異世界先生ユメセンセー   作:七日 八月

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某所で見かけた概念の二次創作が見つからないので自給自足します。


Vol.0 星の夢のリユニオン編
小鳥遊ホシノの奇妙な一日


 

 今日もいつも通り、そのはずだった。

 

 夜に自治区内を巡回して、自宅で横になっても疲れて眠いのに眠れず、学校で対策委員会のみんなが集まった後にようやく眠れる昼夜逆転の日々。

 

 常日頃から慢性的な睡眠不足の為、朝は特に頭が回らないから、てっきり寝ぼけて幻覚でも見たのかと思ってた。

 

 そう、その瞬間はそう思ったんだ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホシノ先輩! ホシノ先輩、起きて! この前アヤネちゃんが要請を送ったシャーレから先生が来たの!!」

 

 セリカちゃんの声と一緒に体を揺すられて目が覚める、スマホを確認すれば寝始めて1時間ちょっとしか経っていなかった……突然の来客とか正直勘弁してほしい。

 

「うへ~……眠いよ~……おじさんもうちょっと寝てちゃダメ~?」

「ダメに決まってるでしょ! ほら先輩、早く起きて!」

 

 正直中途半端に寝たせいですごく眠い、それに得体の知れない大人になんか会いたくない、でも一応支援物資を持ってきてくれたんだろうから形だけでもお礼は言っておかないと駄目か。

 無理やり頭を動かしつつ腕をぐーっと伸ばして体を起こす、とりあえず挨拶してお礼を言って支援物資を貰ったらさっさとお引き取り願おうかな、なんて思っていた。

 

「……で、シャーレの先生だっけ、どんな人なの?」

「女の先生よ、それもなんと! キヴォトスの外から戻ってきた()()()()()()()()()なんだって!」

 

 想定外の言葉にピクリと反応する、アビドスのOGとはなかなか面白い冗談だ、出戻りの元アビドス生にそんな熱意のある人が居たとは驚きだ。

 ……いや、もしかしたらこちらに取り入る為の嘘かもしれない。こちらを油断させて何かよからぬ事でも企んでいるのかも……

 

 駄目だな、寝起きでロクに回らない頭で浮かんでくるのは疑いの感情だけ、ちゃんとどんな人物か見定めよう、もし本当にアビドスのOGだったら色々と融通が利くかもしれないし、下手な大人よりよっぽど信用出来る可能性がある。

 

 最初に思っていた貰うもの貰ったらさっさとお帰り願おうという考えはいったん撤回する事にした。

 そうしてセリカちゃんに手を引かれて対策委員会の扉を開けると、私の目に飛び込んできたのはこれまた想定外の光景だった。

 

「おまたせ! 委員長を連れて来たわよ!」

「うへ~、ごめんね~、お待たせしちゃったかな――――え?」

 

 部屋の中で談笑していた人物を見た瞬間、寝ぼけて幻でも見たのかと思った、でも何度瞬きしても目の前の光景は変わらない。

 

 目の前で驚いたように目を丸くしてこちらを見ている人物、普段の対策委員会では見かけないその人物は、私が良く知る人物と顔が瓜二つで、でも本人な筈は絶対にない人物で……

 

「あ……え、えーと、あなたが先生かな? 私の名前は小鳥遊――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ホシノちゃん?」

 

 

 

 

 

 

 ドクンッと心臓が鳴った。

 

 

 

 その顔で、その声で、その呼び方をする人を……私は一人しか知らない。

 

 でもそんな筈はない! だって、だってあの時確かに私は見た筈だ! 経験した筈だ!

 

 

 

 

 ……アビドス砂漠で果てた、ユメ先輩の亡骸を。それを見送ったあの日を。

 

 

 

 

 思わず一歩後ずさる。何だこれは、何が起きている? これはまだ夢の中なのだろうか、だとしたら酷い悪夢だ。

 

 ユメ先輩が生きていて、先生になっていて、そしてアビドスに帰って来るなんて。

 

 ……そんな都合の良い話がある筈がないのに。

 

 死人は決して生き返らない、そんなの当たり前の話だ。まさか誰かがユメ先輩の遺体に何かした? いや、そんな事は絶対にあり得ない。

 

 何が起きてるのかわからない……わからないわからないわからないわからないワカラナイワカラナイ!!

 

 

 

 手足が震える、息が荒くなる、視界がグラグラと揺れる、そしてもう一歩後ずさろうとしてバランスを崩したその時――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホシノちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 柔らかくて温かい誰かに私は抱きしめられていた。

 

「ホシノちゃん」

 

 心臓の、鼓動が聞こえる。

 

「あのね、私ね」

 

 生きてる人の体温の、ぬくもりを感じる。

 

「もしホシノちゃんに会えたら、絶対に言いたい事があったんだ」

 

 言いたいこと、何だろう。

 

「ホシノちゃん……」

 

 こわい、何を言われるのかがこわい。

 

「ありがとうね」

 

 ――――え。

 

「アビドスを守ってくれて」

 

 ……あ。

 

「後輩たちを守ってくれて」

 

 あぁ。

 

「たくさん頑張ったんだよね」

 

 あぁぁ。

 

「みんなを見てたらわかったよ」

 

 あああぁぁ。

 

「ホシノちゃんがとっても良い先輩になったのが」

 

 あああぁぁぁ。

 

「だからね、ありがとう、ホシノちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

「……う˝ぅあぁぁぁぁあ˝あ˝あぁぁぁぁぁぁッ!!!」

 

 気が付いたら大声を出して泣いていた。後輩たちが見てるのもお構いなしに、先生の……帰ってきてくれたユメ先輩の腕の中でひたすら泣いた。

 

 

 

「ユ˝メ˝先輩っ……わっわだじ……わだし…………!!」

「うん……」

 

「あの日、ユメぜんばいに、ひどいごどを……!!」

「私は気にしてないよ」

 

「あれが……あれで、お別れになるなんで、おもわなぐで……!!」

「ごめんね、いっぱい心配かけたよね……」

 

「ユ˝メ˝先輩っ……ユ˝メ˝……先輩……っ」

「大丈夫、ちゃんと私はここに居るよ」

 

 それからユメ先輩は、私が落ち着くまで優しく背中をポンポンと叩いてくれた。

 

 

 

 

 

 

「落ち着いたかな?」

「……はい」

 

 涙と鼻水でグチャグチャになった顔をユメ先輩がハンカチで拭いてくれた。

 

「ねぇ、ホシノちゃん」

「……? なんですか? ユメ先輩」

 

 見上げると少しドヤ顔気味のユメ先輩の顔があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奇跡、起きたよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あれっ!? なんでまた泣いてるの!? ホシノちゃん!? ひぃん!? 私何か悪い事しちゃったかなぁ!? お願い!? 泣き止んでホシノちゃん!?」

 

 全くこの先輩は……!!

 

 泣き止もうにも泣き止めない私は、ぎゅっと抱き着いてユメ先輩の服を涙と鼻水でグチャグチャにしてやることにした。




続く、かなぁ? 需要がありそうなら続けます。

転生ユメパイ先生概念に異世界転移を少々。



以下。真・あらすじ。

キヴォトスから見て異世界な世界に転生したユメパイが
高校2年の夏休みの補習中に教室ごと異世界転移して
なんやかんやあって元の世界に戻ってきて
学校の先生を目指してたらキヴォトスに居ました。
的なお話です。


ちなみに続いた場合はタイトル変更とタグの追加があります。
↑すでに変更しました。
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