を大きく鍛えなおそうかと思ったんだ!」
「?? 精神面を……ですか?」
「そう!」
俺の強みは見聞色の覇気!! ……なのに、いざという時精神が乱れて使い物にならなくなったんじゃお話にならない。
だからこそ、鍛えるならまずメンタルだ! どんなに心が乱されようとも決して乱れない不動の見聞色を……俺は身につけたいと思ったのである。
「……で、でもお兄さん……精神を鍛えるって……一体どうやって鍛えるんです?」
『ジ〜〜、デンスケたちでご主人の悪口をいっぱい言うとか?』
「ふっへっへ! そこは問題ない! 精神を鍛える為の……プロフェッショナルを呼んでおいたからな!」
「『プロフェッショナル?』」
ニヤリと笑みを浮かべ、俺は勢い良く部屋の扉を開いた。
「ではご登場いただこう! 相手の心をへし折るプロフェッショナル! 俺の修行相手! その名も……ピンクの淫乱娘ちゃん!」
「誰がピンクの淫乱娘だ!? つーか私はまだやるなんて言ってねーぞ小人!! 勝手に私を修行の相手に任命すんな!」
開いた扉の先から登場してくれたのは……
ゾロをシャボンディ諸島まで送り届けてくれたピンク髪の淫乱娘ちゃんこと、ペローナである。
ゴスロリっぽい衣装が可愛い。
「え、えっと……お兄さん。この方がお兄さんのメンタルトレーニングをしてくれる人……ですか?」
「そうだ! ペローナはホロホロの実の能力者で、相手をネガティブにさせる事が出来るオバケを作り出せるんだ。ふへへ! メンタルを鍛えるのにこれほどうってつけな人材はいないだろう」
「だからまだやるって言ってねーだろ! ちょっとカワイイからって勝手に決めんな!」
ぷんすか吠えるペローナ。
「ほんのちょっとの期間だけでいいからさ! お願い!」
「…………ほんのちょっとって、どれくらいだ?」
「そうだな……確実にドフラミンゴを倒せるまで成長したいから……よし! ルフィたちと同じくらい鍛えよう! という訳で1年だ! 1年間俺の修行に付き合ってくれ!」
「ふっざけんな!! お前のふざけた修行に1年も付き合わされてたまるか!!」
「え〜? お願いだよ〜、頼むよ〜。やってくれたらいくらでも……」
「いくらでも?」
「おっぱい揉んであげるからさ〜」
「いらねーよ!! 私が淫乱て設定で話を進めるんじゃねェ!!」
ペローナはフワリと浮かび上がり、俺に指を突き付けてきた。
「私に修行を手伝ってもらいたいってんなら……そうだな……10億ベリー! 今すぐ一括で払ってみせろ! そしたら考えてやってもいいぜ? ホロホロホロホロ」
じゅ、10億ベリー!? それは流石に……
「あ、じゃあ私が払いますね。どうぞ」
「「え〜〜ッ!!?」」
エスネが10億ベリーの入ったケースを、何の躊躇いもなくスッとペローナの前へと差し出した。
それを見てとんでもない驚き顔を披露してくれるペローナ。たぶん俺も同じ顔をしている。*1
「え、エスネ……! 待て待て待て! 10億だぞ? 10億! あかんやろ! 流石に!」
「いえいえ! たった10億出すだけでお兄さんのお役に立てるのならむしろ安いくらいです。私の全てはお兄さんのものなので……♡ むしろもっともっと私を求めてください……♡ 身も心もお金も全て……♡」
「こ、こんな事の為に10億って……こいつら、狂ってやがる……」
ドン引きの様子のペローナさん。うん……俺もちょっと引いちゃってる。
し、しかし、10億って言ったのはお前だぞ? ペローナ。こっちはもうそれを差し出しちまったんだ。
つまり、お互いにもう逃げられんのだ! さあ俺の修行の相手をしてもらおうじゃないか! ふへへへへへへ〜!(ヤケクソ)
・
・
・
と、いう訳で、ペローナをまじえた俺のメンタルトレーニングは始まった……のだが……
その修行はハッキリ言って、歴代修行の中でも最も辛いものであった。
「じゃあ行くぞ?」
「……来い!」
「ネガティブホロウ!!」
まずペローナが相手の心をへし折るゴースト……ネガティブホロウをくり出す。俺はそれをわざと喰らう。
「う゛……!!」
すると、みるみる気分がズーンと落ち込んできて──
「はぁぁあぁ……」
最低だ……
死にたくなる……
しかし本番はここからだ。このネガティブ状態のまま、武装色、見聞色、覇王色と、頑張って覇気を維持し続ける。
これはそういう特訓! なのだが……
「俺みたいなクソチビ童貞野郎がどれだけ修行したとしても……きっと意味なんて何もないさ……何も守れない……鬱だ……死のう……」
ポキリと折れた精神状態では、とてもじゃないが覇気を維持し続けるなんて不可能だった……
「お、おい……大丈夫か? これでもう10回目だけど、そろそろ休憩するか?」
orzの体勢でガクンと落ち込み続ける俺に、ペローナが心配して声をかけてきてくれた。
口調は乱雑だけど、基本的に優しい性格してるよな、この娘。
……だけど今はいらない! その優しさ!
「はぁはぁ……! だ、大丈夫……も、もう一発……くれ!」
「ええッ!?」
精神が落ち着いてきた俺は、ペローナにおかわりネガティブを要求する。
「こ、これ以上ネガティブホロウを喰らったら、お前、精神病になっちまうぞ!?」
「……故郷の皆は、今の俺よりよっぽど辛い目にあってんだ……! こんな事で音を上げてたまるか……!」
「だ、だからってよぉ……」
「ペローナ! 次はネガティブ状態にした俺に向かって殴り掛かってきてくれ! もっともっと自分を追い込まなくちゃ覇気は覚醒しない!」
「ええ〜!!?」
待ってろよ、ドレスローザの皆!
ちょっと時間かかるかもだけど、この修行を乗り越えて、俺はかならず強くなって! 絶対……絶対に!! ドフラミンゴの野郎をぶっ倒すから!!!
「ね……ネガティブホロウ!!」
「やっぱ無理かも……」
デカデカの実を求めて! 今回でついに50話です!!
うお〜! 我ながらよくエタらずにここまで続けられたものだ。
でも正直言って、もう限界ギリギリです……背骨も痛てぇし……
感想、高評価がこの小説を書くえねるぎぃ。ぷりーずみー。マジでエタりそう……