異世界先生ユメセンセー   作:七日 八月

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本日3話目です。


魔弾の射手?

 

 

「アイツら性懲りも無くまた……!!」

 

「でもどうしましょう? 弾薬の残りも少ないですし……」

「だったら、極力無駄弾を減らすように立ち回るしかない」

 

「……最悪私が盾で強引に前に出て、多少の負傷は無視して白兵戦に持ち込むしかない、かな……」

 

 どうやら私がアビドスに来るきっかけになったお手紙に書いてあった武装集団の襲撃みたい……お手紙といえば、補給物資が枯渇しそうになってるんだったね、そういう事なら!

 

 

 

「あるよ! 弾薬! よいしょ……っと!」

 

 私は机の上にドンッと大きな音をたてて大きな金属製の箱を置いた。中身はもちろん各種補給物資、各種弾薬に手榴弾など色々な物が入っている。

 

「これ、全部補給物資ですか!?」

「わぁ☆これなら問題無く戦えます!」

「ん、ドローン用の小型ミサイルに手榴弾もある」

「すごい! これだけあればヘルメット団なんて楽勝だわ!」

「ありがとうございます、ユメ先輩……!」

 

 みんなさっきまでの不安そうな様子はどこかへ飛んで行っちゃったみたい、一気に士気が上がったのがわかる、良かった。

 

「いいのいいの、この為に来たんだから! さあみんな、気を付けて行ってらっしゃい!」

 

「「「「はい!」」」」

「私はこのままオペレートに入ります! 先生はサポートをお願いします!」

 

「わかったよ! まかせて!」

 

 アヤネちゃんはこの場に残ってオペレーターを、前線に行くみんなは各々必要な弾薬を補給して元気に返事をして外へと走って行った。さて、私も自分のやれる事をやろうかな!

 

「アロナちゃん!」

『はい! ユメ先生!』

 

 私は手元にあるタブレット――シッテムの箱のスイッチを入れてメインOSのAIであるアロナちゃんに声をかけた。

 

「これから戦闘が始まるから、戦闘指揮の補助をよろしくね!」

『了解です! まかせてください!』

 

 画面の中のアロナちゃんもやる気満々だ、よし、私も頑張らなきゃ!

 さっそく校庭に出て行ったみんなの様子をドローンのカメラとシッテムの箱の戦闘画面で確認してみる。

 ホシノちゃんのポジションがフロントで、シロコちゃんとセリカちゃんがミドル、ノノミちゃんがバックだね。

 

 わぁ、ホシノちゃんは相変わらず強いなぁ! ヘルメット団の子たちをちぎっては投げちぎっては投げて蹴散らしていく様が画面に映っている、流石だね!

 でも、そんなホシノちゃんでも弾薬が無ければ銃は撃てなくなっちゃうもんね……補給が間に合って本当に良かったよ……

 

 

 

「……あれ?」

 

 そんな戦闘の最中、隣に居るアヤネちゃんが疑問の声をあげたのが聞こえた、どうしたんだろう? 前線外で何かを見つけたのかな?

 

「どうしたの? アヤネちゃん?」

「先生、その、ホシノ先輩なんですが……いつもと様子が違うんです」

「いつもと違う? 調子が悪そうなの?」

 

 私から見てホシノちゃんの動きはいつもと変わらないように見えるけど……もしアヤネちゃんの目から見て普段より調子が悪いのならいったん下がって貰った方が良いかな?

 

「あ、いえ、調子が悪いわけではなくて、むしろ逆に調子が良すぎるというか……」

「え? そうなの? 私の知ってるホシノちゃんっていつもこれぐらい動いてたけど」

 

 

 

「えっ?」

 

「えっ?」

 

 なんだか話がかみ合ってない気がするよ? うーん、もしかしてホシノちゃん、後輩ちゃんたちの経験を奪わない為に普段は加減してるのかな?

 

 だとしたらどうして今日は私の知ってる本気のホシノちゃんと変わらない動きなんだろう……もしかして、私が居るから? ふーん? そっかそっかー!

 

「えっと、どうしたんですか先生? 突然ニコニコして……」

「えへへ、なんでもないよ! ただ、ホシノちゃんも見栄を張りたいお年ごろなんだなぁと思って♪」

「は、はぁ……?」

 

 

 

 そんな会話があったりしてから数分、こちらから敵さんの位置を報告したり、弾幕を集中する位置を指示したりしていたら、あっと言う間に相手のヘルメット団は全滅した。

 

 

 

「敵勢力の全滅を確認! 皆さんお疲れ様です!」

 

 アヤネちゃんが通信で外のみんなに状況の終了を伝えた、私はみんなと通信出来るインカムが無いので窓を開けて声をかけた。

 

「みんなー! お疲『ユメ先生!』れ……さ、アロナちゃん?」

 

『戦闘範囲ギリギリから狙撃銃でセリカさんが狙われています!』

「っ!?」

 

 伏兵!? ならどうして戦闘中に狙撃で援護をしなかったの……? 今日の戦闘はホシノちゃんが思いっきり暴れまわっていたから撃てなかった? それとも、無駄弾が無い高コストの弾? あれ? 高コストの……殺傷力の高い……!? ……いけない!!

 

「アヤネちゃん! セリカちゃんが戦闘範囲ギリギリから狙撃銃で狙われてる!! 通信で回避を促して!!」

「えっ!? セ、セリカちゃん!! よけて!!」

 

 

 

 

 

 

「――――えっ?」

 

 

 

 

 

 

――――バァンッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひぃん、ギリギリセーフだぁ……」

「せ、先生……?」

 

 右腕を窓から出して前に突き出している私を見てアヤネちゃんが驚いた顔で声をかけてきた。私の右手、その親指と人差し指から煙が消えていく。

 

「あの、さっきのは一体……?」

「徹甲どんぐりだよ~……はぁ、久々だったけどちゃんと当たって良かったぁ……」

 

 咄嗟に()()()()()()()()()()()()()狙撃してどうにか弾道をずらすのに成功した直後、ホシノちゃんが凄い形相で狙撃手の方へ跳んで向かっていったのが見えた、今度こそ大丈夫そうだね。

 

「て、徹甲どんぐり? 聞いた事が無いんですが、それは一体?」

『ユメ先生! さっきのは一体なんなんですか!? 私も詳細が知りたいです!!』

 

「あ˝っ…………え、えーと、その……」

 

 アヤネちゃんとアロナちゃんからの質問に言葉を詰まらせてしまう、緊急事態とはいえ、まさかコレを使う羽目になるなんて思ってなかったから何にも言い訳とか考えてなかった、どうしよう……

 

「あ、ホシノ先輩から伝言です『対象の狙撃手は制圧完了しました、セリカちゃんを助けてくれた事はとても感謝していますが、後で色々と詳しく教えてくださいね』だそうです……」

 

「あ、はい……」

 

 こ、これはもう覚悟を決めるしかなさそう……ひぃん……

 

 





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